利益を生み出す仕組み

顧客別・期間別の売上から見えること

前回、顧客別・期間別の売上をまとめてみました。
仮に期間を1年間としたなら、こんな感じにまとまるはずです。
(期間は、ビジネスの実態に沿って設定しましょう)

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顧客別・期間別売上から、顧客との関係性を推測する

この表からだけでも、様々な気づきが得られたはずです。

この例で言えば、

  • A社は売上が順調に伸びており、売上も大きいため、最も大切にすべき顧客。
    ただ、ちゃんと利益が出ているのか?は別途検証が必要ですし、
    A社に依存しない体制構築が必要です。
    今は、売上の4割をA社が占めており、やや依存気味と言えます。
  • B社、年々売上が落ちており、テコ入れが必要。
    2015年の半分になっており、業務内容にもよるが、
    競合他社に侵食されている可能性が高い。
  • C社、順調に伸びている
  • D社、少しずつ減っているが、大丈夫か?
  • E社、取引額は小さいものの、伸びていてフォローしたい顧客
  • F社、2016年に単発の取引があっただけ?
    現状の確認が必要。
  • G社、2016年から取引が始まった様子。
    上手くお付き合いできれば、重要顧客に成長するかも。

顧客の状況を確認していますか?

B to Bの場合、顧客の状況は、ちゃんと確認すれば分かります。
顧客の名前も連絡先も分かっているからです。

売上が落ちている場合であっても、自社ではどうしようもない事情であることがあります。

  • キャッシュが底をつきそうで、買い物が一切できない
  • 爆発的にビジネスが伸びていて、今はその対応で精一杯
  • 本社が移転してしまい、移転先でパートナーを開拓した様子

などのように。
自社が手を出せない状態と分かれば、そのまま静観できます。
しかし多くの場合は、このような顧客の状況を把握しないまま、放置してしまっていることが多いのです。

「なんでか分からないけど、売上が落ちている(上がっている)」
という状態は、手の打ちようがなく、最悪です。
上がっている場合であっても、原因が分からないのは問題です。

こちらの記事(思いつきで顧客に会ってはいけない)でご紹介した通り、顧客との接点がデザインされていないと、顧客の状況が分からなくなってしまいます。

特に失注したとき、他社に乗り換えられてしまったとき、営業はモチベーションが落ちて連絡しにくいもの。しかし、ちゃんと事前に連絡すべき内容とタイミングを決めておけば、
連絡することができます。それを着実に行うことで「逆転」するケースも、多々あるのです。

どんな会社とお付き合いしていようとも、100%完璧、ということはありえないのですから。実際、逆転の機会は、必ずあります。

顧客の状況を確認してみよう

上記のような表をつくったとき、数字の理由がスラスラ言えるのであれば、顧客の状況が分かっている証拠です。しかし、何でこの数字になったのか?を説明できなければ、現時点で顧客との接点がデザインされていないということです。

それは担当営業の問題だけではなく、組織として仕組みができていないことが、根本の問題なのです。

今日の課題

前回、作成した表にもう少し要素を追加します。

  • 新規顧客
  • 継続顧客

が分かるようにして、さらに継続顧客は何期間(期間が1年の場合は何年)続く顧客なのか?を追記しましょう。

より理想を言えば、全ての顧客について、

・初めての取引開始日
・最後の取引日
・取引頻度
・各期間の売上

が分かると、なお良いでしょう。

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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