前回は、継続的に利益を上げる組織には仕掛けがあることをご紹介しました。
突然ですが、貴社は、利益率、何パーセントのビジネスを目指していますか?
「うちは利益率、何パーセントにしたら良いですか?」と質問を良くいただきます。業界ごとに一般的な利益率は、TKCや『中小企業の財務指標』などに出ています。
そのため、業界内で優良企業になるには、どのくらいの利益率にすれば良いのだろう?と
質問いただくのだと推測しています。
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利益率は経営者の決意表明
しかし、利益率は他人に決めてもらうものではありません。経営者が決意するものです。
マラソンを走るときも
- とりあえず完走する
- 歩かないでゴールする
- 4時間を切るぞ(サブ4だ)
- 自己ベストを更新する
など、自分で目標を設定するものです。
利益率・利益額も同じこと。
どれくらいの利益を確保して、
人件費をどれくらい払い、
自分への給料をどのくらいにして、
成長するための投資にどれくらいまわすのか?
薄利多売で、とにかく大量にさばいて利益を確保するのか、
それとも数は減らして、高い利益率を目指すのか。
業界という枠が崩壊しつつある社会において、業界標準値を知ることの意味は、少しずつ薄れています。
貴社が目指す組織を築くためにも、まずは目指す利益率(利益額)を決意しましょう。
それは経営者としての決意表明です。
ちなみに、稲盛和夫さんは
10%くらいの利益率が出せないようでは、経営のうちに入らない
と仰っています。不況への最大の予防策として、高収益な体質をつくることを啓蒙されていました。
利益を決めるには?
利益を決めるための方法を、1人でビジネスをやっている私(渋屋)のシンプルな例でご紹介します。
私が独立を決意したとき、最初に目指したことは
- 最低限の生活費を確保する
(当時、とりあえず月額40万円としました) - コンサルタントとして成長するための投資を行う
(知識・経験の仕入れとして、月額30万円としました)
実際には、その他、通信費などの固定費があるのですが、上記2つに比べれば微々たるものです。適当に10万円足しておけば十分です。
私のビジネスは、交通費や会議室以外のコストがほとんどかかりません。粗利率は90%以上です。ですから「売上(≒利益)80万円」を早々に達成しよう、ということになったのです。
独立後、最初の3ヶ月は厳しかったのですが、4ヶ月目に初めて目標を達成しました。自分が得たお金で次の投資ができることがメチャメチャ嬉しかったのを覚えています。
このように、
- 必要な経費(毎月かかるお金)を洗い出し
- 投資したい金額を挙げて
- 原価がかかるビジネスでは粗利率を考慮して
目標とする利益額・売上高を決めましょう。
達成したときのことを思うと、ワクワクすると思いますよ!
- 利益の業界標準などは、もはや参考にならない
- 利益は経営者が決めるもの
- 掛かる経費、投資したい金額、粗利率から計算する
次回は、売上を伸ばせる組織の経営者が、どのように考え、従業員に指示を出しているか、をお伝えします。
本連載の記事を以下にまとめておきます。
- なぜ売上や利益が必要なのか(利益は目的ではなく血液のようなもの)
- 継続的に利益を上げる組織には、仕掛けがある
- 利益率は経営者がデザインするもの(←今回はここ)
- 「売上30%アップだ」は経営者の思考停止でしかない
- 集客の悩みの真の原因は・・・・新規顧客の獲得ではない
- 顧客流出を防ぐためのデータ活用方法
- 思いつきで顧客に会ってはいけない
- 新商品で客単価・購買頻度を上げる
- 新商品・サービスを企画・開発する流れ
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