経営者とIT・システム屋さんの渡し船、渋屋です。
「IT屋の言うことは分からん!」
経営者から、これまで何度聴いた言葉でしょう。
ITベンダーと経営者の間、システム担当者と経営者の間に入って、翻訳者のように活動することが何度もあります。
ではなぜ、ITベンダーやシステム担当者が、経営者が分かるように話ができないのでしょうか?言葉を変えると、なぜ「経営視点」を持つことができないのでしょうか?
結論から言うと、経営者とIT・システムに関わる人、双方の問題です。
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「経営視点」とは果たして何なのか?
ITやシステムのことに関わらず、経営者は良く従業員に対して「経営視点を持って欲しい」と言います。実は私、この言葉を聴くたびにモヤっとするんですよね。
その経営視点って、具体的に何でしょう・・?
- 財務諸表を読めることですか?
- 市場における自社のポジショニングを考えることですか?
- 儲かる/儲からないを判断することですか?
- 投資対効果をチェックできることですか?
- 自社のブランドを意識した意思決定をすることですか?
- 顧客との関係性を大切にすることですか?
- 会社の組織文化を醸成するための判断ができることですか?
これに明確な回答をくれた経営者は、あまりいません。
経営者自身が答えられないものを、従業員に求めるのは、あまりにも無理があります。
だって「察してよ〜」と言っているようなものですよね。
ビジネスコミュニケーションにおいて、あまりにも雑なような気がします。
これ実は現場の方にも言えることでして、
「社長は現場のことを、ちっとも分かっていない」
という愚痴も、同じくらい良く聴きます。
じゃあ、現場のことって具体的になんですか?
同じ構図なんです。
もうお分かりの通り、これはコミュニケーションの問題です。
相手に知って欲しいことを、ちゃんと相手に伝える。
それをしないまま、「察してくれ」「観察してくれ」というのは、双方の甘えに過ぎないと思うのです。
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システムを企画する際の経営視点とは?
ちょっとしたツールを導入するだけなら、大袈裟に「経営視点」という言葉が出てくることはありません。しかし、会社の中核に位置するシステムを導入する際には、必ず経営視点が必要になります。
ただ、その会社の置かれた状態や、導入するシステムによって、「経営視点」の具体的な項目は変わります。ですから経営者は、「こういうことを知りたい」とシステム担当者やITベンダーに伝えるべきです。
例えば、会計システムや顧客/案件管理システム(CRM/SFA)など、事業のど真ん中にあるシステムを導入する際には、以下のようなことを知りたいと思うかもしれません。
- 今月の受注/売上は、どうなっているのか?(予実管理)
- キャッシュフローは大丈夫か?
- で、儲かっているの?
- システムごとにバラバラじゃなくて、数字を一元的に見たい
- 部門別/商品別/顧客別の売上・利益をサクッと見たい
- 月次決算の締め、もう少し早くならない?
- 将来の案件、ちゃんと仕込んでいるのか、見えるようにしたい
- システムが止まったとき、業務はどうやって続けるの?(事業継続の視点)
- 監査が入っても説明できる根拠は残せるよね?
繰り返しになりますが、どんな情報が欲しいのか?は、言わなければ伝わりません。
ITベンダーやシステム担当者は、推測はしてくれるかもしれませんが、経営者からしっかり伝えることが大切です。
しっかり伝えるには、システム企画の段階から、ガッツリと経営者が関与することが大切です。
逆に現場からも、ちゃんと経営者に理解しておいて欲しいことは、具体的に伝えたいですね。
- 従業員が「経営視点」を持てないのは、経営者が具体的に伝えていないから
- 会社の中核に位置するシステムにおいては、経営者は欲しい情報を明確に伝えるべき
- 逆に現場からも知って欲しいことは主張する
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【編集後記】
昨日は久々にプログラミングのコミュニティに行ってきました。
しばらくコード書いてない。。せっかく学んだから、やらねば。。
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