ツール活用

Windows 7 が残っている企業の根本的な問題

中小企業の現場をのぞかせてもらうと、未だにWindows 7など、古いOSが動いているのをまだまだ見かけます。セキュリティリスクなどの問題もあるのですが、もっと根本的な組織としての問題があります。

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古いOSが残っていることの弊害

根本問題の前に、古いOSを使い続けることの弊害を整理しておきましょう。

セキュリティリスク

良く言われることですが、セキュリティリスクがあります。
メーカー(マイクロソフト)のサポートが終わったOSは、問題が発見されても修正されません。

例えるなら、何の装備も持たずに戦場に出るようなものです。
たまたま敵に見つからなければラッキーかもしれません。
しかし、普通に考えれば、そんな状態で戦場に出させる組織に問題があります。

「中小企業にセキュリティなんて関係ないでしょ」

と言われることがありますが、とんでもないです。
しっかり対策している大企業に比べて、防御の甘い中小企業・個人の情報漏洩被害が増えています

使えないアプリケーションが出てくる

実務上の問題として、使えないアプリケーションが出てくることです。
業務で使っているアプリケーション(ソフトウェア)が、Windows 7のサポートを終了したら大変です。

最近はブラウザで利用するWebアプリケーションが増えていますが、ブラウザ要件で使えなくなってしまうこともあります。

古いOSを使う→古いブラウザを使う→最新のWebアプリケーションが使えない、という悪循環です。今でも Internet Explorer を使っている人を見かけることがありますが、止めるべきです。

企業でInternet Explorer(IE)を使うことは、リスクしかないInternet ExploererやWindows 7をまだ使っていませんか?これらは既に負債となったソフトウェアです。利用し続けることは、リスクしかありません。そのリスクと、最新版にするメリットを確認しましょう。...

バージョン混在環境による利用者の混乱

古いOS(Windows 7 以前)と新しいOS(Windows 10)が混在していると、利用者は混乱します。操作が分からないことを同僚に聴いたら、画面の見た目が全く異なる・・というような事態に陥ります。

これでは、せっかくお互いに教え合う空気が生まれつつあっても、その組織文化を潰してしまいかねません。

社内で使うソフトウェアはOSだけでなく、できる限り全体で統一しておくのがお勧めです。ただ、リソースの少ないスモールビジネスが、そんなことに手間をかけるのはもったいないです。ですから、ソフトウェアはクラウドを利用して、自動的にバージョン統一するのがベストです。

中小企業が選ぶべきITツールは、まずクラウド中小企業におけるITツールの選択肢は、クラウド一択です。自社で購入・運用するオンプレミスには、ほぼデメリットしかありません。この記事では価格の差や得られるものの本質的な違いをご紹介しつつ、クラウドだけで得られるメリットについても解説しました。ITツールを選ぶ方、中小企業経営者は要確認です。...

古いOSを残してしまう組織の根本問題

さて、ここからが本題です。
より根本的な問題を探っていきましょう。

Windows 10がリリースされたのは2015年7月29日。
今からもう5年前のことです。

それなのに Windows 7 が残っているということは、同じパソコンを5年以上も使い続けているということです。ここに組織の根本的な問題があります。

パソコンは生産性に直結する道具であることを理解していない

この一言に尽きます。

料理人は、包丁を大切に手入れします。
野球選手は、バットやグローブをメンテナンスします。
製造業は、生産設備を定期的に掃除・保守します。

これらは全て、成果を上げるためです。
パソコンを使って仕事をする人にとっては、その道具が安心して使えることは必須条件です。
錆びた包丁で料理させないのと一緒で、古いOS(Windows 7)で仕事をさせてはいけないのです。

料理人に包丁の手入れをする時間を与えるのと同様、使いやすいパソコン環境を提供するのは、経営者の仕事です。

「まだ動いているし、使えるのだから問題ない」というのは、「事業で成果を上げなくて良い」と言っているのと同じです。

一般的なパソコンの耐用年数は4年です。
少なくとも4年で新しいものに置き換えていくことを前もって計画しておきましょう。
(個人的には2年も過ぎると、使いにくさを感じるようになっていきます。)

デジタル時代における事業の問題

もう1つ、致命的な問題があります。
あらゆる事業が、デジタル化の影響を受けています。
例外なく、あらゆる事業が。

にも関わらず、古いパソコン・OSを放置しておけるというのは、「わが社はデジタル化には興味ありません」と宣言しているようなものです。
少なくとも社内のスタッフに対しては、強烈なメッセージとして伝わります。

「あ、うちの経営者はデジタル化には興味ないんだな」
「社長はパソコンをコストとしてしか、見てないな」

このように思われたら最後。
少なくとも「デジタル化は時代の流れである」と分かっている人は、会社を去っていきます。

良いスタッフに働き続けてもらい、成果を上げてもらう。
デジタル化の環境変化に対応し、リスクを下げる。
そのための基本として、ソフトウェアは最新バージョンを追いかけましょう。

まとめ
  • Windows 7を使い続けることは、リスク増大、生産性低下につながる
  • それを分からずにパソコン・OSをコストとしてしか見ていない経営者に問題あり
  • そのような経営者の姿勢を見て、分かっている人は会社を辞めていく

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【編集後記】
以前まで6時起きだったのですが、このところは5時半起きが定着してきました。
朝、最低限のことを終えておくと、仕事がスムーズに始められます。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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