データ活用については、テクニック的なことよりも、まずはその価値を知ることが大切です。
前回はそのことをお伝えしました。
では、価値を知り、いざデータ活用に取り組もうと思ったときに、何が必要なのでしょうか?
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最も大切なのは、業務を把握していること
データ分析というと、何やら高度なスキルが必要になると思われがちです。
- 多変量解析や回帰分析などの数学的な知識
- エクセル(Excel)やBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールなどのITツールの知識
- RやPythonなどのプログラミング知識
しかし、これからデータ活用をしたいと考えている人の場合、高度な知識は不要です。
(こんな記事を書いている私自身、数学的にもプログラミング的にも、大した知識は持っていません。。)
それよりももっと大切なのは、業務を知っていることです。
この絵は、レストランにて、タマゴを材料(インプット)として、オムレツをつくる業務プロセスを示しています。
- お昼の混雑ピーク時には、1時間にいくつのオムレツをつくる必要があるのか?
- 1つのオムレツをつくるのに掛かる時間はどれくらいか?
- 1つのタマゴを無駄にすると、いくらの損失になるのか?
このような業務知識を持った上で、何を改善していくのか?を考えなければなりません。
「データ活用」とか「データ分析」と言っても、何か特別なことを行うわけではないのです。
データ分析したら、自動的に答えが出てくるような魔法はないのです。
人工知能(AI)と同じように、何か特別なことを行っているような印象を持つ方が多いのですが、そんなことはありません。
業務を知らなければ、目標を設定することができない
データ活用は、データ活用をするためにあるわけではありません。(手段の目的化)
他の手法と同じように、業務をより良くするための手段の1つに過ぎません。
ですから、業務を熟知し、「そもそもどうなりたいの?」という目標を設定することが重要です。
- オムレツをつくるスピードを上げたい(1時間に100個→120個)
- シェフによってバラつく品質を均一にしたい
- タマゴの無駄な消費を最小限にしたい
業務上にどんな問題が潜んでいて、何を解決しなければならないのか?は、業務を知らなければ分からないのです。
- 目標を立てる
- 仮設を立てる
- データ分析を行う
- 分析結果を元に、対策を施す
- 結果を確認する
- 1に戻る
この繰り返しがデータ活用の基本です。
そして、どのステップにおいても大切なのは、業務を知っていることなのです。
業務プロセスは測定対象である
なお、日頃から業務プロセスを意識している人は、「測定対象である」ということを知っています。
単にオムレツをつくるだけでなく、
- タマゴ(インプット)はいくつ必要なのか?
- 原価はいくらなのか?
- 何分でできるのか?
- この業務プロセスに関わる人件費はいくらか?
- オムレツ1つで得られる利益はいくらか?
などを、日頃から意識しているのです。
現場の業務(業務プロセス)を熟知し、日頃から業務をより良くすべく、測定対象としてデータを取得していれば、データ活用の前提条件は満たしていることになります。
逆に「今まで意識していなかった」という大半の方にとっては、細かなデータ分析の手法よりも、以下を整理することをお勧めします。
- 現在(あるいは将来)、どんな問題を抱えているのか?(問題)
- それをどのように変えていきたいのか?(目標)
- どこに原因がありそうなのか?(仮設)
- データ活用に最も必要なのは、業務を熟知すること
- 業務プロセスは計測対象である
- 現状業務の問題、目標、仮設を整理する
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