データ分析

売上の傾向を把握するためのデータ分析(移動平均)

売上の「傾向」を把握していますか?

今、増加傾向にあるのか。それとも減少傾向になるのか。原因を分析して施策を打つにしても、そもそも現状把握できていなければ、施策を考えることができません

この記事では、売上の傾向を把握するための「移動平均」についてご紹介します。

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毎月の売上を見てても、傾向は把握できない

毎月の売上は経営者であれば、把握しているでしょう。ただ、その数値だけを見て、本当に売上の傾向を正しく把握できているでしょうか?

例えば、毎月の売上を折れ線グラフで見ていたとしましょう。

このグラフだけを見て、

  • 3月の売上が良かったか悪かったか?
  • 売上は増加傾向なのか、減少傾向なのか?

これらの質問に答えられる人はいないでしょう。私も答えられません。答えられるとしたら、この事業に長く携わっていて、過去の経験から、別の数値をはじき出している人だけです。

売上は月々の変動があります。また季節変動もあります。季節変動のない商品であっても、月々、自然に発生する変動はコントロールすることができません。このような変動がある限り、このグラフからだけでは、売上が伸びているのか、あるいは下がっているのかの判断が非常に難しいのです。

傾向を見るための移動平均

毎月の売上データに少し手を加えると、傾向が見やすくなります。移動平均という考え方です。理論はさておき、グラフを見てみましょう。先ほどのグラフに移動平均を追加しました。

売上だけからは読み取れなかった傾向が見えてきます。この1年間、ほとんど売上は変化していないということです。

移動平均とは、時系列のデータにおいて、ある一定区間ごとの平均値を区間をずらしながら求めたものです。この例では1年間を一定区間としています。元のデータはこのようになっています。

2018年3月の移動平均は、2017年4月~2018年3月までの1年間の平均値。
2019年4月の移動平均は、2017年5月~2018年4月までの1年間の平均値。

エクセルの式で表すと

D14=AVERAGE(C2:C13)

です。青枠で囲われたところがAVERAGE関数の範囲となります。

このように当月の売上と、過去11ヶ月の売上の平均値を求める計算を毎月行います。これが移動平均です。移動平均を見ると、売上の傾向が非常に把握しやすくなるのです。

移動平均の読み方

2年分全体をグラフにすると、このようになります。

実はこの商品は、夏場に良く売れる商品です。2年間分の売上実績を見ると、それが分かりますね。このような季節変動がある商品の場合は、売上だけを見てると傾向が分かりにくくなってしまいます。

そこで移動平均を加えることで、月々の変動や季節変動を吸収して、売上の傾向(トレンド)を見ることができます。ちなみに月の売上が移動平均を超えたときは良い傾向です。特にこの場合、夏場が強い商品ですから、冬場に移動平均を超えるのは大変です。直近ですと、1月と3月が、頑張っていることが分かります。

今度は売上が伸びている傾向にあるグラフを見てみましょう。夏場に強い商品であることは同じです。

移動平均(グラフの赤線)が右肩上がりに成長しているのが分かります。これも単月の売上グラフだけを見ると、なかなか確信を持てないですね。この場合も3月は移動平均を超えていて、頑張っていることが分かります。逆に移動平均が右肩下がりになっている場合は、原因を追求して、早急に手を打つべきです。

このように移動平均を加えるだけで、売上の傾向が非常に読み取りやすくなります。是非、やってみて下さい。なお、一定期間を1年にせず、変える方法もあります。私の場合は、季節変動の少ないビジネスですので、毎日の売上を見て、30日間の移動平均を常に見るようにしています。

まとめ
  • 売上の実績だけからは、売上の傾向を読み取れない
  • 月々の変動や、季節変動があるため
  • 移動平均を使うと、売上の傾向がグッと読み取りやすくなる

本連載の記事を以下にまとめておきます。

  1. 売上の傾向を把握するためのデータ分析(移動平均) (←今回はここ)
  2. 売上目標(予算)の達成状況を把握するためのグラフのつくり方
  3. 顧客別・商品別・部門別の売上を割り出す方法
  4. 売れ筋商品を見つけるためのデータ分析(パレート図をつくる)
  5. 事業ごとの成長率を把握するためのデータ分析(ファンチャート)

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