公益財団法人あいち産業振興機構様にて、セミナー講演してきました。
「Webマーケティング実践活用セミナー ホームページをつくっただけでは、何も起こらない 〜Webマーケティングの失敗事例と活用方法〜」と題したセミナーで、約40社の経営者に参加いただきました。
この記事ではWebマーケティングが失敗してしまう3つの理由について、解説します。この例ではホームページやブログをイメージして書きますが、他のツール(メルマガやSNSなど)を使うときにも注意すべき点は同じです。
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1. 目的があいまいすぎる
1つ目の理由は目的があいまいすぎることです。
- 読んでもらいたい顧客像は誰なのか?
- 貴社と顧客の関係性(認識/興味/比較/購入/利用/ファン)
- 記事を読んだ後に顧客に取ってもらいたい行動
これらが最も大事なことですが、本質を考えないまま「カッコいいだけ」「美しいだけ」のホームページをつくろうとしてしまう会社が跡を絶ちません。
- 潜在顧客に自社を知ってもらいたいのか?
- 顧客情報を登録して、資料をダウンロードしてもらいたいのか?
- 買ってもらいたいのか?
- 既に取引のある顧客にフォローをしたいのか?
こういった目的を明確にしない限り、行動がブレてしまい、結果が出ません。そして継続できなくなってしまうのです。
このような目的があいまいな状態のまま、ホームページ制作会社などに依頼をしても、当然成果は上がりません。事業の主体者が分からないことを、社外の人間が分かるはずがありません。分からないときにじっくりとヒアリングしてくれる会社は良い会社ですが、なかなかそんな会社は多くありません。
丸投げして良いモノができることなど、あり得ません。
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2. 運用を続けられない
失敗の2つ目は、運用を続けられないことです。
それ以前に「記事の更新はホームページ会社にお願いするものだと思っていた」という話も良く聴きます。もちろん技術的なことは専門家にお願いすれば良いのですが、記事そのものは自社で書くのが基本です。
社長の挨拶を外部の人に書いてもらって、信用を得ることができるでしょうか?社外の人が書いた記事で、会社の雰囲気や価値観が伝わるでしょうか?プロが書いた文章である必要はありません。まずは自社で記事を書き続ける必要があることを認識しましょう。
次に自社で書こうとしたときに聴く悩みのトップ2がこれです。
- 記事を書く時間がない
- ネタ切れしてしまう
時間がないのは「余った時間で記事を書こう」としているから。ホームページの更新は、副業ではなく主業務です。片手間でやるものではありません。対法人のビジネスの場合、営業に会う前に購入する製品・サービスは決まっている、というデータがあります。
つまり、問い合わせがあった時点で、顧客の意思は概ね決まっており、後は価格や契約条件などの調整に入ることがメインなのです。
では、顧客はどこで情報を調べているか?最も多いのがWebでしょう。専門性の高い法人同士のビジネスにおいても、Webはメインの情報収集ツールとなっています。
「時間が足りない」というのは、主業務だと捉えていないから。一番大切なものだと認識していれば、仕事の一番最初にやるはずです。時間が足りなくなるわけがないのです。(もちろん、慣れないうちは余計な時間が掛かりますが)
- どれくらいの頻度で記事を更新するのか?
- そのためのどのくらいの時間が必要なのか?
- 誰が、いつまでに、どんな記事を書くのか?
細かなこと以上に、こういった体制を整えることが、まずは大切です。
ネタ切れについては、日頃から顧客の声を集めることで、かなり解決します。顧客の声はヒントが満載です。1人の顧客が困っていることは、他の顧客も困っている可能性が高いもの。記事にすれば、読まれる可能性が高いのです。
また、検索したときにGoogleが補足してくれるキーワードを元に、ネタを探す方法もお伝えしました。
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3. 顧客が必要としている情報・メディアでない
3つ目は、顧客が必要としている情報がなかったり、ツール(メディア)を間違えていることです。
Webは対面と比べると信用されにくいものです。経営者の想いや会社のこと、事業の内容について、より詳しく・丁寧に伝える必要があります。会社の名前だけで信用してもらえる大企業と異なり、ここを疎かにしてはいけません。
見たことも聞いたこともない会社に対して行動するのは不安なものです。顧客の不安を取り除き、信頼していただけるようにするのは、顧客とのコミュニケーションの基本ではないでしょうか。
にも関わらず、「導入設備一覧」くらいしかない会社(特に製造業)が多いのです。この点、セミナー中に苦笑している方が多かったので、心当たりがあったのでしょう。すぐに必要な情報を追加した方が良いですね。
また顧客が見ないところで、どんなに情報発信をしても無駄です。スマホも持っておらず、ネットを見ない高齢者に向けて、Webで情報発信しても無意味です。チラシにして配った方が良いでしょう。また、多くの顧客がスマホでホームページを見るにも関わらず、パソコンに最適化されたホームページを運用してしまうのも、同じ問題です。
夢を見すぎない
最後に、セミナー終了後にもいくつかご質問をいただきました。その中で感じたのが、Web(ホームページなど)に夢を見すぎている経営者が多いこと。それで現場の担当者の方が困っていたりするのです。
ホームページをつくっただけでバカ売れしたり、問い合わせが殺到することはありません。仮に良いホームページができたとしても、それを知ってもらうための行動をせねばなりません。
私は「Webマーケティングは漆塗りのようなもの」と言い続けています。記事を書き、効果測定し、改善する。こういう地道な行動を継続することが、Webマーケティングの基本です。華やかな世界だと思っている方が多いのですが、実に地道な活動の繰り返しです。それはWeb広告やSNSを運用する場合でも同じです。
経営に魔法がないのと同じで、Webマーケティングも特別な魔法ではありません。計画を立てて行動し、改善していくことが必要なのです。
- 目的があいまいなままでは、何の成果も出ない
- 情報発信は主業務、きちんと体制を整える
- 顧客が必要とする情報・メディアを利用する
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