システムやツールの導入を企画してから、実際に活用するまでには、やることが山積みです。企画するシステムによって、その作業量は大きく変わりますが、まずは全体像を押さえておきましょう。
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システム企画から導入・活用までの流れ
全体像は、この図のようになります。
最初は情報収集から始まります。
ここでは「情報システム担当」と書いていますが、経営者も積極的に関与すべきです。経営者の視点で欲しい情報と、情報システム担当者が欲しい情報は異なることが多いからです。
ある程度、情報を集めたら企画書にまとめます。なんのためにシステム・ツールを導入したいのかを明確にしましょう。
クラウド系の手軽なツールの場合は、この時点で導入するツールも、費用もほぼ決定します。あとは導入→活用→評価という流れで進んでいきます。
また、利用者(ユーザー)に向けては、導入前の告知と教育、導入後のサポートが必要になります。利用者にスムーズな活用を促すには、この辺りの業務をしっかりと行いたいですね。今までと操作性が全く異なるツールの場合は、教育やサポートの負担が高くなりますので、その点も予め見込んでおきましょう。
ITベンダーとの関わり方
先ほどは情報システム担当と利用者だけの流れでしたが、ここにITベンダーを加えると、下図のようになります。
この図は、相当ガッツリとITベンダーと関わった場合です。ここまで深く関わるのは、以下の2つのパターンでしょう。
- 自社に特有の個別システムの開発依頼をする場合
- ERP(基幹システム)や生産管理などのパッケージを導入する場合(設計やカスタマイズが必要)
私は中小企業がITベンダーに対してRFI(情報提供依頼書)を出しているのは、見たことがありません。RFIから始まるシステム投資の場合は、最低でも億円単位のプロジェクトになるでしょうから。
RFP(提案依頼書)は、中小企業(100人は超えているくらい)でも見たことがあります。「こういうシステムが欲しい」という情報をまとめて、複数のベンダーから提案をもらうのです。その内容を比較して、ITベンダーを決定します。
RFPを書いて、ベンダー選定するまでは、かなりの労力が掛かりますから、もしやるなら、相応の体制を整える必要があります。(外部の専門家を活用する手もあります)
ITベンダーが決定したら開発に入ります。開発が終わって、利用者に展開する以降の流れは同じです。告知→教育→サポートが必要になります。ITベンダー側は、不具合があったときに修正する保守などのサポート体制を提供します。
なお、ここまでガッツリとITベンダーに関わってもらうケースは少ないでしょう。と言うのは、中小企業はクラウドを利用することが大前提だからです。
ちょっとしたツールなら、自社だけでも導入・活用できてしまうでしょう。ただ、ツールを導入・利用する上で、ITベンダーや専門家の手を借りたいことも出てくるでしょう。その場合は、この最もガッツリと組んだ例を上限として、関わり方を調整していただければと思います。
システムを導入・活用した後は、評価を行います。どんな投資であっても振り返って評価をしなければ、尻切れトンボになってしまいます。定量・定性、いずれかの方法で評価を行いましょう。
業務の中で重要な位置を占めるシステムになると、ITベンダーとの関わりが深くなります。ただ、そのITベンダーとの付き合い方が良く分からないという相談を良く受けます。第3者として中小企業(利用企業)とITベンダーの間の橋渡しをする専門家を利用しても良いでしょう。
- システム企画から導入・活用、そして評価までの全体の流れを把握する
- どんなツールを導入するにしても、利用者向けの告知・教育・サポートは重要
- 導入・活用するシステム・ツールに応じて、ITベンダーとの関わり具合が変わる
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