「補助金が出るなら、我が社にもシステム・ツール(IT)を導入しよう」
「今なら補助金で50% OFFになるから、このツール を使いましょう」
社長やITベンダーから、比較的良く聞くコメントです。
ただ、このようなキッカケで導入されたシステム・ツールが上手く活用されるケースはほとんどありません。失敗につながってしまいます。
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補助金や助成金への依存は危険
ITシステム・ツールに限らず、補助金や助成金に依存している会社は、一定数あります。常に補助金の情報を探し、補助金がもらえなかったら資金がショートしてしまうような会社です。一時的なら仕方ないですが、恒常的にそのような状態では、経営者失格です。
言うまでもなく、本来、補助金がなくても普通に経営できるよう、利益やキャッシュを管理することが経営者の重要な仕事の1つです。何らかの投資をしようと思ったときに、いつでも投資ができるように、キャッシュを確保しておいたり、融資を受けられるように銀行と関係をつくっておきます。
そうすれば、別に補助金や助成金などなくても、投資したいときには、いつでも投資ができるのです。それが本来の経営のありたい姿でしょう。
ただ、そうは言っても、ビジネスの環境変化によって、資金が苦しくなることもあります。あるいは資金にゆとりはあるけれども、さらに余裕を持たせたいということもあります。
補助金を活用するのは、そんなときが良いのではないでしょうか。
ちなみにITシステム・ツールに活用する有名な補助金3つはこちらの記事で紹介しています。他にも厚生労働省が出している助成金や、地域ごとの各種補助金・助成金があります。
先に使いたいものを探す
「補助金が出るから、このシステム・ツールを導入する」
という思考が危険なのは、先に補助金ありきだからです。そうではなく、補助金は関係なく、日頃から自社の経営課題と向き合っておくのが理想です。
「もっとWebマーケティングに力を入れたいな」
「何とかして生産設備の稼働率を高められないだろうか?」
「うちもキャッシュレスに対応したい」
「自社のECサイトを立ち上げたい」
「ペーパーレス化して、データ化することで履歴を追えるようにしたい」
このような経営課題と、それを解決するためのシステム・ツールを日常的に探すのです。
「良いツールが見つかり、その導入に向けて検討していたところに、良い補助金の情報があったので活用することにした。」
これが理想的な補助金の活用方法です。
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補助金を理由に売り込むITベンダーは信用できない
ITに限らず、補助金が決まると、売り手側のベンダーが張り切ります。
「半額出るんですから、導入のチャンスですよ!」
と鼻息荒く迫ってきます。程度の差はありますが、あまりに迫ってくるITベンダーは信用できません。補助金申請支援をする士業も同様です。そっと距離をあけるようにしましょう。
このようなITベンダーに会ったとき、元々情報収集をしていると、慌てることなく対応できます。しかし、日頃から経営課題を意識しておらず、情報収集もしていないと、売り込みに来たITベンダーに乗せられてしまいます。
現実問題、補助金には申込期限がありますので、締切を意識するあまり、正常な判断ができなくなってしまうのです。それで結果的に良いシステム・ツールが導入され、効果が上がれば良いのですが・・
ITベンダーに聴く限り、補助金で購入されたツールの継続率は低いようです。「買ったは良いものの、うちには合わないツールだった。使いこなせなかった。目的に合わなかった」というわけです。
繰り返しますが、「補助金が出るから買い物をする」のは間違いです。
目的があって、それに応じた良い補助金を探すくらいが、ちょうど良いでしょう。
- 補助金を理由に買い物するのは、失敗につながる
- 補助金を理由に売り込みにくるITベンダーは信用ならない
- 日頃から経営課題と、システム・ツールの情報収集を怠らない
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