組織

中小企業社長の精神安定のために必要なこと

昨今、職場においては「心理的安全性」が求めらています。Googleがチームの生産性を高めるために重要な要素であることを発見したことからも、注目が集まっています。

  • 自分の存在を認めてもらえる
  • 自分の意見をちゃんと聴いてもらえる
  • 自分の仕事の価値を伝えてくれる

というような環境を通じて、自然の自分の姿を出すことができることです。

私は、これまでの経営支援を通じて、このような環境はもっと推進されるべきだと感じています。ただ、それと同時にトップ(社長)の精神が安定することは、同じくらい重要だと感がています。

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中小企業の社長は大変です。起業するときは個人のお金を投資します。最初の顧客を見つけてくるのは社長ですし、銀行にお金を借りるのも社長です。頑張って採用し、期待してきた社員が突然辞めてショックを受けるのも社長。

普通の会社員から見たら、立ち直れなくなるようなショックや、精神的なプレッシャーに晒され続けているのが社長なのです。ですから、社長の気持ちが少しでも安定する環境を整えることが、本当に大切なのだと感じています。

安定した利益・キャッシュフロー

社長の精神が安定するための最初の要素は「安定した利益」です。私が売上・利益が上がる仕組みづくりを支援しているのは、社長が安心してチャレンジできる環境を手に入れて欲しいからです。

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会社や事業は、キャッシュがまわっているうちは、死にません。逆に言えば、どんなに良い組織であっても、良いお客様にご愛顧いただいていても、お金が底を突いたら終わりです。

お金は事業にとって血液のようなもの。血液を目的に生きている人はいませんが、血液がなくなれば、生きていけないのです。

ですから、事業を継続させて、何かにチャレンジできるくらいの利益が必要なのです。

社内の人間関係を良好に

お金がまわっていても、社内の人間関係がズタズタだったら、社長は幸せになれません。

以前にも増して、社内の人間関係は大切になってきています。創造性が求められる仕事が増えているからです。社内の人に気を遣うことに疲弊していたら、創造性が発揮できるわけがありません。(もちろん、気を遣うことが問題なのではなく、必要以上に気を遣い過ぎることが問題なのです)

社長から見ると管理職を含めて従業員には、もっと頑張って欲しいと思っているでしょう。ハッキリ言って、物足りないと感じることの方が多いはずです。ただ、その多くは立場や経験の違いから、なかなか埋められないものです。起業や新規企業など、大変な経験を積んできた社長と比べると、従業員の経験はルーチンワークも多く、浅いものになりがちだからです。

このとき、社長と従業員の関係を縦にしないようにしましょう。ただでさえ、立場だけで縦の関係ができてしまうのですから、横の関係であり続けるように意識し続けることが大切です。

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いつでも採用できる準備

どんなに素晴らしい組織運営をしていても、従業員は辞めてしまうものです。

  • 新しいチャレンジをしたくなった
  • 配偶者の転勤に着いていくことになった
  • 親の介護の関係
  • 子供が生まれるので

など、後ろ向きではなく、前向きな退職理由も、いくらでもあります。私自身、会社員を辞めるまで勤めていた会社は、本当に恵まれた環境だったと感じています。(が、独立したかったので辞めてしまいました)

会社が自分の人生と一体化している多くの社長と異なり、従業員にとって、会社と人生は別物です。いつかは辞めてしまうものです。

従業員が辞めることは、その人への期待感や信頼感が強ければ強いほど、ショックを受けるものです。ですから社長の理想の状態とは、

心から従業員を信頼しているけれども、自分の人生を優先して、いつでも辞めていいよ

という菩薩のような状態なのではないでしょうか。そう簡単に、人は菩薩にはなれません。だからせめて、いつでも新しい人を採用できる環境づくりは欠かせません。

辞められてしまうのは本当に残念だけど、現実問題、新しい人を採用しよう

という心境です。採用が強い会社は、組織も強くなります。

いつでも相談できる人

社長は日々、色んな問題に悩まされます。人の問題やお金の問題など、従業員には相談できないことも多いもの。経営陣の内輪揉めがある場合は尚更です。

社長同士の人脈を築いている方も多いですが、よほどの先輩社長でもない限り、あまりリアルな相談はしにくいもの。「社長として・・」というような「あり方」の多くは先輩社長から学べることがありますが、先輩社長からは得にくいものもあります。

  • 専門知識が必要になる相談事
  • 業界に特化した事情のある相談
  • 自社の営業秘密や技術事項に関する相談

このように専門知識に関係することや、多くの会社を見ていないと気づきにくいことが、確かにあります。ここまでご紹介した「売れる仕組み」「社内の人間関係」「採用の仕組み」についても同様です。

そんなときこそ、外部の専門家を上手く活用して欲しいです。会社の外にいるからこそ気づくことがあります。私自身は、このような社長の相談相手として、もっとお役に立てるよう、レベルアップしたいと思います。また、他の専門家の方々にも、もっと活躍して欲しいと考えています。

まとめ
  • 会社の心理的安全性は、ますます重要になっている
  • それと同時に中小企業は、社長の精神的安定も大事
  • 利益、人間関係、採用、相談相手を揃えよう

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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