業務プロセスを改善する上で、その業界における基本となる業務プロセスを知っておくと中核となるポイントを抑えることができます。この記事では日本の典型的な中小製造業を例に業務プロセスをご紹介します。
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業界・業種によらない企業経営の基本
まず業界や業種に関わらない企業経営の基本を抑えておきましょう。
詳細はこちらの記事で紹介していますが、全ての企業に共通している基本はこちらです。
- 市場から何か(情報・人材・モノ・お金など)を仕入れる
- 仕入れたものを活かして付加価値を生む
- その付加価値を求めている市場に対して提供し、利益を得る
付加している価値が少なかったり、売り方が上手くなければ、利益は少なくなります。仕入れているものに対して、付加価値が高ければ、生産性の高い経営ができていることになります。
受注生産型の製造業の場合
製造業を例に、より具体的に見てみましょう。
日本の中小製造業の多くは、お客様から仕様や設計を指定された上での受注生産です。そのような場合、以下のような流れが会社として最も大きな業務の流れになります。
- 受注
- 調達
- 生産
- 出荷
- 売上
まずはこの大きな流れを抑えておきましょう。2「調達」、3「生産」、4「出荷」が企業経営の基本で述べたところに該当しています。「生産」が付加価値を生むところです。
各業務プロセスを細分化する
それぞれの業務プロセスは、より細かな業務プロセスに分解できます。
「受注」プロセスの細分化
例えば「受注」するまでには、実際には以下のような業務があるはずです。
- 概要確認
- 原価見積
- 納期確認
- 見積作成
- 見積提出
- 受注
受注生産ですので、受注前に生産することはありません。自社商品を持っている場合は、事前に見込生産することがあります。その場合は、商品企画やマーケティングなど、別の業務が生まれます。
なお、受注を受けて材料など「調達」するためには、既存の在庫管理をしなければなりません。
「生産」プロセスの細分化
生産はより細かく業務プロセスを分解できます。
まず生産するためには、生産計画が必要です。生産計画を立てるには、「調達(材料管理)」、「作業計画(人員・設備)」などが必要になります。
生産計画に則って「生産」する場合、分解すると「工程管理」や「品質管理」などを行います。
各プロセスの「間」に注意する
このように大きなプロセスをより細かなプロセスに分解していきます。ただ、それで終わりではありません。プロセスの「間」に気をつけなければなりません。
例えば「受注」プロセスと「調達」プロセスの間に空白があってはいけません。
「受注」プロセスが終わる基準、つまりアウトプットは何か?が曖昧だと、「調達」プロセスの開始条件が不明確になります。前のプロセスの終了条件を明確にしておかねばならないのです。
何をすれば「受注」プロセスが終了なのか?
一般的には受注入力をして、関係部署への連絡を終えたときが受注プロセスの終了です。
(より厳密に言えば、関係部署がその受注を認識したときでしょう)
プロセスとプロセスの「間」は、部門間の「壁」に相当することが多いです。部門の壁が業プロセスの空白地帯をつくってしまわないよう、注意が必要です。
- 会社全体の大きなプロセスを、まず把握する
- 大きいプロセスをより細かく分解していく
- 業務プロセス間に「間」が生まれないよう、組織の壁に注意する
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