IT・システム全般

クライアントサーバーの貢献と、新たに発生した問題

アーキテクチャ変遷からITを学ぼうシリーズ。今回は第5回です。
コンピュータが小型化して、パソコンが登場します。

クライアント・サーバ型のシステムが中小企業にまで浸透していきました。
その一方で、問題も発生していきました。

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パソコンがクラサバを普及

メインフレームから、ミニコン・オフコンを経て、パソコンが登場しました。
それに伴ってクライアント・サーバー型のシステムが増えていきました。

なぜクラサバが普及したのか?安かったからです。
当時、大型・高額なメインフレームは、研究所や大企業にしか手が出ない代物でした。

パソコンは小型なだけでなく、価格も押さえられていました。
結果的に、中小企業まで普及したのです。
クライアント・サーバー型のモデルが普及したのは、このようなパソコンの特長があったからでした。

さらに、パソコン同士をネットワークで接続するため、企業にネットワーク(LAN)が浸透していったことも見逃せません。

クライアント・サーバーの貢献

一部の研究所や大企業のものだったコンピュータを、一般企業にまで浸透させたパソコンや、クライアント・サーバー型システムは、素晴らしい成果をあげました。

1人1人がパソコンを使うようになったことで、

  • メール
  • カレンダー
  • ワークフロー(申請・承認)
  • 情報共有
  • 文書管理

などが一気に普及しました。

前回の記事でご紹介した Lotus Notesは、その筆頭と言えます。

また、クライアント側にソフトウェアを必要とせず、Webブラウザで操作できる「サイボウズOffice」が登場したのは、1997年です。(こちらを参照)
今振り返ると、実に先進的な取り組みをされていたことが分かります。

これらのツールが普及したことによって、「働き方」が変わりました。
コミュニケーションが電話からメールへ。
情報は一部の人に閉じたクローズドなものから、オープンな方向へ。

コミュニケーションが非同期・文字中心・オープンに変わるキッカケは、この頃に生まれていたのですね。

リモートワークが進む企業のコミュニケーション術リモートワークが上手く進む会社のコミュニケーションは、非同期・文字中心・オープンです。単にITツールを導入しただけでは、コミュニケーションは良くなりません。社員への教育・周知徹底が必要ですから、IT担当者に丸投げはできないのです。...

クライアント・サーバーの問題点

クライアント・サーバー型のシステムは、このようにIT利用を促進し、働き方を変えたものとして、社会に大きなインパクトを与えました。
一方で、新たに発生した問題があります。

運用管理コストの増大

初期導入コストが安いことが、IT導入・活用のハードルを下げました。
順次、導入・展開していくことが可能になったからです。

しかし、逆に運用管理コストは増大しました。
1人1台パソコンを配布するとなると、様々な業務が発生します。

  • 各パソコンのセットアップ(キッティング・アプリインストールなど)
  • 利用者ごとの権限設定(部署や役職などによって)
  • 社員教育(研修実施・マニュアル作成など)
  • 問い合わせ対応
  • 障害対応

というように。

メインフレーム時代は、ある程度、コンピュータに成熟した人が使う代物でした。
しかしクラサバ時代は、全員が使うペン・ノートのような位置づけです。
玄人なら自分で解決できる問題も、素人はそうはいきません。

何より、ハードウェア台数が爆発的に増えたので、障害対応に追われ続けることになりました。
ソフトウェアも今より安定性がありませんでした。
Windowsとか、すぐにブルースクリーンになって、利用者を困らせたものです。

(こんなやつ。作業中に現れると落胆せざるを得ませんでした・・)

利用者が増え、台数や利用するアプリケーションも増え続けるなか、経営的に見ると「運用管理コストの増大」は無視できないレベルになりました。

情報漏えい事故の発生

メインフレームは、電算室(今でいうサーバールーム・データセンター)に置かれていました。
利用する端末(ダム端末)はデータ保存ができません。
つまりデータは電算室のなかに閉じ込められていたので、情報漏えいが起きにくい構造でした。

クラサバ時代になり、一人ひとりがパソコンを使うようになりました。
パソコンには、データを保存することができます。
さらにLANに接続されて、メールを交換するのが当たり前になったので・・

そう、情報漏えい事故が起きるようになりました。
人間はミスをする生き物です。
構造上、情報漏えいが起こる仕組みになっていたら、気を付けていても事故は起きてしまいます。

インターネットにつながるようになり、ノートパソコンが登場すると、情報漏えい事故はさらに多発するようになっていきました。

2000年代頃、既にITなしでは、ビジネスはまわらないほど普及しつつありました。
しかし、増大し続ける運用管理コストと、情報漏えいの問題に対応することが喫緊の課題となりました。
これがWeb時代・クラウド時代につながっていきます。

アーキテクチャ変遷からITを学ぶシリーズ。今回は第5回でした。

まとめ
  • パソコンは安価で、中小企業にまで広がるキッカケとなった
  • クライアント・サーバー型のシステムで、個々人がシステムを利用するようになった
  • しかし、運用管理コスト増大と情報漏えい事故という問題を発生させた



【編集後記】
週末、約3年振りのトライアスロンです。
怪我・コロナで久しくレースに出ていませんでしたので、少しずつドキドキしてきました。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとIT、そしてデータを使った「売れ続ける仕組みづくり」「業務改善」が得意。コンサルティングや研修・セミナーで中小企業の経営支援をしています。元IT企業でエンジニア→マーケティング。中小企業診断士。
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