アーキテクチャ変遷からITを学ぼうシリーズ。今回は第7回です。
前回から「Web」についてご紹介しています。
Webシステムが登場したことにより、1台1台のパソコンにソフトウェアをインストールしたり、アップデートしたりする作業の手間がなくなりました。
増大し続ける運用管理コストにストップをかけられるようになったのです。
ただ、Webの活躍はそれだけではありません。
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多様なコンテンツに対応
1つ目は多様なコンテンツに対応したことです。
Webサイトが登場した当時、コンテンツは基本的に「文字」でした。
その後、Webサイトには「画像」が求められるようになりました。
さらには「動的なページ」が必要となりました。
今のWebページは、例えばメニューボタンにマウスを当てると、メニューが展開されていきます。
このような動的なページは、初期のWebではできませんでした。
初めて Googleマップが、自由に移動・拡大/縮小できるのを見たとき、私は衝撃を受けました。
このような動的なページが利用できるようになったのは、HTMLの標準化が進んだためです。
それまでは各社が勝手にプラグインを開発するなどして、独自仕様のページが増えていました。
そうすると、あるブラウザでは見られるページが、別のブラウザや端末では見られない。
ということが起こってしまいます。
そのために HTMLをバージョンアップしつつ、標準化しています。
今となっては、動的なページだけでなく、動画も観られるようになり、さらには Webミーティングなどもできるようになりましたね。
このように時代に合わせて、Webは進化しつつ、私たちのインフラとなっています。
多様なデバイスに浸透
Webが登場した当時、それを利用するデバイスはパソコンだけでした。
しかし今や、スマートフォンの方が台数は多くなっています。
さらに、後述するように、画面を持たない IoTデバイスも、Webの仕組みを利用しています。
例えば、スマホアプリの多くは、Webの仕組みで動いています。
例えば、Amazonのスマホアプリは、ECサイトと同じ動きをしています。
完全にゼロからスマホ用の ECアプリをつくっているのではなく、ECと同じ仕組みをスマホの画面サイズに合わせて表示するアプリを開発しています。
普通にブラウザで使ってもらうのではなく、アプリにすることによって、プッシュ通知など、スマホ特有の機能が使えるようになります。
ただアプリの土台として Webの仕組みが動いていることは、知っておきたいところです。
もし、クライアント・サーバー時代のようにパソコンアプリを開発していたら、スマホに対応するのは大変だったでしょう。
昨今は、パソコン・タブレット・スマホの全てで共通した思想を持ちつつ開発することが増えています。
クラウド連携・IoTでの活用
昨今では、システム間の連携が進んでいます。
大規模な中央集権型のシステム(密結合と言います)をつくるよりも、シンプルな機能をつくって、それらを柔軟に組み合わせた方が良い、という発想です。
その連携時に使われるのが「API」です。
この APIも Webの通信規約である HTTP を利用しています。
これまでは Webサーバとクライアント(ブラウザ)の間で使われていた通信規約(HTTP)でしたが、クラウド間の連携などにも使われるようになりました。
人の手が介在しないところの通信にも、Webの仕組みが使われているのです。
ブラウザのような画面がなくても、Webの仕組みが使える。
ということで、IoTデバイスがクラウドと通信するときにも、主に HTTP/HTTPSが使われています。
- IoTデバイスからクラウドにデータをアップロードするとき
- クラウドから IoTデバイスに何らかの制御を行うとき
これらも、裏で支えているのは Webの仕組みです。
一般ビジネスパーソンとして、細かなことを理解する必要はありません。
大まかなイメージを持ちつつ、HTML/HTTP/URLなどの基本的な用語には慣れておくと良いでしょう。
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- クライアントサーバーの貢献と、新たに発生した問題
- Webの浸透と、Webが果たした役割
- 今や社会インフラとなった Webの仕組み【← 今回はココ】
- Webは端末の運用コスト削減に役立った
- 多様なコンテンツ、多様なデバイスへの対応を可能にした
- クラウド間連携などにも利用され、今や社会を支える仕組みとなっている
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【編集後記】
昨日は、AirCourse『IT戦略』の収録でした。
来月に向けて、あと8つほど動画を準備して、ひと段落となる予定です。
かなり大変な数ヶ月でしたが、おかげでまとまったコンテンツが出来上がりつつあります。
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