世の中で最も広く使われているITツールの1つであるエクセル(Excel)。
ですがエクセルは、実は結構使うのが難しいツールです。その理由と注意点をお伝えします。
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汎用的なツールほど、考えることが多い
エクセルは特定の用途に使われるツールではありません。
売上の集計から、ちょっとした図の作成まで、様々な用途に使われる「汎用ツール」です。
実はこのような汎用性の高いツールほど、考えなければならないことが多くなります。
慣れたツールなので一見、すぐに使えるように見えるのですが、ちゃんと目的に応じて使えるようにするためには、設計が必要です。ややこしい目的の場合は尚更。これがエクセルを難しく感じてしまう理由です。
一方、特定の用途に特化したツールは、他の用途には全くと言って良いほど使えません。
ただその分、特定のシーンで使われることを想定して作り込まれていますので、ツールを利用する上で迷うことは少なくなります。(特化型のツールの方が有名でないので、その辺の本屋さんなどで情報がないという面はありますが・・)
仮に顧客情報・案件情報を組織で共有することを考えてみます。
最も汎用性が高いのは、エクセルやGoogleのスプレッドシートです。
次いでクラウド型のWebデータベースであるkintoneが位置づけられます。表計算ソフトではなくデータベースである時点で、少し用途が特化されます。
そして顧客情報・案件情報を管理する専門ツールであるSFA/CRM。
さらに特定の業界に特化したものも存在します。例えば、ECサイト運営者向けのSFA/CRMなどです。
図で上に行くほど特定用途に特化したツールになっていますので、他のことには全く使えません。しかし、その用途についてはすぐに使える状態になっています。例えば、顧客情報を組織で管理する場合の権限管理などが簡単にできるのです。
したがって、「特定用途」が存在するのであれば、そのツールにしっかり投資をした方が、無駄に迷うこともなく、いち早くツールの効果を享受することができます。無理にVBAやGASなどのプログラミングを駆使して利用しないように注意したいところです。
これもエクセルを間違って使ってしまった典型例です。
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私がツールを選ぶときの基準
私がツールを選ぶときにも、この基準を持っています。
できる限り専門特化型のツールを選ぶのですが、別の用途もある場合には、
- 汎用性を一段下げたツールを選択する
- 専門特化ツール同士を連携させる
のどちらかを選ぶようにしています。
例えば今、顧客管理だけでなく、スタッフ管理や予算管理なども行う案件に携わっています。ここまで来ると特化型のツールであるSFA/CRMでは対応しにくいので、Webデータベースであるkintoneを選びました。
エクセルが役立つ場面
では汎用ツールであるエクセルやスプレッドシートは使えないのか?というと、そんなことはありません。どの企業にも必要な理由があります。
特化型ツールで対応できない部分をエクセルでフォローする
特化型ツールでは、どうしても対応できない部分が少なからず出てくる場合が多いです。例えば出力されるレポートやグラフだと、経営者の感覚にどうも合わない。だからレポートだけはつくり直しが必要だ、というように。
そのような「こぼれ球」を拾うことができるのは汎用ツールの強みです。どんな企業にもMicrosoft Office(エクセルを含む)やGoogle G Suiteが導入されているのは、必ずこのようなこぼれ球の処理があるからです。
もちろん、本来の用途である表計算(エクセル)・文書作成(ワード)・プレゼンテーション(パワーポイント)の機会もあるからですが。
関数やピボットテーブルから学ぶ
エクセルに関して言うと、関数やピボットテーブルを使うことで、私たちのITリテラシーは間違いなく上がります。特化型ツールを使う上でも、例えばレポート作成をするときには、関数やピボットテーブルの知識があるとスムーズにつくれることが多いです。
例えば、売上レポートを作成するにしても、何を横軸にするのか?(月・事業部・商品etc)という発想は、日頃からピボットテーブルを利用している人ならスムーズにできます。
関数についても同じような面があります。歴史の長いエクセルの関数は他のツールの参考になっています。エクセルを学ぶことによって、他のツールも使いやすくなっていくのです。
- 利用シーンや目的がハッキリしている場合は、その用途に特化したツールを使う
- 特化ツールで対応しきれない部分を汎用ツール(エクセル)でフォローする
- エクセルからは学ぶべきところが多い
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