書籍紹介

ドラッカー『マネジメント』から学ぶコミュニケーション

隔週でドラッカー読書会を行っています。
その読書会での対話から得られたものをお裾分けします。

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ドラッカー『マネジメント』読書会

隔週でドラッカーの読書会をやっています。

ドラッカー読書会から得られていることドラッカー読書会を2週間に1度行っています。目的は、原理原則を身に着けることです。簡単に参加できるようにするため、事前課題はありません。他者との意見交換を通じて、抽象度の高い原理原則を身に着けていくのが良いと考えています。...

1冊目は『経営者の条件』。
今は2冊目の『エッセンシャル版 マネジメント』の途中です。

1974年に書かれた本ですが、内容は本質的なものばかり。
今週は「第6章28節 コミュニケーション」がテーマでした。

ちなみにバーナードは、組織が成立するための 3つの条件として

  • 共通の目的
  • 貢献する意欲
  • コミュニケーション

を挙げています。
コミュニケーションは、組織が成り立つための重要な要素と言えます。
(そんなこと言われなくても、重要性は日々感じていることと思いますが)

コミュニケーション 4つの原理

ドラッカー曰く、コミュニケーション 4つの原理は以下の通りです。

  1. 知覚であり
  2. 期待であり
  3. 要求であり
  4. 情報ではない

デカルト以来、重点は分析に置かれてきました。
(『我思う。ゆえに我あり』と言った人ですね)
ドラッカーは、これからは分析と知覚とのバランスが不可欠だと言います。

ドラッカーは組織を1つの生態系として見ています。
だから分析ではなく、知覚の対象であり、全体として観察し理解しなければならないのです。
部分の和が全体ではなく、部分は全体との関係において存在するだけだからです。

以下、私が気になったところの抜き出しです。

  • (知覚)コミュニケーションを成立させるものは、受け手である。
    ソクラテス「大工と話すときには、大工の言葉を使え」
  • (期待)われわれは期待しているものだけを知覚する。
    受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。
  • (要求)コミュニケーションは受け手に何かを要求する。
    それが受け手の価値観、欲求、目的に合致するとき強力となる。
  • (情報)コミュニケーションは知覚の対象であり、情報は論理の対象。
    重要なものは、知覚であって情報ではない。

私も日頃から意識していることがあります。
専門用語を使わずに、お客様に分かる言葉に合わせることです。
逆にお客様の業界の専門用語は理解するように努めています。

そして、コミュニケーションは受け手に何かを要求しますよね。
この現実をあまり意識していない方は多いように感じます。

  • 要求を具体化しないと相手に伝わらない
  • 要求することで生じる負担を想定しないといけない

2点目は私も意識から漏れることがあったので、改善しようと思いました。

コミュニケーションは組織の「あり方」である

コミュニケーションの4つの原理以外に、私が気になったところです。

コミュニケーションは組織の「あり方」

  • 情報が多くなるほど、効果的かつ機能的なコミュニケーションが必要になる。
  • 目標管理こそコミュニケーションの前提となる。
    目標管理の最大の目的は、上司と部下の知覚の仕方の違いを明らかにすることにある。
    コミュニケーションが成立するには、経験の共有が不可欠
  • 私からあなたへ伝達するものではない。
    われわれのなかの一人から、もう一人へ伝達するもの。
  • 組織において、コミュニケーションは単なる手段ではない。それは組織のあり方である。

コミュニケーションは組織のあり方である、というのは刺さります。
今、テレワークが上手く活用できている組織と、そうでない組織があります。

対面ミーティングに代わるものは、多くの組織で Zoomなどが活用されています。
しかし、雑談とかちょっとした会話ができないために、不便さを感じている組織が多いようです。

そこで何も考えずにテレワークを止めてしまうのか。
代替手段を模索してテレワークを続けるのか。
正に組織の「あり方」が問われているように思います。

なお、私の知る組織ですと雑談とかちょっとした会話には

  • Slackなどのチャット(文字・絵文字)を使う
  • discordなどを接続しっぱなしにする
  • Remottyなどの仮想オフィスツールを使う

などで対応しているようです。一方、

  • 役職者には対面で挨拶が必要(儀式)
  • 儀式が終わらないとチャットやメールはしにくい

そんな状態だと、なかなかテレワークには対応できないのでしょう。
(という会話が読書会で出てきました)

目標管理がコミュニケーションの前提

それから、目標管理とコミュニケーションの関係性。
これは組織として非常に重要です。

コミュニケーションを活発化させたいからと言って、無駄話をひたすら増やしても大した効果はありません。
(アイスブレイクにはなるでしょうが)

  1. 事業の目的を明確にする(5つの質問)
  2. その上で重要領域目標を定義する
  3. 目標を共有し、コミュニケーションを行う

このような流れができていてこそ、コミュニケーションが成り立つのでしょう。
逆に言えば、コミュニケーションがうまくいかないのは、事業の目的が曖昧だったり、目標が不明確だったり、共有されていないからではないでしょうか。

ドラッカーと「知覚」

最後に、ドラッカーの書籍には「知覚」という言葉が良く出てきます。
間違いなくドラッカー思想を理解するためには重要なキーワードです。

ただ私は、この「知覚」に対する理解が、まだまだ浅いです。
読書会や別の場での学びを通じて、もっとドラッカー思想を深めたいものです。

まとめ
  • コミュニケーションとは、知覚・期待・要求であり、情報ではない
  • コミュニケーションは組織の「あり方」そのもの
  • 目標管理がコミュニケーションの前提

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【編集後記】
膝を痛めており、トレーニング(バイク・ラン)はお休み中です。
今のうちに筋トレなどをしっかりやろうと思っています。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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