IT・システム企画

IT・システム企画時に、どうやって情報収集するのか?

ITツール・システム導入の企画をする際、情報収集するのが大変です。

大企業の情報システム部門に居ると、常にITベンダーが営業しに来るので、比較的簡単に情報収集することができます。しかも付き合いの長いITベンダーですと、自社の都合を分かった上で情報を提供してくれるので、効率も良くなります。

一方、中小企業には情報システム部門がなく、専業ですらなく兼務であることも度々。そんなリソースの限られた中小企業が、システム化企画をする際、どうやって情報収集をすれば良いでしょうか?

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一定の情報源を確保する

日常から、何らかの情報源を持っておきたいものです。Webや雑誌など、お金が掛かるものもありますが、情報システム担当として仕事を与えられているのであれば、必要経費です。会社に負担してもらうも良し、個人としてのスキルアップを狙って自分で負担するも良し。月に数千円も出せば、かなりの情報が集まるでしょう。

私が日常的に利用している情報源は、この記事にまとめています。

私が活用しているITの情報源(Web、雑誌、その他)変化の激しいITのことを把握するには、情報収集が避けられません。この記事では私が実際に利用している情報源を、Web・雑誌・その他の3分野から、それぞれご紹介します。ビジネスでITをもっと活用したいとお考えの方は、要チェックです。...

ただ、総務との兼任などで、そもそもパソコンの基礎すら分からない、というようなケースもあるでしょう。他の人よりちょっと詳しいという理由だけで兼務させられた、とか。そのような場合は、まずは入門者・初級者向けの研修に参加するべきです。E-Learningなどでも学べます。

基礎知識がないまま、情報収集するのは非効率ですし、仕事でも困ることが多くなってしまいます。

ITベンダーから情報をもらう

もしお付き合いのあるITベンダーがいるなら、そこから情報を得ましょう。具体的な困りごとや解決したい問題をお伝えすれば、良い解決方法を教えてくれるかもしれません。

ただし、ITベンダーが売りたいものを提案してくるケースもあるので、注意が必要です。本当に良い提案をしてくれるのかを見極めるためにも、日頃からの情報収集が欠かせないのです。

なお、パートナーとして長くお付き合いしたいITベンダーの条件は、こちらの記事で紹介しています。

パートナーにしたいIT企業(ITベンダー)の条件とは?長くお付き合いしたいIT企業(ITベンダー)の条件とは?いきなり商品・サービスの紹介をしてくる企業が後を絶ちません。そんなことよりも、自社の課題を一緒に整理し、解決しようとしてくれる企業こそが、良いパートナーになり得ます。この記事では、その他の条件も合わせてご紹介します。...

ここまで理想的な会社は、なかなか見たことがありません。少なくとも売るまでを目的にしているような会社とは、距離を置いておいた方が良いでしょう。

ちなみにITベンダーが大企業の場合は、その体制に注意が必要です(某〇〇商会さんとか、某コピー屋さん系列とか・・)。大企業では、より広いカバレッジ(商圏)と利益を確保するため、以下のような体制になっていることが多いです。

  • 売上・利益が取れる大企業向けには、優秀な営業を配置して、対面でのやり取りを多くする(ハイタッチセールス)
  • 売上・利益が小さい中小企業には、できる限り手間が掛からないように、エリア担当を配置する

つまり中小企業担当は、あまり優秀ではないことが多いのです。私も仕事柄、中小企業の立場で経営者・情報システム担当者一緒に話を聴くことが多いですが、残念ながら「もう少しマトモな人に来て欲しい」と感じることが多いです。

また、そもそも顧客企業には行かない方針のITベンダーも増えています。例えばクラウドベンダーです。中小企業においては、クラウド型ツールが第1の選択肢となります。

中小企業が選ぶべきITツールは、まずクラウド中小企業におけるITツールの選択肢は、クラウド一択です。自社で購入・運用するオンプレミスには、ほぼデメリットしかありません。この記事では価格の差や得られるものの本質的な違いをご紹介しつつ、クラウドだけで得られるメリットについても解説しました。ITツールを選ぶ方、中小企業経営者は要確認です。...

クラウドの基本はセルフサービス。つまり「自分でやってね」です。そのため、クラウドベンダーからの情報提供は、Webやメールが中心になります。手取り足取り教えてもらおうとする方を見かけることがありますが、そんなことをしていたら、あの安い価格は維持できません。

中小企業はITに詳しくないので教えて欲しい。クラウドベンダーは手間をかけるゆとりがない。ということで、せっかくのツールが浸透しにくい環境になっているのです。同じ「ITベンダー」でも、商社系ベンダー・開発ベンダー・クラウドベンダーでは、全く立ち位置や姿勢が異なることを知っておきましょう。

セミナー・展示会に行く

定期的にセミナーや展示会に行って、情報収集してくるのも良いでしょう。具体的な課題があれば、それを相談してみるのも良い機会です。

なお展示会は、良い場所で目立つ装飾をしている会社が、必ずしも良い会社とは限りません。逆に、何の装飾もなく、小さな場所でひっそりと展示している会社が、良い会社の場合もあります。

具体的に相談したい内容にマッチしたサービスを提供していそうなITベンダーでしたら、まずは気軽に話を聴いてみましょう。

セミナーや展示会など、リアルに会う場所で良いのは、相手の姿勢が分かることです。専門用語をバシバシ使って悦に入るような会社は、ここで距離を置くことができます(会社と言うより個人の問題の場合もありますが)。逆に丁寧に課題をヒアリングしてくれる会社は、きっと良い会社でしょう。

色んな場所に足を運び、色んな会社と会話していると、だんだん良い会社が分かってくるでしょう。

専門家を活用する

商工会・商工会議所や、各都道府県等の中小企業支援センターには、ITの専門家が居ることがあります(正直、地方は多くないです)。公的機関が良いのは、売り物が決まっているITベンダーではないので、第3者として公平な意見を言ってくれることです。また、無償や安価に専門家を活用できます。

デメリットは、これら公的機関には、まだまだ本当の意味でITに強い人が少ないことです。エンジニア出身の方の場合、技術に偏り過ぎている人が多いと感じます。また5年も10年も前の古い知識のまま提案してくる方が多いのも実情です。ITの世界は3年前は一昔です。5年・10年前の知識は既に陳腐化どころか、化石になっていると言えます。

経営とIT、両面からバランス良くヒアリング・提案してくれる専門家が居たら、徹底的に活用すると良いでしょう。

まとめ
  • 日頃から情報収集を行う
  • ITベンダー・専門家から情報をもらう
  • セミナーや展示会に足を運ぶ

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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