IT・システム企画

中小企業がITを活用する上で避けたい3つの落とし穴

「知識なし、ITエンジニアなし、お金なし」が一般的な中小企業におけるITの現状です。そんな中小企業がITを活用するためには、どうすればよいのでしょうか。中小企業経営者向けに3つ避けたい落とし穴をお伝えします。

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「ウチの業界・会社は特別だから」をなくす

ITツールを検討するときに、よく出てくる問題の1つ目がこれです。

「これではウチのやり方に合わない」という発言。
「ウチの業界(会社)は特別だから」と言われることも。

言葉の裏には「だからこのツール・システムは合わない・使えない。今のやり方、変えるつもりないし。」という固執した考えが見え隠れします。人間は、今のやり方を変えることには抵抗感を感じる生き物です。なので感情としては、とても理解できます。

ただ、この発言の問題は「考えることを放棄してしまうこと」です。

合わないのは確かかもしれません。「ではどうするのか?」を考える必要があるのですが、「合わない」と言い切ってしまうことで、その先に思考が進まなくなってしまいます。

仮に「合わない」と結論づけるにしても、何が合わないのか?合う部分・合わない部分を切り分けるなどの検討が先にあるべきです。でなければ、どんな優れたツール・システムであっても、使えるようにはなりません。

仮に今のやり方に100%ピッタリ合うシステムをつくったら・・

  • 市場に出回っているツールより、100倍以上コストが掛かる(1社のために特別につくるのだから当然です)
  • 感情で「合わない」と言っている人は、100%合うものを目の前にしても文句を言い続ける

ということになり、やはり問題は解決しません。

ただ、自社が自社であるためのコアな業務を遂行するためにであれば、システム開発をすることは当然あり得ます。例えば「請求書を発行する」というような、他者との差別化をする必要もない業務においては、今のやり方にこだわらず、どんどん新しいやり方を取り入れいく方が、正確で速くてコストも掛かりません。

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「ウチら素人だから」をなくす

2つ目の問題は「ウチらITは素人なんで(全部お任せします)」というスタンス。本来自社がやるべきことを放棄して、ITベンダーに丸投げしてしまうことに問題があります。

医者に行って「金を払うから全部治してくれ」と言っても無駄です。健康なカラダを手に入れるには、自分自身で食事の管理をして、適切な運動をするなど、自分でやるべきことをやらねばなりません。

ITツールの導入・活用も同じです。
ITベンダーができることは、医者がアドバイスをくれるのと同様に、あくまでも専門家としての助言や代行作業が中心です。その会社の一員でない限り、やれないことは多々あるのです。

その代表例が、新しいやり方を導入するときの、社内への啓蒙活動です。
これを他社にお願いすると、話を聞く従業員は「(やる気ないけど)社外の人だから、失礼のない程度に聞いておこう」というスタンスになります。それでは成果が上がらないのは当然です。

新しいことに取り組むのであれば、その意図や目的を経営者が自分の言葉で語らなければなりません。それを部下や他社に丸投げするから、うまく行かなくなってしまうのです。

「ついでにこれもやろう」をなくす

システム・ツールを導入しようとすると、「ついでにこれもやりたい」という意見が出てくるもの。

自分で企画・推進の役割を買って出ない割に、自分のやりたいことだけを主張してくるモンスターです。ハッキリ言って、マトモに相手をしてはなりません。ただ、そのモンスターが経営者や役職者であることが多いのも、また事実・・(涙)

「知識なし、ITエンジニアなし、お金なし」の中小企業が成功するためには、やることを最小化するのが重要なポイントです。プロジェクトを金額的にも・人数的にも・期間的にも、できる限り小さくするのです。

ついでのアレもコレもが、プロジェクトを肥大化させていき、失敗の確率を急激に高めていくことを特に経営者は認識しておきたいですね。

困ったときは「何のために検討・企画しているのか?」という原点に立ち戻り、最小限やるべきことを実施しましょう。それで成功したら次のアレやコレを検討すれば良いのです。

まとめ
  • 今のやり方を変えることに抵抗しない
  • ITベンダーに丸投げしない
  • ついでにアレもコレもやらない

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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