ITを活用しようと言われて、早何年が経ったでしょうか。中小企業白書などの政府発行の資料にも毎年のようにIT活用はテーマとして出てきています。しかし、現場を見ている立場の意見ですが、一向に状況は変わっていません。
原因の1つが「IT活用」とマルっと1つにまとめられていることにあると思います。どこから手を付ければ良いのか、分からないのです。
この記事では、中小企業がITを活用する上での効果的な順序についてお伝えします。
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中小企業がITを活用していくときの、オススメの順序
結論から書きますと、以下の順序でITを活用すると失敗しにくいです。
- グループウェアを中心とする社内の情報共有ツール
- お客様に対する情報発信(Web、SNSなど)
- ビジネスそのものをITで変革する
もちろん、全てがこの順番である必要はありません。
例えば社内で使うツールの筆頭であるERPは、ツールというよりも重いシステムですから、社内とは言え、いきなり活用すると苦労してしまいます。
社内でITを活用して、「いつでも・どこでも働ける環境」を整える
まずは社内業務のIT化を中心に行います。不慣れな会社がITを活用する場合、問題が起きたときにもお客様に迷惑をかけないからです。
まず、現時点で以下のチェック項目に当てはまるものが1つでもあれば、そこをIT化すべきです。
- 事務仕事にも関わらず、オフィスに出勤しないと仕事がまわらない
- 文書は紙の書類として存在することが多い
- 社内の承認や、契約書類はハンコが中心
- 見積は会社に戻らないと作成できない
- 顧客やパートナー企業、社内との連絡は電話が中心
- 社内ミーティングは対面でしか行われない
- 同じ会社の人の予定・どこにいるかがすぐに分からない
- 名刺はもらった本人しか利用できない
これらは全部、ITツールを活用すれば、問題解決できます。
まず目指すは、いつでも・どこに居ても仕事ができる環境を整えることです。
この環境が実現すると、以下のようなメリットが得られます。
- オフィスに出社しにくい高齢者、育児・介護をする方、短時間業務の方が、仕事をしやすくなる
- その結果、採用が簡単になる
(「フルリモートワーク可」という求人に対して、人が殺到した小規模企業を見たことがあります) - 同じ組織内の人たちの仕事の状況が分かりやすくなり、組織として活動できるようになる
- ペーパーレス化が進む
- 無駄な時間が減って、仕事の進捗が早くなる
- 残業時間が減る
ちなみに、チェック項目を全て良い環境に置き換えるには、ほぼグループウェア(Office365やG Suite)だけで実現可能です。一部、名刺の共有など、そのままでは実現しにくいものもありますが・・
はじめの一歩であるグループウェアを促進するITベンダーがいない
ちなみに、私はIT業界に対して危機感を抱いている部分があります。
お客様がITツールを活用する上で、はじめの一歩となるOffice365やG Suiteを支援するITベンダーが、あまりにも少ないからです。
販売はしているのですが、活用の支援をしているところは限られていると感じています。おそらく、これらの支援を行っても、大した儲けにならないからだと推測しています。
しかし、こちらの記事で書きましたが、その考え方はあまりにも短絡的です。
もう1つ、ITベンダーがオフィススイート(Office365やG Suite)を促進しない理由があります。「自分たちが使いこなせていない」からです。
私はIT企業の支援をすることも多いですが、実はIT企業の多くが、これらの優秀なオフィススイートの機能のごく一部しか利用できていません。
IT企業が自らを実験台として、次々と新しいツールを活用して生産性を高めて欲しいと願っています。そこでの経験をお客様に提案すれば良いのです。
- 社内→社外→ビジネスそのものの変革、の順番でITを活用していく
- 社内業務のIT化を進めるときのゴールは「いつでも・どこでも」働ける環境
- ITベンダーは、この領域をやりたがらない。自らを実験台として経験を積むと良い
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