IT・システム企画

システム運用の作業項目、ヘルプデスク編

システム導入後、やることは多いから、企画時点から考慮しておきましょう、と前回お伝えしました。

システム企画をする時点から、導入後の運用のことを考慮するシステム企画の時点で見逃されがちなのが運用業務の洗い出しです。リソースの限られた中小企業では、無駄な業務を増やすわけにはいきません。企画時点で運用に必要な業務を洗い出し、最適な選択をすることによって、運用負荷を最小化することが可能です。...

「大袈裟な!そんなにやることないでしょ!」

と考える方がいらっしゃるかもしれないので、導入までよりも運用の方が大変なことをご理解いただきましょう。

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システム運用の作業項目

そのシステムが担う業務範囲や、システムそのものの複雑性によって、その作業項目は大きく変わります。自前でサーバーなどのハードウェアを持つのではなく、クラウドを活用することを提案しているのは、システム運用の作業負担を減らすためです。

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ここではざっくりと、システム運用の仕事は、こんなにやることが多いのだということをご理解いただきましょう。

ヘルプデスク(利用者がシステムを使いやすくする仕事)

まずはじめに、ヘルプデスク関連です。利用者がシステムを使いやすくするための仕事全般を指します。サービスデスクと呼ばれることもあります。

マニュアル作成

利用者がシステムを利用しやすいようにマニュアルをつくる作業です。利用者のITリテラシーが高い会社の場合、ITベンダーが提供するマニュアルだけで済むこともあります。

ただ、「パソコンやスマホが苦手」というような人が多い組織の場合、「メーカーのマニュアル読んどいて」じゃ済まないことが大半です。(多くの中小企業はこちら側です)

そのような場合、誰でも分かる「ここをクリック!」みたいなマニュアルを作成しなければなりません。私も経験がありますが、非常に大変な仕事です。しかも最近はシステムの更新頻度が高く、画面イメージの変更も多いので、せっかくつくったマニュアルがあっという間に古くなってしまうこともあります。

ですから、常に完璧な操作マニュアル作成を目指すのではなく、利用者のITリテラシーを高める教育をする方が効果的なのです。

IT投資で最も注力すべきは、人材への教育中小企業におけるIT導入・利用における問題は、スキルのある人材不足によるところがほとんどです。しかし、ますますIT人材の不足が深刻化しつつあり、採用することは困難です。このような状況を受けて、最も注力すべきIT投資は「人材への教育」です。ITで経営を変革したい経営者は、この点を認識しておくべきです。...

利用者向けの教育(説明会)

新しいシステムを入れたり、システムが大幅にバージョンアップして画面が変わったりするときには、利用者向けの説明会を行います。上述の操作マニュアルを元に、システムの利用目的などを加えて、利用者が迷わないように説明します。

ちなみに、利用者向けの説明会を行う段階になって「もっとこうして欲しい」などと声を挙げる人がいます。これもシステム担当者を泣かせます。「企画時に言ってくれ」と思っているはずです。後から言うくらいなら、システム企画に積極的に参加しましょう。

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問い合わせ対応(インシデント)

説明会を行ってマニュアルまで配布したにも関わらず、それでも操作方法が分からないという人は、必ず一定数現れます。年配の偉い人が問い合わせしてくるのが、システム担当者を泣かせる原因になります。

余談ですが「オマエ、高い給料もらってるんだからサクッと勉強しろよ」と思われていることを追記しておきます(笑)

問い合わせ対応は、中小企業の多くは電話で行っています。Webで受付などをしても、そもそもWebフォームを使い慣れている人が少ないからです。電話を受けるたびに自分の仕事を中断させられるのですから、本当に気の毒。電話受付をなくすことができたら、それだけでシステム担当者の心は、非常に軽くなること間違いなしです。

こういう話をすると「誰が稼いできていると思ってるんだ」と事業担当者、特に営業などは不平を漏らします。でもこれは本末転倒な言い分です。会社組織というのは適材適所で役割分担をしているからこそ機能しているのです。

システム担当者が準備したパソコンやIT環境がなければ、そもそも仕事ができないのです。同様に経理・総務も誰かがやらなければ事業は動きません。営業だけ特別などと考える人がいたら、経営者が叱るべきですね。

問い合わせ(インシデント)管理

この問い合わせ対応は、単に問い合わせに回答するだけでは終わりません。記録をつけて、問い合わせのステータス(受付済、調査中、回答済など)を管理します。全てに即答できるわけではないですから、記録をつけて管理するのですね。

システム担当者が分からない技術的な問題の場合には、ITベンダーの窓口へ問い合わせを行います。ITベンダーからの回答を待っている最中なのに「早くしろよ」などと罵倒されるシステム担当者は、本当に大変な仕事です。

また、同じ問い合わせが多い場合には、マニュアルや説明がわかりにくいことが推測されるので、修正したりします。このような問い合わせ(インシデント)の傾向から、中長期の改善を施すのを問題管理と言います。

問題管理は厳密にはヘルプデスクの範囲ではないと考えられますが、関連事項なので紹介しておきます。

利用者への情報通知

「パソコンが利用期限に近づくので、○月末までにパソコンを持ってきて下さい」
「ビルがメンテナンスで停電になるので、○月○日はシステムの利用ができません」
「今、ネットワークで障害が起きているので、○○システムが使えません」

このような情報を利用者に伝えるのもヘルプデスク(システム担当者)の仕事です。悲しいのは、システム担当者の知らないところで計画停電があったりすること。社内のコミュニケーションがスムーズでないと、悲しい事故が起こります。

他にも以下のような業務があります。

  • 業務担当者とのやり取り(エスカレーション)
  • 障害が発生した際の影響範囲の調査
  • 土日・夜間などの緊急対応(キャンペーン初日にシステムを集中的にフォローするなど)

システム企画時から外注含めて役割分担を決めておく

ここまでご紹介したのは、ヘルプデスク業務だけです。最初にヘルプデスクをご紹介したのは、利用者との接点でもあるので、イメージがしやすいからです。当然、システム運用の仕事は他にもあります。

ここまで読んで「こんな業務、ひとりじゃやってられない」と感じていただけたのではないでしょうか?もちろん、これら全部をやる必要がないことも多いです。ただ、多くの中小企業では専任でもないシステム担当者が、片手間でこれらを押し付けられているケースも多いのです。

だからこそ、システム企画の段階から業務を洗い出した上で、必要に応じて「ここだけは外注にお願いしよう」と発想することが、社内の業務をスムーズにまわすためには必要です。いわゆるコア・コンピタンスです。

自社でやるべきコア業務と、外注を活用するノンコア業務を整理して、上手く専門の会社を活用しましょう。その方がシステム担当者にとっても、利用者にとっても良い環境ができます。

まとめ
  • システム運用の仕事は、経営者が思っている以上に多い
  • ヘルプデスクだけでも、非常に多くの業務がある
  • ノンコア業務は外注も含めて検討する

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