私は分厚い本・字の小さな本が苦手です。
そんな私ですが、色んな人から知恵を頂きながら、ドラッカーを学び続けています。
私と同様に、難しい本が苦手な方のために「これを知っておくと読みやすいよ!」をご紹介します。
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企業だけを見ていた人ではない
ドラッカーは「マネジメントの父」として有名です。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』いわゆるもしドラで多くの方に知られるようになったので、マネジメントの人として認識されている方も多いでしょう。
しかし実際には、企業組織で行うマネジメントは、ドラッカーにとっては副産物でした。
ドラッカーが生まれてすぐに第一次世界大戦、そして青年期に第二次世界大戦を経験します。
全体主義が社会、そして人の命を脅かしました。
社会の変化を観察し続け、企業(組織)という社会的な道具を発見したのです。
その企業(組織)を何とかうまく機能させる方法として、マネジメントを体系化したのです。
興味のあるところから読めば良い
そのため、ドラッカーの著作には大きく分けて、
- 社会について
- 組織(マネジメント)について
- 個人(セルフマネジメント)について
の3つがあります。
これらを区別して読まないと、マネジメントについて学ぼうと思ったのに、ひたすら社会のことが書かれている・・ということになりかねません。
なかには複数分野にまたがる著書もありますが、代表的なものをザックリ分けると以下のようになります。特に順番などは関係なく、興味のあるものから読めば良いと思います。
社会
私は今、『ネクスト・ソサエティ』を読んでいるところです。
『断絶の時代』と『ポスト資本主義社会』も手元に置いて、補足・比較しながら読んでいますが、ドラッカーの慧眼にゾクゾクします。
- 経済人の終わり(1939年)
- 産業人の未来(1942年)
- 断絶の時代(1969年)
- 見えざる革命(1976年)
- 新しい現実(1989年)
- ポスト資本主義社会(1993年)
- ネクスト・ソサエティ(2002年)
組織
組織について、最初は企業だけでしたが、NPOなど非営利組織が機能する必要性も謳うようになりました。『非営利組織の経営』は今も関係者の間ではバイブルだそうです。
- 企業とは何か(1946年)
- 現代の経営(1954年)
- 創造する経営者(1964年)
- マネジメント(1974年)[エッセンシャル版]
- イノベーションと企業家精神(1985年)[エッセンシャル版]
- 非営利組織の経営(1990年)
個人
セルフマネジメントに関する著書も多いです。
いわゆる自己啓発本・ビジネス本の源流は『経営者の条件』だと感じています。
- 経営者の条件(1966年)
- 傍観者の時代(1979年)
- 明日を支配するもの(1999年)
- プロフェッショナルの条件(2000年)
- チェンジ・リーダーの条件(2000年)
- イノベーターの条件(2000年)
いつか、ドラッカーが書いた順番に通読してみたいものですが、40冊ほどあると言われている著書に目を通すことは、果たしてできるのでしょうか。。
(マンガなら40冊読めますが・・汗)
社会が変わるからマネジメントも変わる
私が最近、ドラッカーに注目している理由がいくつかあります。
本質を突いている
1つ目は本質を突いていることです。
普遍性が高いために、50年・60年前に書かれたにも関わらず、今に通じることが多いからです。
このような高い普遍性は、最近の本には少ないように感じます。
仮説→個別理論→メタ理論→原理→・・・
というように理論は原理性が深くなっていきます。
深くなるほどに汎用性・普遍性が増していきますが、ドラッカーは原理を示してくれていると感じます。(最近の本は、個別理論が多いのではないでしょうか。)
社会→組織→個人をつなげる
上述のように、ドラッカーは企業マネジメントの世界にだけ生きた人ではありません。
社会の変化をとらえ、組織・個人の変化を観ています。
そのため、小手先のテクニックではなく、大きな社会の変化を元に、マネジメントが意識すべきところをアドバイスしてくれるのです。
個人や社会だけを書いた本は山ほどありますが、社会→組織→個人をつなげてくれる本は極めて少ないと感じています。
これらの前提を知った上で読むと、少しは分かりやすくなると思います。
あとはこちらの記事でご紹介した読書法を組み合わせると、だいぶ楽になるのではないでしょうか。
それでも「読書だけ」は大変です。
各所で行われている勉強会などを併用すると良いと思います。
個人的には、ドラッカーを長年勉強されている方は真面目な方が多くて、どの勉強会も温かく迎えて頂けました。
私も継続コミュニティにて、来月から『経営者の条件』読書会を始める予定です。
- ドラッカーは社会・組織・個人を俯瞰している
- どの分野を読んでいるのか?意識しないと迷子になる
- ドラッカーの教えは本質、時代に振り回されにくい
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【編集後記】
昨日はドラッカー大家が何名も参加するセミナーに。
彼ら同士のやり取りを聴いているだけで、本当に勉強になりますし、改めてドラッカーの慧眼に驚くばかりです。
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