ツール活用

災害に強い組織になっているか?

昨晩から朝にかけての台風、大木が倒れるなど、大きな傷跡を残していきました。
私の住む横浜では、台風そのものは朝には通過していきましたが、未だにJR線が復旧していません。

にも関わらず、駅には会社に向かう人たちが群がっているという情報がありました。
疑問を感じずにはいられません。
変われない根本原因は、経営者が変化しようとする姿勢にあると考えています。

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危機管理体制の甘い組織

大木が倒れるほどの影響を残した台風。
私の知人の近所は電柱が倒れかけているそうです。
安易に外出すると、どんな2次災害に巻き込まれるか分かりません。

そんなリスクを従業員に背負わせてまで、出勤させる意義がどこにあるのでしょうか?はっきり言って会社として危機管理体制が甘いとしか言いようがありません。

もちろん、看護・保育・設備など、現場に行かなければならない仕事はあるでしょう。
本当に頭が下がる思いです。
こういう仕事をしている方々ためにも、外出しなくて済む人たち(=ホワイトカラー)は、公共交通機関を譲る姿勢が必要です。

問題は、現場に行かなくても良い仕事のはずなのに、行こうとする・来させようとする組織の存在です。災害に強い組織をつくるためには、無駄なリスクを負わないことは基本中の基本です。

従業員が自主判断できる組織づくり

無駄なリスクを負わない組織文化にするためには、わざわざ経営者や管理職が、「来い・来なくていい」と指示を出すのではなく、従業員が自主的に判断できるようにするのがベストです。

ここで細かなルールは不要だと考えます。

話は脇道にそれますが、従業員を「性悪説」でとらえる組織は、いずれにしても長続きはしないでしょう。「こいつは観てないと何をやらかすか分からない」という姿勢では、経営者も従業員も幸せにならないのではないでしょうか。

さらに言うと、私の経験上、性悪説を取る経営者は、組織のマネジメントが出来ていないことが多いです。

組織の方向性を明確に示し、自らが率先して取り組んでいる経営者の組織は、従業員も自主的に動く人が多いように見受けられます。それができない経営者が役職・立場を武器に、従業員を押さえつけるような管理(という名の圧政)をしたがるのです。

話を戻しますと、出社する・しないを判断するのは、大まかな基準があれば十分です。

  • 子どもが自宅にいることになった(保育園/幼稚園/小学校が休みになった)
  • 警報が出ている
  • 電車やバスなどの公共交通機関が動いていない
  • その他、被害が出ている

今朝、SNSを見ているだけでも、私の知人数名が倒木や飛来物によって自宅などの被害を受けているようでした。怪我をされた方もいらっしゃるでしょう。それだけで出社しない、十分な理由になるのではないでしょうか。

テレワークはオプションではなく、既にメインである

さらに言えば、出社するのが基本で、テレワークはオプションという考え方自体が、既に古いと言えます。

首都圏・関西圏では通勤時間の片道平均が約1時間という統計データがあります。(全国平均だと30分強)
都市圏で1日2時間、それ以外でも1日1時間の通勤を強いるのであれば、相応の価値を生み出せなければなりません。

通勤電車や通勤の運転をなくすだけで、事故に巻き込まれるリスクを減らすことができますし、通勤疲れもなくなります。仕事を始めるときにフレッシュな状態ですから、むしろ生産性は上がるのではないでしょうか。

テレワークはオプションではなく、既にメインです。

「どうしても会わなければやれないことがある」というときにだけ出社するスタイルで、ホワイトカラーの仕事は十分に対応できます。実際、既にそうなっている会社も随分増えてきました。テレワークメインだと、採用も確実にやりやすくなることも見逃せません。

テレワーク・リモートワークを実践するツール活用

このブログではテレワーク・リモートワークを実現するためのツール活用についても述べてきました。この数年間で大企業のみならず、中小企業でもリモートワークを簡単に実現できるようになりました。

ホワイトカラーの仕事の場合、これらがあれば十分に仕事ができます。
はっきり言えば、物理的に集まって仕事をする意味が、ほぼなくなってきているとも言えます。

テレワーク・リモートワークを実現するためのツール一覧今どきテレワークも自由にできない会社からは、優秀な人から去っていく傾向が強まっています。 「旧態依然」の典型例が、就業時間や働く時...

コストはほとんど掛かりません。年間数万円も使えば、有り余る環境を手に入れられます
Office365やG Suiteを利用すれば、それでかなりの部分を網羅できるので、追加コストゼロの場合も多くなってきました。

つまり、現時点でテレワークを実現できていない組織の問題はコストでありません

  • ツールを活用するだけのノウハウがない
  • ツールを活用するのに抵抗感がある(変化できない組織)
  • 働き方を変えたいと思っていない

というように、実は組織文化や経営者の覚悟の問題がほとんどです。

少なくない企業が、既にテレワークを実現できているのに、なぜ未だに実現できないのか?根本原因に向き合うべきだと考えます。

まとめ
  • 災害なのに出社させるのは危機管理能力の欠如
  • ホワイトカラーの仕事はテレワークで対応できる
  • テレワークを実現できないのは、経営者の覚悟を含む組織文化の問題

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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