CRMでは、顧客データと商談データを蓄積して経営の意思決定をしていきます。ここまでは、名刺データを元に顧客データ(取引先・連絡先)を構築し、顧客データに関連付けて商談データを蓄積する準備までお伝えしました。
- 名刺管理から始める中小企業のデータ経営(データ活用)
- 名刺情報を元に、顧客データを構築しよう
- 顧客データ重複の悲劇と、入力時の注意点
- 取引・商談の履歴を取るのに必要なデータ項目と、CRM活用のメリット
この記事では、もう一度、頭を整理するために、データ間の関係性を明確にしておきます。
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取引先(組織)・連絡先(個人)・商談の関係
ここまでご紹介してきた「取引先(組織)」「連絡先(個人)」「商談」の関係を見てみましょう。
zoho CRMにおける取引先・連絡先・商談の関係
連絡先には、その人が所属する取引先があります。A社のBさんというように認識するからです。また、商談には取引先と連絡先が関係してきます。連絡先が複数になることもあるでしょう。
このように、あるデータが、他のデータを参照しにいくことを「ルックアップ」と言います。ITに馴染んでいる人は、このような関係を頭の中でつくっています。せっかくなので、用語も覚えてしまいましょう。
このようにデータ間に関係があるからこそ、以下のようなレポートが簡単につくれるのです。
- 取引先別の売上
- 営業担当者ごとの売上
- 来月の売上の期待値
- 躓きやすい商談ステージ
改善すべきポイントを発見し、対策を打つことができます。 - データ元(最初の接点)毎の売上・商談期間
どこで顧客と接点を持つと、マーケティングの効率が良いのかが分かります。
実際のCRMには、取引先・連絡先・商談以外のデータが数多くありますので、よりデータは複雑に関係しています。それが表計算ソフトでは限界になってしまう理由です。
マスタとは何か?
企業には様々なマスタデータと呼ばれるものがあります。マスタデータとは、企業が業務で構築するデータベースで共通となる、基本的な情報のことです。
例えば「社員マスタ」には社員の情報が収められています。同じ社員は2人と居ません。仮に同姓同名で、同じ部署に所属していたとしても、異なる社員として認識されます。そのために一意となる社員番号(ID)を付与したりします。
同じく「取引先マスタ」「連絡先マスタ」「商品マスタ」「会計マスタ」などがあるでしょう。CRMから見たときには、これまで定義してきた「取引先」「連絡先」「商談」などがマスタと呼べます。
そしてここまで見てきたように、それぞれのマスタ(データ)はお互いを参照しています。例えば、「商談」における「担当者」は、「社員マスタ」から選ばれます。
スモールビジネスでは、今までマスタデータを意識してこなかったかもしれませんが、無意識に利用してきたのです。大企業になると、このマスタデータをメンテナンスするのは、実に大変な作業が必要です。どうしてもデータの重複やミスなどが発生してしまうからです。
今回はお互いのデータは関係しているということを、とりあえず身につけておきましょう。
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- 取引先・連絡先・商談のデータは、互いに関係している
- 「取引先マスタ」「社員マスタ」のように会社にはマスタデータがある
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