経営

解雇が当たり前になる社会が来る前に、やっておくべきこと

新型コロナ以降、様々な社会変化が指摘されるようになりました。
このブログで良く取り上げている仕事のオンライン化(リモートワーク化)も、その1つです。
今日は、解雇が日常的になる社会について考えてみます。

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価値を生み出せす人・生み出さない人が浮き彫りになる

日本で一斉にリモートワーク(在宅勤務)が進んでいます。
何事にも陰陽(メリットとデメリット)がありますが、リモートワークも同様です。

初めてのリモートワークで、その素晴らしさを感じた人は多いでしょう。
通勤がない、時間効率が良い、家族との時間が増える・・など。

その一方でリモートワークにもデメリットがあります
すぐに感じやすいのは、運動不足になること。
最寄り駅まで歩くことすらしなくなりますので。

そして、陰陽はっきりしませんが、間違いないのは、

価値を生み出せす人・生み出さない人が浮き彫りになる

ことです。リモートワークのある意味、残酷なところです。
離れて仕事をする以上、同じ空間を共有することだけで、一体感を感じることはできなくなります。

高い評価を受ける人の特徴

  • チームでコミュニケーションして、仕事のゴールを設定(成果は何か?)
  • 成果に対して、やるべきことを計画していく(行動計画は何か?)
  • ゴールに向かって進捗共有したり、周囲に相談しながら、次々と仕事を進めていく

という人が、今まで以上に高く評価されるようになります。

元々、高い評価を受ける対象ではあったのですが、リモートワークになると、それがさらに目立つようになります。

残念な評価を受ける人の特徴

  • 出社して、椅子に座っていることが仕事だと思っている
  • 長時間働くことが評価の対象だと思っている(部下でも、上司でも)
  • 他の人の仕事を批判・評価することが仕事だと思っている

は通用しなくなりました。

ちなみにリモートワークしている人を「監視」するような管理職も、残念な人です。
仕事の本質を理解していないからです。

別に仕事中に育児や家事をしようが、昼寝をしようが構いません。
極論、1日に5分しか働かなくてもいい。成果さえ上げていれば。

今後、仕事の本質を理解しない経営者・管理職がいる会社には、人が寄り付かなくなってくるでしょう。

解雇が当たり前になる社会がやってくる

解雇の一般化

かつて、大手商社などでは「ウィンドウズ2000」が話題になりました。
出世競争に敗れ去ったり、パワハラ上司に潰されたりして、窓際族になった人たち。

仕事はほとんどなく、新聞を読んだり、ネットサーフィンしているだけなのに、年収2,000万円をもらっている人たちを揶揄する言葉です。
まぁ、そんな余裕があるのは大手商社だったからでしょうが・・(今はどうなんでしょう?)

そんな高給かどうかはさておき、このような価値を生めなくなった人たちを、これからの企業は雇い続けることはできなくなります。特に一般の中小企業であれば、余計にそんなゆとりはありません。コロナ禍で、それが明確になりました。

もちろん企業としては、そんな人を生み出さない環境づくりが必要です。
と同時に、最初から価値を生み出そうとする気のない「ぶら下がり社員」に対しては、今までのような緩い対応はできなくなります。

これからは、毅然とした評価・対応をする経営者が増えていくのではないでしょうか。
要するに解雇が増えていくのです。

評価の基準はシンプルに

そして、年齢と給与の関係は崩れていくでしょう。
良い悪いではなく、年功序列・終身雇用が終わることは、「既に起こった未来」です。

高い価値を生み出す人は、新卒であっても高い評価・給与、そしてやりがいのある仕事を与えられる。一方で、会社にぶら下がるだけの人は、中高年であっても新卒以下の評価・給与。あるいは肩を叩かれる。

そのような会社でなければ、若者は希望を持てません。
性別や国籍なども関係ありません。
純粋に価値を生み出した人が、シンプルに評価されます。

なお、ここでの「価値」は、当然売上・利益だけではありません

  • アイデアを生み出す
  • 他者の能力を引き出す
  • 業務を見える化する
  • 仕事しやすい環境をつくる
  • 場を和ませる
  • 中長期の戦略を描く

など、全て価値のある仕事です。
お客様と直接接する職種、社内に閉じた職種に関係なく、価値は生み出せます

有名なドラッカー「5つの質問」に、こんな質問があります。

  • 顧客にとっての価値は何か?
  • われわれにとっての成果は何か?
  • われわれの計画は何か?

このような仕事の本質に向き合っている会社であれば、「価値」は何かが判断できます
一方で、売上・利益しか見ていなかった会社だと、価値が何か分からず、当面は迷走することになるでしょう。

自分が提供できる価値は何か?に注力する

さて、長々と述べてきましたが、要するに解雇が当たり前になる社会がやってきます。
私たちはどうすれば良いのでしょうか?

経営者は組織の未来を語る

今まで会社にぶら下がる人が居続けてしまったのは、残念なことです。
ただその理由の1つは、仕事に対する期待を明確にしてこなかったからです。

上述のように、仕事の本質に向き合い、期待値を明確に示していく。
好き嫌いで評価したり、評価をブラックボックスにしたりしない。
評価基準をオープンにして、チャレンジしたくなる組織をつくる。

その前提として、組織の未来を語ることが求められます
経営者の価値は、正にここに尽きるのではないでしょうか。
難しいことですが、だからこそ挑戦しがいがあります。

従業員は自分の価値を追求する

私たちはいくつになっても、仕事を通じて、誰かの役に立ちたいと考えています。
社会に生きる存在として、仕事人として、誰の役にも立てないのは本当にツラいものです。

だからこそ、仕事をしながらも、自分が提供できる価値を追求し続けたいもの。
変化の早い時代ですから、かつて身に着けたスキルが何年も何10年も役立つことは稀有でしょう。

自分自身のキャリアプランを描きながら、常に学びを変化させていく。
会社に依存するのではなく、世の中の動向を見ながら、自分で自分のスキルをマネジメントしていく
要するにセルフマネジメントです。

私は会社員の方々とも日頃から接点があります。
SNSやコミュニティなどで連絡を取り合っていますが、日曜日のこの時間も、彼らはキャリアアップを目指して、自らを磨き続けています。

最後に多少の余談です。

解雇が一般的な社会になったときに、「公務員という選択肢」が逃げ場になってはならないと感じています。本来、一般企業以上に長期戦略が必要になる仕事だからこそ、解雇されにくい環境が整えられているのです。

公務員には、より高い成長意欲を持っていただきたいですし、そういう人が評価される組織設計をしていただきたいと切に願っています。

まとめ
  • 解雇が一般化する。企業に仕事しない人を雇い続ける余裕はない
  • 評価はシンプルに、価値を生み出したかどうか
  • 常にキャリアプランを描きながら、提供できる価値を追求していく

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【編集後記】
昨日に引き続き、今朝も家族でランニング3km。
そのまま私は1人で、合計12kmでした。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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