IT・システム全般

業務プロセスとデータ処理の関係

「業務」とは何でしょうか?
様々な回答があると思いますが、この記事ではITを活用する上で重要なデータ処理の視点からご紹介します。

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入力→処理→出力の流れが業務

業務プロセスは目的を達成するための手順の集まりです。

業務プロセス(ビジネスプロセス)とは何か?業務プロセスの見える化とか生産性向上とか、色々と言われています。AIだRPAだと騒がれている現実もありますが、まずは自社の業務プロセスに正面から向き合うことが、本当のスタートです。では、業務プロセスとは何なのでしょう?その特徴や忘れてはならないことをご紹介します。...

データの視点から見ると、

  1. 必要なデータを集めて
  2. 何らかの処理を行い
  3. 求められている出力(アウトプット)をする

という手順が業務プロセスだと言えます。

顧客にメール送付する例

具体例を挙げますと

  1. 営業担当たちが持っている名刺をデータ化して(入力)
  2. データの中から、顧客・小売業だけを抜き出して(処理)
  3. 小売業顧客だけを対象にしたセミナーの案内をメールする(出力)

のような処理になります。

給与計算の例

給与計算の場合は、以下のようになるでしょう。

  1. 勤怠データや基本給与・賞与・評価などのデータを準備する(入力)
  2. 社内の給与規定に沿って、給与額を計算する(処理)
  3. 給与額にしたがって振り込みをする、給与明細を出力する(出力)

極論ですが、ほとんどの仕事は、このように「入力→処理→出力」を行うものであると言えます。イメージ的にはこのようなものです。

※マスターデータは後で解説しますので、ここでは無視して結構です。

逆に言うと、この流れが不明確なものは、業務とは言えないものが多くなりがちです。

  • 出力(目的)が不明確な会議
  • 活用されない日報・週報

こういったものは業務改善の対象になります。

処理の中心にあるのがマスターデータ

ここで重要な役割を果たすのがマスターデータです。
マスターデータとは、業務を行う上での基準となるデータのことです。

IT・データを理解するためのスタートラインは「マスターデータ」マスターデータとは何でしょうか?従業員・顧客・商品などをしっかり区別するための基準となるデータのことです。コンピューター登場以前から台帳として存在していました。データやITを活用する経営をするための土台となる考え方ですから、経営者は身につけておきましょう。 ...

例えば、従業員を1人ひとり、しっかり区別する。
顧客を1社1社、判別できるようにする。
商品を1点1点、区別できるように。

逆に言うと、重複や抜け漏れがない状態になっていることが重要です。
またしても具体例を見てみましょう。

顧客向けにメール送付する場合

例えば、小売業向けにセミナーの案内をメールする場合、「顧客データ」が整備されていなければなりません。(=顧客マスタ)

同じ人が2件3件も登録されていたら、同じメールが何通も送付されてしまいます。
営業担当から名刺をかき集めたら、同じ人の名刺が複数あることは、普通にあり得ることです。

そのままデータ化してメール送付してしまったら・・
セミナーに興味を持っていただく以前に、スパムメール扱いされて、信頼を失ってしまうでしょう。

逆にデータが漏れていたら、そのセミナーを必要としている方にメールが届かず、機会損失です。また、小売業ではない顧客にメール送付してしまったら、「また営業メールか」と思われてしまいます。

給与計算の場合

給与計算の場合は、「従業員マスタ」が重要な基準になります。

1人が複数登録されていたら、勤怠の集計ができません。
給与の二重振込が起きてしまうかもしれません。

「そんなアホなこと起きるか!」と思われるかもしれません。
実際には起きるんですよね。。
公的機関から振込漏れを食らったことがあります。。

現実的に、二重請求や請求漏れなどは、中小企業では日常的に発生しています。
私自身、公的機関から振込漏れをやられたことがあります。。

これらのミスはマスターデータが抜け漏れ・重複なく整備されていない
あるいはマスターデータが活用されていないことが原因です。

業務の目的とマスターデータの関係

もう一度、図を確認しましょう。

業務とは、何らかの目的を達成するために行われるものです。
その目的に応じて、マスターデータを整備して活用することが、処理の大前提になります。

顧客にメールするのであれば、顧客マスタが必要です。
重複していたり、古くなっている名刺データを最新に維持しなければなりません。

商談(案件)ごとに請求書発行・入金確認を行うには、商談マスタがなければいけません。
実際には商談マスタが存在しないために、古い見積書に応じて金額を間違って請求書を発行してしまうことがあるのではないでしょうか?
(余談ですが、この辺の整備が甘いと、IPOするときには監査で突っ込まれます)

製品(部品)マスタを整備することは、製造業の肝です。
「BOM(部品表)」という言葉は、製造業の隅々まで知れ渡っているので、さすがに日本の製造業は強いな、と思うのです。

業務が上手く回っていない場合、マスターデータに問題があるのではないでしょうか?

  • マスターデータが存在しない(例:顧客データは営業が持っている名刺しかない)
  • マスターデータが古いままメンテナンスされていない
  • マスターデータを管理・運用する人(担当者・責任者)が不明確

これらの問題を解決して、日常業務の中にマスターデータの運用を組み込むと良いでしょう。こちらは関連記事です。

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まとめ
  • 業務プロセスとは、データを入力→処理→出力すること
  • データを処理する上で、マスターデータが重要
  • 業務が上手く回らない場合、マスターデータに問題があることがある



【編集後記】
今日は朝からバイク(自転車)の掃除。
昨年秋から部屋の中でしか乗ってなかったので、放置していたのです。。
そのためか、少しチェーンが引っかかるような感覚があったので。
チェーンやスプロケットがキレイになり、気持ちいいです。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとIT、そしてデータを使った「売れ続ける仕組みづくり」「業務改善」が得意。コンサルティングや研修・セミナーで中小企業の経営支援をしています。元IT企業でエンジニア→マーケティング。中小企業診断士。
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