経営

業界の壁を壊せるのは、いつだって中小企業だ

「業界の壁がなくなっていく」と言われています。
では、誰がどうやって、この壁をぶち壊していくのでしょうか?

私は中小企業やスタートアップが壁を破壊していくと考えています。

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インターネットが最初に壁をぶち壊した

最初に業界の壁をぶち壊したキッカケはインターネットです。

皆さんご存知のAmazonは、インターネット書店から始まった会社です。腐らず・大きさもある程度一定なので倉庫・物流の仕組みをつくりやすいことから、最初は書籍を選びました。その後、同じ理由で、DVDやゲームなどに進んでいます。

これにより出版社から消費者まで本が届く流通が大きく変わりました。特に書籍の電子化(Kindle)は流通を完全に中抜きしました。書籍に限らず、幅広い商品ラインナップを揃えるにつれ、小売業界全体が破壊されるほどのインパクトを与えています。(日本ではアメリカほど小売業が破壊されていないので実感が湧きにくいですが)

同様に音楽のデジタル化によって、レコード屋さんは壊滅的な打撃を受けました。と同時に、ミニコンポなどが部屋から消えた人も多いのではないでしょうか。これもインターネットがもたらした影響です。

壁を壊すのは業界トップ企業ではない

このような変化を起こすのは、業界ナンバー1の企業ではありません。業界トップ企業は、その業界で高い利益を得ているため、自分で自分の首を絞めることになるからです。

コンパクトデジカメが売れていた2008~2010年頃、スマートフォン市場が急激に伸びてきました。スマホに搭載されたカメラは当時、オモチャのような機能でした。当然、業界トップ数社は、誰も見向きもしませんでした。

コンパクトデジカメだけでなく、一眼レフなども含めて、彼らの技術力は高いので、オモチャの相手をしている場合ではありません。下手にオモチャに手を出して、価格競争に巻き込まれることなど、誰も望んではいません。

しかし、その後の動きは、皆さんご存知の通りです。

カメラ市場は2008年をピークに下降線を辿っているのです。スマホに市場ごと奪われていると言っても過言ではありません。少なくともコンパクトカメラ市場は、スマホに破壊されつつあります。2018年の金額規模で見ると、カメラ市場の8割近くが、一眼レフなどの高級機が占めています。既にコンパクトカメラは2割強しか残っていません。(カメラ映像機器工業会のサイトより)

繰り返しになりますが、市場を破壊したのは、業界トップ企業ではありません。業界の壁を壊すのは、いつだって最初は見向きもされなかったプレイヤーです。Amazonも最初は鼻で笑われていたでしょう。

これから壁を壊す企業の条件

多くの業界が、インターネットに対応した新たなプレイヤーによって破壊されてきました。タクシー業界に対してのUber、宿泊業界に対してのAirbnb、レンタルビデオに対するNetflixのように。

もちろん、これからもインターネットネイティブの新規プレイヤーによって、業界は変わっていくでしょう。ただ、私はここに別の条件を追加したいと思います。と言うよりも、既にその兆候が見えてきているからです。

  • 業界のことを良く知りつつも、ビジネスとAIを結び付けられる企業
  • 1社単独ではなく、地域・産学などのチームをまたいで活動できる企業・団体
  • 社会課題を解決する企業

こういった条件を満たす中小企業が、業界を破壊しながら、新しい社会をつくっていくことになると考えられています。

少しずつ、こういった新しい流れを起こしている事例の紹介もしていければと思います。

まとめ
  • インターネットネイティブ企業が、業界を破壊してきた
  • 業界トップ企業は、その業界を破壊することはできない
  • これから業界の壁を壊す企業には、新たな特徴がある
  1. 業界の壁を壊せるのは、いつだって中小企業だ(←この記事)
  2. AI(人工知能)活用は業界全体のPDCA自動化を目的に
  3. 1社単独で戦うよりも、地域・産学チームをつくれる組織が伸びる
  4. 社会問題に向き合う企業が、業界の壁を破壊していく

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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