このところ、全国各地にて中小企業向けのIT活用法のセミナーを行っています。その中で良くいただく質問が「どうやって良いITベンダーを探せば良いか?」です。
この記事でも紹介をしているのですが、どうやって探すか?どうやって付き合うか?を追記します。
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使いたいツールが決まっている場合
既に使いたいツールが決まっている場合は、比較的簡単です。大きく方法は2つあります。まずは、そのツールを提供している会社のWebサイトから、パートナー制度の有無をを確認します。
パートナー制度がある場合
マイクロソフト(Office365)など、有名なツールの場合には、販売パートナー制度があることが多いです。マイクロソフトから直接、導入・活用の支援をしてもらうのではなく、販売パートナー企業に支援してもらうのです。
クラウド会計ソフト(freee)の場合は、認定アドバイザーという制度を設けていて、こちらのページから自分の要望にあったアドバイザーを探すことができます。
何れにせよ、まずはWebで探して、その会社に連絡を取って、良し悪しを判断していくことになります。
パートナー制度がない場合
このようなパートナー制度がない場合には、ツールを提供している会社のWebサイトから、導入・活用に関するサービスメニューがあるかを確認します。
非常にシンプルなツールの場合には、そのような支援メニューがないこともあります。「簡単だから自分たちでやってね」というわけです。また、提供している会社の体制がまだ潤沢でない場合もメニューがないことがあります。
メニューがなく、かつ自社のスキルが足りずに支援がなければ導入・活用できない、という場合には、以下どちらかの選択になるでしょう。
- そのツールを諦めて、別のツールを探す
- パートナーではないものの、IT全般に知見がある第三者に支援を依頼する
ツールが決まっていない場合
使いたいツールが決まっていない場合は、もう少し大変です。
まずは自社である程度、「こんなツールが欲しい」「その理由は…だから」を整理しつつ、ITベンダーを探し、提案を受けられるようにする必要があります。自社が抱えている課題をまずは自分たちで整理することが重要です。
ただ、その前の段階で、「ツールに求めることを整理する前の、経営課題の整理でつまずいている」というケースもあります。このようなときには、なかなかITベンダーに支援を依頼することが難しいです。
知っておくべきポイントとして、ITベンダーは「自社の商品・サービスを買ってもらえるかもしれない」という状況でなければ、なかなか(営業的に)動くことができないからです。それで利益を獲得する商売をしているので、当然です。
逆に言えば、ITベンダーに提案をしてもらうためには、「何らかのメリットがありそうだ」と感じてもらうことが必要です。実際には何もないのにメリットがあるように見せかけるのは嘘なので止めましょう。
経営課題の整理からつまずいているような場合には、中小企業の経営支援機関にいるITに強い専門家や、経営・ITコンサルティングをサービスとして提供している人に相談するなどが良いでしょう。このような場合はITよりも経営に突っ込んでくれる専門家の方が良いですね。
なお、自社でシステム開発をしたい場合は、また別の議論になりますので、ここでは触れていません。
ITベンダーとの上手い付き合い方
ITベンダーも商売を営んでいます。課題の整理や、ツールの導入・活用などの支援を全て無償で行うことはできません。そんなことをしていたら会社が潰れてしまいます。
「相談はタダ」という認識が日本には根強く残っていますが、その考えをまずは捨てましょう。仮に無償で相談をするなら、上述のように、ツールを選び終えていて、ITベンダーが提案をしやすい状況をつくるなどの工夫が必要になります。
なおITベンダーを探したり、上手く付き合う上で、身につけていると良いことがあります。「Webミーティングとチャット」です。
ITが苦手な会社ほど、「会社に来て手取り足取り教えて欲しい」と言います。しかし、当たり前のことですが、それを求めるなら専門家が動いた分だけの費用が発生します。
Webミーティングとチャットを自由に使えるようになっておくと、ITベンダーとのやり取りも、それらで済ますことができるようになります。ITベンダーにとって移動時間も減り、コミュニケーションがしやすくなるのです。
しかも操作方法を教えたりするのもWebミーティングや、別のツールで行うことができます。これらのインフラ系ツールを扱えるようになっておくと、ITベンダーの少ない地域(地方)に居たとしても、日本全国からITベンダーを選べるようになります。
現時点で具体的な課題がない場合には、Webミーティング(Zoomなど)とチャット(LINEやSlack、マイクロソフトのTeamsなど)を使えるようにしてみましょう。
考えてみれば当然のことなのですが、相手とより良くお付き合いするには、自分にも相手にもメリットがなければなりません。ITベンダーが離れていくような感覚を覚えたときには、自社はちゃんと相手にメリットを与えているか?を考えてみましょう。
- ツールが決まっているなら、まずはパートナーを探してみる
- パートナー制度がない場合は、直接サービスがあるかを確認する
- ITベンダーも商売なので、相手が相談に乗りやすい状況をつくってあげる
以下、関連記事です。
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