日々の気づき

コンサルティングとは何なのか?満たすべき2つの条件

「コンサルティング」の名の付くサービスは、世の中に溢れています。ただ、私の目から見ると「これが本当にコンサルティング?」と思うものも多いのです。

中小企業診断士という資格は「経営コンサルタントの唯一の国家資格」などと言われることがあります。私も資格を持っていますが、この資格を持っているだけでは、コンサルティングができるとは思いません

コンサルティングを提供するものとして、私なりの定義を掲げておきます。

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現状と理想とする将来像のギャップを明確にする

私が考える、コンサルティングは2つの点から成り立っています。
1つ目は、「現状」と「理想像」を明らかにすること

現状に問題があると感じていても、具体的に何なのか?事実と感情を分離して考えられないことが多いもの。同じように、なんとなく理想像は持っていても、それを言語化したり、具体的なイメージにするのも大変です。

ここに第三者が関与する意味があります。私自身、コンサルティングを受けることがありますが、自分のこととなると、途端に見えなくなるのが人間というもの。他者に話を聴いてもらう効果を最も感じるところです。

私は「戦略マップ」という自作ツールを利用して、お客様に問いを投げかけます。

「なんの制約もなかったとしたら、どんなビジネスを展開したいですか?」
「それは世の中・社会・従業員・家族・あなた自身にどんな効果をもたらしますか?」
「長くお付き合いできるお客様は、どんなタイプの方ですか?」

問いだけでなく、お客様がつぶやいたことを確認・言語化し、抱えている問題を浮き彫りにします。

「営業の個々人が、何をやっているのか?が見えないのが、問題なんですね。」
「プロジェクトごとの利益が見えないのが、経営者として厳しい、ということですね。」
「ビジネスを任せられる右腕が育たないのは、つらいですね。」

現状と理想像を行き来しつつ、「ギャップ」を明確にしていきます

ギャップを埋めるための仕組みを導入する

2つ目は、ギャップを埋めるために「仕組み」を導入することです。

例えば、売上・利益が足らないというギャップがあったとして、それを代行して達成してしまうことは、コンサルティングではありません。お客様は確かに喜ぶでしょうが、それはあくまでも代行であり、コンサルティングではない、というのが私の考えです。

代行を否定しているのではなく、目的が違うので区別しましょう、と。やっていることは代行なのに「コンサルティング」を名乗られると、違和感を感じてしまいます。

代行は名前の通り、お客様に代わって何かを行うことです。例えば家事代行。掃除を依頼すれば、私が何もしなくても、家の中が綺麗になります。空いた時間で、私は別のことをすることができます。

ビジネスにおいても、本質は同じです。経理やシステム開発などが典型的な代行です。専門家に依頼することで本業に集中することできます。ただ、その専門家が居なくなったら、また現状に戻ってしまうのが、代行のデメリットです。

一方、コンサルティングは「仕組み」を導入する取り組みです。コンサルタントが居なくなっても、一度構築した仕組みがまわり続ける限り、成果を得ることができます。もちろん、仕組みのメンテナンスは必要ですが。何よりも大きいのは「仕組み」の導入を通じて、人が育つことです。

話を元に戻しますと、コンサルティングの条件2つ目は、仕組みを導入できることです。
私の場合は、上記の戦略マップを中心に、いくつかのツールを組み合わせて、コンサルティングを行っています。ツールを使うのは、お客様に理解してもらい、再現性を持たせるためです。

2つの条件を満たさないとどうなるか?

ちなみに1つ目の条件(現実と理想のギャップを明確にする)を満たさないと、どうなるでしょうか?押し付け型の営業に多いタイプ。またIT企業にも多いと感じています。

理想像も描けていないのに、仕組みを導入しようとしてしまいます。目的地が決まっていないのに「とりあえず車を買いましょう」というような理不尽さを感じますね。仕組みは、目的にたどり着くための手段です。それを勘違いしないようにしたいです。

2つ目の条件(仕組みを導入する)を満たさない場合は、単なる理想家になりがち。理想はどこまでも追求するものの、そこにたどり着くための手段を全く持っていないからです。

ただ、今の世の中、ネットに情報も溢れています。「やり方」は自分で分かっているということも多いです。どちらか1つしか満たせないのだとすれば、理想と現実を明確にすることに注力すべきだと思います。(コンサルティング界隈では、AS-IS・To-Beなどと言われます)

私自身、全てにおいて仕組みを導入できるわけではありません。例えばシステム開発が必要になった場合は、その知見を持っている方を紹介しています。もっと様々な仕組み導入を支援したいので、パートナーになる方を増やしていきたいと考えています。

まとめ
  • コンサルティングの条件は2つ。
  • 1つ目は、現状と理想像を洗い出し、ギャップを明確にすること
  • 2つ目は、ギャップを埋めるための仕組みを導入すること

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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