利益を生み出す仕組み

「売上30%アップだ」は経営者の思考停止でしかない

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「売上を○%上げる」「売上目標は○○万円だ」という目標を良く聞きます。
分かりやすい目標に見えるかもしれませんが、
実際のところ、これは経営者や管理職の思考停止と言わざるを得ません。
何の戦略も方向性も示していないからです。

 

売上を上げるための要素

売上は以下の式で示されます。

売上=客数(A) × 客単価(B) × 購入頻度(C)

(A)客数=既存客+新規客ー流出客

(B)客単価=単価×商品数

(C)購入頻度

と分解できます。

つまり、売上を向上させるには

  1. 新規顧客を獲得する
  2. 流出する顧客を食い止める
  3. 単価を上げる
  4. 購買点数を増やす
  5. 購入頻度を上げる

のどれか、あるいは、これらの組み合わせが必要になります。
では、どの方法を選択すれば良いのでしょうか?

※本記事では、客数の「?」については触れません。

これを示さぬまま、売上目標だけを掲げるのは、経営者の怠慢です。
「売上を30%伸ばしてこい!」という号令だけをかけた企業で、

  • 新規顧客ばかりを追いかけて営業が疲弊した
    (営業がすぐに辞めてしまい、従業員が育たない)
  • IT企業が、なぜか事務用品を売るようになっていた
    (顧客から何の会社なのか覚えられず、ただの便利屋になってしまった)

というような惨劇を見たことがあります。

この例のように、現場の従業員が迷わないように、
具体的な行動計画に落とし込めるよう、方向性を示すのが、経営者の役割です。

 

どうやって方向性を決めるのか?

では、方向性を示すためにやるべきことは何でしょうか?

最初は、現状把握です。
現状が分からなければ、改善することができないからです。
やみくもに手を打ったとしても、
後から振り返って、効果があったかどうかが分かりません。

多くの組織が「売れる仕組み」をつくれないのは、
「売上(金額)」だけを見ているからです。
売れる「仕組み」をつくるためには

  1. 現状把握をして
  2. 対策を検討し
  3. その対策を実行して
  4. 効果を測定する

というサイクルをまわすことが欠かせません。

PDCAサイクルを提唱したデミング博士もこのように言っています。

定義されていないものは管理できない。
管理されていないものは測定できない。測定されていないものは改善できない。

例えば、現状把握(1)をしたら流出する顧客が多いことが分かったとします。
(過去に購入してくれたのに、しばらく接点がなくなっている顧客)

対策は流出する顧客数を減らすために、
季節毎にキャンペーンを行うことにしました(2)。
顧客との接点を増やせば、流出が減るだろうという仮説です。

効果を測定するためには、流出する顧客を定義しなければなりません。
ここでは、1年間、全く購買のなかった顧客を「流出する顧客」と決めました。

実際に春のキャンペーンを実施してみて(3)、
その結果、1年近く購買のなかった顧客をどれだけ呼び起こすことができたか?
を測定することで、打った対策の効果を把握します(4)

 

経営者には、現状把握する「データを読む力」が求められる

冒頭の「売上○%アップだ」が、経営者の怠慢であることがお分かりいただけたでしょうか。
何の根拠もなく根性論を振りかざすことは、経営者の仕事ではありません。

具体的に何をどれくらい改善するのか?
新規顧客を増やすのか?流出する顧客を食い止めるのか?

その方向性を示して、現場の従業員たちが
「今日から何をすれば良いのか?」
迷いなく確信を持って動ける環境をつくるのが経営者の仕事です。

つまり、経営者には「データを読む力」が欠かせません。
とは言え、複雑なことは不要です。

顧客別の売上・利益、取引履歴を整理して、
「優良顧客」「準優良顧客」「流出可能性のある顧客」
を分類できれば十分でしょう。

すぐにできなくとも、「そういうものだ」と思っておいて下さい。

もしデータを読む力・活用する力を身につけたいなら、
僭越ながら、こちらの書籍がオススメです。
私も普段、本書に書かれたことをコンサルティングで実践しています。

あ、もちろん読まなくても、続きは理解できますのでご安心を。
(ご要望が多ければ、「データ分析編」も執筆します。)

次回は多くの企業が悩む「集客」。
この真の問題に切り込みますのでお楽しみに!

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