業務プロセス

業務改善セミナーレポート(改善を浸透させるには、どうすれば良いのか?)

昨日、業務プロセス改善セミナーを行いました
いつものことながら、主催セミナーには一般の企業研修などよりも、レベルの高い人がいらっしゃるので、私自身も学ぶことができました。

この記事で、大まかな内容をご紹介します。

<スポンサードリンク>



付加価値の向上には、業務プロセス改善が必要

いきなり業務改善の内容に入る前に、企業の生産性は、付加価値と効率性の掛け算であるという話をしました。

生産性とは「付加価値」と「効率性」の掛け算生産性を高めたいと考えつつ、やっていることは単なる労働時間削減になっていませんか?それでは組織や働く人が疲弊していくのみです。では時間削減以外にやるべきことは?この記事では、経営者が知っておきたい付加価値と業務効率の関係をお伝えします。...

理由は、業務改善というと、

  • 無駄を省く
  • 労働時間を短くする
  • 納期を短縮する

のような効率性にばかり意識が向いてしまうからです。

そうではなく、空いた時間を利用して、どう付加価値を向上させるのか?とセットで考えなければ、組織は良くなっていきません。

後述するように、業務改善は現場の活動なくして実現できません。
しかし、経営者から付加価値を上げることへの言及がなく、単なる時間短縮を目的にしてしまうと、現場の反感・不安をかってしまいます

「私、クビにされるんですか?」と。
(この言葉、何度も現場で聞きました・・)

現場の自主的・積極的な活動なくして、業務改善は実現しません。
そのためにいきなり各論に入るのではなく、重要なことなので、前提としてお伝えしました。

業務プロセスの特徴と改善のポイント

ここが本セミナーの本編です。

業務プロセスの特徴

まずは業務プロセスとは何か?からはじめ、続いて5つの特徴です。

  1. 目的がある
  2. インプット・アウトプットがある
  3. 関係者がいる
  4. できる人は無意識にやっている
  5. 計測対象である

さすがに昨日の参加者(経営者と経営支援者)は、すぐにご理解いただけたようです。
詳細はこちらの記事で解説しています。

業務プロセス(ビジネスプロセス)とは何か?業務プロセスの見える化とか生産性向上とか、色々と言われています。AIだRPAだと騒がれている現実もありますが、まずは自社の業務プロセスに正面から向き合うことが、本当のスタートです。では、業務プロセスとは何なのでしょう?その特徴や忘れてはならないことをご紹介します。...

業務プロセス改善の発想法

業務プロセスを改善するためには、まずは現状業務の棚卸しをしなければなりません。
個人が面倒くさいと感じる業務の改善から始めてしまうと、単なるモグラたたきになりがちだからです。

棚卸しをして、全体を俯瞰・共通認識を持ってから改善していきます。
ただ、私たちは日々、自分が何をしているか?をそこまで強く意識していません。
棚卸しをする場合には、例えば30~60分毎に自分が何の業務をしていたのか?記録を取るようにお勧めしています。

この表の縦軸(業務内容の欄)を埋めていきます。

この縦軸を抜け漏れなく、埋めることが業務改善における最重要ポイントだと考えています。その後、横軸も埋めつつ、各業務の改善を行っていきます。そのときの発想法は

  • なくせないか?
  • 一緒にできないか?
  • 入れ替えられないか?
  • 簡素化できないか?

というECRS(改善)の原則です。
いくつかの解説・実例とともにお伝えしました。

業務プロセス改善の思考法「引っ越しに伴う住民票の異動」から考える業務プロセスを改善するには鉄板とも言える流れがあります。その最初は、その業務の目的を明確にすること。その上で、ECRSの原則を活用して、業務を改善していきます。1. 無くせないか? 2. 一緒にできないか? 3. 入れ替え・代替できないか? 4. 簡素化できないか?です。...

横軸を埋めるときのポイントは、こちらの記事で紹介しています。

業務プロセスで確認しておきたい項目業務プロセス全体を一覧にした後、個々の業務プロセスを確認していくことになります。この記事では、個々の業務プロセスを確認する際の、確認しておきたい項目をご紹介します。簡単な業務であれば、図式化しなくても、この項目だけで内容が理解できるようになります。...

業務プロセス改善を浸透させるには、どうすれば良いのか?

定期的・継続的に業務改善できる組織にするためには、どうすれば良いのか?

1人の経営者から質問をいただきました。
非常に本質的な問いだと思います。

この答えは、上述の棚卸しを組織として行い、棚卸し結果を活用し続けることだと考えています。棚卸しがしっかりできると、以下のような活用ができます。(横軸は消してしまってOK)

  • 社員教育(業務の目的や流れを共有するのに活用)
  • 業務の抜け漏れチェック(チェックリストとして活用して品質を維持・向上させる)

こうして日常的に利用するツールにしていくと、

  • 抜けていた業務を発見したら追加する
  • なくなった業務は消す

というように、より良い業務プロセスを追求していく組織になります。

私は会社で管理職だった頃、5~30名くらいの組織を運営していましたが、例外なく、この取り組みを行っていました。エンジニアの組織でも、企画・マーケティング組織でも行いました。それだけ効果があるからです。

このように棚卸しができていると、業務の引継ぎやマニュアル化(見える化)も簡単になります。

まとめ
  • 経営者や経営支援者は効率化だけでなく付加価値向上とセットで考える
  • 業務改善の最重要ポイントは、業務を抜け漏れなく棚卸しすること
  • 棚卸しした結果を組織で活用すると、改善活動が定着する

[the_ad id=”2141″]


【編集後記】
セミナー後は懇親会でした。
なぜか場所の予約を30分間違えていて、焦りましたが、問題なく入れて一安心。
(寒かったので・・)


メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。

渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
\ Follow me /