新型コロナウイルスの関係で、人が集まるイベントが次々と中止されています。
大きなところだと、10万人が集まる予定だったスペインのMWC(Mobile World Congress)が中止になりました。知人曰く、経済損失は800億円とも言われているそうです。日本でも昨日、東京マラソン(一般の部)の中止が発表されました。
一般企業ではテレワーク・リモートワークが推し進められていますが、それでもなお、実施できない会社が多く残されています。この記事では、テレワークが進まない理由を挙げてみました。
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Contents
社内に信頼関係がない
テレワーク・リモートワークを実践する2つの前提条件
全ての根幹原因になるのですが、そもそも社内に信頼関係がないことが多いです。
「社長はいつもどこかに遊びに行っている」
「あいつは目を離すとすぐにサボる」
こういう組織の状態で、離れて働けるわけがありません。
テレワーク・リモートワークを実践する前提条件は、以下の2つです。
- お互いを信頼できる関係にあること
- 1人1人が自立していること
新入社員などにテレワークを制限している企業がありますが、まだ自立して仕事を進めることができないからです。(社員全員がテレワークに慣れてくると、離れていても新人をフォローすることもできるようになります)
ちなみに新人でなくてキャリアの長い人でも、自立できていないことがあります。
そういう人に変革を促すのか?肩を叩くのか?判断が求められます。
経営者が組織を変える「覚悟」
私はテレワーク・リモートワークへのチャレンジを通じて、社内に信頼関係を構築できる企業と、変わらない企業に分かれていくと考えています。
その分水嶺となるのは、経営者自身が組織を変えていこうとする「覚悟」です。
- 自分が先頭に立つ
- 自分から、まず変わる
- 会社をこういう方向に変えていく
そういう覚悟を示すことで、スタッフからの信頼が得られるのです。
そしてスタッフ自身も変化しようと考えるようになっていきます。
逆はありません。まずはトップから変わらない限り、組織は変わっていきません。
管理職の意識変革
トップが変わったとしても、管理職が変わらなければ、組織は変わりません。
ここには意識の問題と仕組みの問題があります。
より大事なのは意識の方です。
管理職自身が働き方を変えられないようでは、どんなに若手が変わろうと思っても邪魔になります。
- 自分の傍にスタッフがいないと管理できない
- 管理職としてチヤホヤして欲しい(要するに構ってちゃん)
このような管理職に変わる意識がなければ、降格したり首を切ったりする処置が必要になります。その人は、創業時からトップを支えてきた人かもしれません。しかし、組織が変わる邪魔になるのだとすれば、英断が求められます。だからトップの「覚悟」が大前提になるのです。
就業規則・評価制度
次に仕組みの方です。
就業規則でテレワーク・リモートワークに対応しない限り、実際に行うことはできません。
この辺は社会保険労務士さんに相談することになりますが、各都道府県に「働き方改革推進支援センター」があります。まずはここに相談に行ってみるのも良いでしょう。
余談ですが、ここは厚生労働省所轄ですので、労務や賃金などが主な対象です。テレワークを実現するためのIT環境などについては、マトモな提案は得られませんので、ご注意下さい(笑)
また後述しますが、テレワーク・リモートワークを始めると、評価制度も見直しになることが多いです。スモールビジネスの場合は、適当に評価が決まっているケースが多いですが、離れて働く以上、評価基準や運用方法を明確にする必要が出てくるからです。
業務プロセスが古いまま
ここまでは経営側のトピックをお伝えしました。
次は現場の業務プロセスについてです。
業務プロセスが旧態依然のままでは、テレワーク・リモートワークを実現することはできません。
- 紙の書類にハンコをつく仕事
- 情報共有の仕組みがない
- タスクの目的・成果など、内容が不明確
- タスクの進捗状況が分からない
こんな業務プロセスでは、離れて仕事ができないのは当然です。
今のまま、1ヶ所に集まって仕事をし続けても、生産性が上がらないままです。
離れて仕事をするには、業務プロセスにも前提条件があります。
- 全員が情報共有できること
- 各人それぞれのタスクや、その進捗状況が見えること
本来、この2つは1ヶ所に集まって仕事をする上でも必要なことです。
しかし、集まって仕事をしていると、なぁなぁで済ませることができてしまいます。
テキトーにごまかしてきたことが、離れて仕事をするようになると、問題が露呈するのですね。
業務プロセスを見直し改善するには、こちらの記事群をご確認いただければ。
https://100athlon.com/category/process/
なお、テレワーク・リモートワークを実現するためのIT環境については、こちらに記事があります。
もっと記事を詳細化しないと。
スタッフ側の問題
ここまでは会社側の問題でした。
次に働くスタッフ側の問題についてです。
自宅に働く環境がない
「急に家で働けと言われても、そんな場所がない」という意見を良く聴きます。
空間的に場所がないこともあれば、インターネット・Wi-FiなどのIT環境のこともあります。
「自宅にも働ける場所を用意して欲しい。」
「テレワークが日常的になれば、賃金も上げられるから。」
そういう会社としての方向性やインセンティブを示さないと、なかなか自宅の環境まで手を出す人は少ないでしょう。
ちなみにWebミーティングをやるときに、特に女性から良く聴く悩みがあります。
「後ろに雑多なものが映るのが嫌」
「すっぴんで会議出られない」
マイクロソフトのTeamsなど、一部のWeb会議ツールでは、人物以外の背景をぼかすなど、このような悩みに対応しつつあります。
自宅に居場所がない
「お父さんが家に居ると邪魔」
「お昼ご飯とか、自分で勝手にしてね」
こういう悩みも聴くことがあります。
テレワークの隠れた?悩みではないでしょうか。
まぁ、家の問題なので、何とも言えないのですが・・
個人的には、仕事の合間に少しでも家事をやる。
通勤時間が減る分、時間は生まれますので。
そうやって、家族との信頼関係を構築するのが大切なのかな、と思います。
- テレワークができないのは、大きく3つの理由に分かれる
- 経営者・管理職の問題(意識や制度など)
- IT環境を含めた業務プロセスの問題
- スタッフの自宅に関する問題
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【編集後記】
新型コロナウイルスは大変ですが、これを機に、今度こそ新しい働き方が日本に浸透すると良いのですが。
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