商品・サービス企画

SESや受託開発からSaaSへ移行するための第1ステップ

SESや受託開発のIT企業が、サービス提供型のビジネス(例:SaaS)へシフトしたいという声を頻繁に聴くようになりました。

システムインテグレーション業界が少しずつ崩壊に向かう中、「このままでは耐えきれない」と考えるIT企業が増えてきているのでしょう。

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企画の前提となるのは、自社の強み

本連載の初回でご紹介していますが、サービス提供型のビジネスは全くの別物です。
キャッシュフローから必要なスキルまで、相当違います。

受託開発からサービス(SaaS)へシフトできない理由IT企業の支援をしていて良く聴く悩みの1つが「ビジネスをサービスモデルにシフトしたいのにできない」こと。今回はこの理由を少し掘り下げたい...

その筆頭が自社で「商品・サービス企画」を行わなければならないことです。

企画をする上で前提となるのは、自社の強みです。
何年も事業を営んでいるのであれば、何らかの強みがあるはずです。

  • 技術力の高いエンジニアがいる
  • 特定の業界・業務に深い知見がある
  • 社内の教育が行き届いている
  • 営業力が高い
  • お客様の継続率が高い
  • チームプレイが上手い
  • 離職率が高い

etc

まずはこの強みを再度、確認します。
強みを活かした商品・サービスにしなければ、上手く立ち上げることは困難です。

例を挙げますと、前回、こちらの記事でご紹介した「board」を開発しているヴェルク株式会社さん。

実例から学ぶ、受託開発からSaaSへシフトするために大事なこと受託開発や派遣/SESからSaaSへシフトする連載を書いていたら、最高のタイミングで事例が発表されていました。現在7名の会社で、受託開発...

社長が「経営者・経理・開発者」という3つの顔を持っていることを存分に活かしています。実際、boardの利用者からは「ユーザーの気持ちを分かっている」という声が多いようです。

社長自身が経理を行い、経営者として数字も見たい。
その感覚を分かった上で、開発方針を指揮していること。
そうやって強みを発揮していることが分かります。

繰り返しになりますが、まずは自社の強みを把握しましょう。
どうしても分からない場合は、お客様に聴いてみることをお勧めします。

自社が欲しいサービスをつくってみる

仮に自社の強みが分かったとして、それをどういう形で商品・サービスにすれば良いのか?
最も分かりやすいのは、自社が欲しいサービスをつくることです。

上述の「borad」を提供しているヴェルクさんも、受託開発の事業における

アポイント→見積→受注→納品→請求→入金

という業務を簡単に管理したいことから始まりました。
と同時に、1件1件の案件の動きを追うだけでなく、経営者として全体の数字を見ることも実現しました。

  • 請求書発行システムでは物足りない
  • 中堅企業以上向けのERPだと大袈裟すぎる

という中小企業経営者の気持ちを汲み取ったサービスと言えます。
というより、受託開発のビジネスをしている「自社が欲しいものをつくった」からこそ、同様の悩みを持つ人に刺さったのでしょう。

同じように、自分達が欲しいもの&強みを発揮できるものを、まずは企画してみましょう。

例えば SES に特化した業務システムをつくることができると、他の人材派遣系の会社にも提案できる可能性が高いでしょう。

DX、AI などバズワードにとらわれなくて良い

IT企業が新商品・サービス企画を行うと、新しいトレンド的なキーワードにとらわれやすいと感じています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)、人工知能(AI・機械学習・ディープラーニング)、IoT、VR/AR/MR、5Gなど、IT業界は常にトレンドワードに溢れています。

しかし、新商品を企画する際、これらのキーワードはいったん忘れるくらいでちょうど良いでしょう。テクノロジーは手段であって、目的ではないからです。

  • お客様は何に困っているのか?
  • どうなりたいのか?
  • どのようなサービスでそれが達成できるのか?

このような本質を追求することの方が大切です。
解決手段としてテクノロジーを活用するのは良いことですが、最初からテクノロジーありきではありません。

まとめ
  • SES や受託開発会社が新商品・サービスを企画するには、自社の強みが必要
  • 自社の強みを活かした上で、自社が欲しいサービスを開発してみる
  • 自社がファーストユーザーとなりつつ、同じ悩みを持つ企業に届ける

この連載の目次です。

  1. 受託開発からサービス(SaaS)へシフトできない理由
  2. サービス提供型ビジネス(SaaS)へのシフトで注意すべきスキルの差
  3. SaaSにシフトするために超えるべき「お金の流れ」
  4. SaaSが提供しているもの(価値)は何なのか?
  5. 実例から学ぶ、受託開発からSaaSへシフトするために大事なこと
  6. SESや受託開発からSaaSへ移行するための第1ステップ(←この記事)



【編集後記】
フィットネスクラブの再開とともにスイム練に行ったためか、非常にカラダが重いです・・


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