IT・システム全般

今年、IT関係で動きをウォッチしておきたいところ

中小企業におけるIT活用に関して、動きをウォッチしておきたいところがあります。
この記事では、私が今年、特に注目している点をご紹介します。

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ノンコード(ローコード)開発環境は浸透するか?

1番注目しているのは、ノンコード開発環境が浸透するか?です。
ノンコード開発環境とは、プログラミングせずに、ドラッグ&ドロップなどで、自分たちが使いたいツールをつくれるものを言います。

例えば、サイボウズのkintoneの場合、このような画面で左側から右側に必要なパーツをドラッグ&ドロップすることで、使いたい画面を利用者自身がつくれます。この例では、顧客管理をする画面をつくっているイメージです。

サイボウズのkintone、マイクロソフトのPowerAppsなど、使いやすそうなツールが次々と出てきています。kintoneは歴史も長くなってきたので、大企業の部門への導入などは、凄まじい勢いで進んでいます。(毎日400社が新たに導入しているそうです)

私自身、お客様にジャストフィットするITツールがなく、ゼロから組み立てた方が良いと感じた場合には、kintoneをお勧めしています。昨年、1件導入しましたし、現在も2件、新たに提案をしている最中です。

ツール自体は、かなり簡単&便利になってきました
しかし、日頃からITツールに接している人以外は、これらの便利ツールの存在自体を知りません。仮に知ったとしても、どうやって必要なデータ項目を洗い出すか?は、自社だけではできないことが多いです。

例えば、上記のkintoneの図で顧客情報に「顧客ランク」を入れる必要があるかどうか?
それはビジネスの形態によっても変わりますので、私はヒアリングをした上で、判断するようにしています。

今年、ノンコード(あるいはローコード、ちょっとだけコードを書く)環境が浸透するか?は中小企業の生産性に大きく関わってくるだろうと考えています。

RPAは使われ続けるのか?

昨年、盛り上がりを見せたRPAですが・・
私の周りを見る限り、実際のところ、まだまだ多くの企業は使っていません。
しかし、Googleトレンドを見る限り、少しずつ検索件数は減ってきているようです。

私の感覚としても、以前ほどはネット上でニュースなども見なくなってきました。
ある程度、話題になる時期を越えて、本当に活用されるかどうかが判断される時期になってきたのでしょう。

RPAに限らず、IT系のツールや技術には、一度盛り上がった後に下火になる期間があります。その下火になる期間(幻滅期)を乗り越えたものが、本当に世の中に浸透していきます。

経営者やCIOのための「ハイプサイクル」の読み方経営者は世の中の大きな動きを捉える必要があります。IT(情報技術)の動きを知るのに良い材料の1つが、ガートナー社がリリースしているハイプサイクルです。ハイプサイクルはひと目で各技術の状態を把握することができる便利な情報源です。一方、活用するには注意点もあります。...

ここから、RPAが本当に中小企業に役立つのか?が問われます
と同時に、RPAは何でもできるのではなく、あくまでも補助ツールであることを、利用者は理解しなければなりません。

まずは自社のツール環境を整える。
その上で、どうしても穴が空いてしまうところなどを、RPAで補足するイメージです。

クラウドへの移行が進むか?

3つ目はクラウドへの移行が進むか?です。

中小企業の現場を拝見すると、まだまだパソコンにインストールされたパッケージソフトが動いているのを良く見かけます。

エクセルやワードなどのOffice製品もクラウド(Office365)ではなく、パッケージ版。

Microsoft Officeは永続ライセンスよりもクラウド(Office365)を使いましょうマイクロソフトオフィスは買い切り型(パッケージ製品)よりも、クラウド型を圧倒的にお勧めします。一時的な大きなコストを防ぐことができる、継続的に機能アップする、スマホやタブレットでも利用できると良いことばかりだからです。...

会計ソフトもクラウド会計ではなくて、パソコンにインストールされたもの。

ただ、私はいい加減、クラウドに移行すべきタイミングだと考えています。
中小企業のIT環境は、クラウドを最優先すべきだからです。

中小企業が選ぶべきITツールは、まずクラウド中小企業におけるITツールの選択肢は、クラウド一択です。自社で購入・運用するオンプレミスには、ほぼデメリットしかありません。この記事では価格の差や得られるものの本質的な違いをご紹介しつつ、クラウドだけで得られるメリットについても解説しました。ITツールを選ぶ方、中小企業経営者は要確認です。...
  • ソフトをいつでも・どこでも使える環境にするためにも
  • 災害発生時にデータを保全し、BCP(事業継続計画)を実現するためにも
  • コストの平準化をさせるためにも

とにかくクラウドの方が都合が良いのです。
これらの事実を知ってもらい、今年こそクラウドへの移行を進めたいものです。

Windows 10への移行が進むか?

マイクロソフトによるWindows 7のサポートは、2020年1月14日で終わりました。セキュリティ上の脆弱性やバグが見つかったとしても、セキュリティ更新プログラムは提供されなくなりました。

「うちみたいな小さな会社のセキュリティなんて、誰も狙わないでしょう」

と言われることがありますが、そんなことはありません。
その会社の知名度が低くても、狙うべき財産がなかったとしても、他者を攻撃するための土台として使われてしまいます。

被害者になりながら、同時に(かつ知らずして)加害者になってしまう。
それが情報セキュリティに怖いところです。
もしWindows 7が残っていたら、さっさとWindows 10に変えましょう。

製造業など、「製造装置に組み込まれているのでOSを変えられない」という嘆きを聴くことがあります。この場合、製造装置のメーカーがしっかりしていれば、Windows 10への移行を以前から案内してきているはずです。

逆に言うと、既にマイクロソフトのサポートが切れているにも関わらず、何の対応もしていない場合、その製造装置のメーカーは控えめに言ってマズいでしょう。

この辺りの状況をウォッチしつつ、私はGAS(Google Apps Script)などのプログラミング学習を続けていきます。

まとめ
  • ローコード開発環境が浸透するか?
  • RPAブームはどうなるか?
  • クラウドへの真の移行が進むか?
  • Windows 10への移行は大丈夫か?
私が活用しているITの情報源(Web、雑誌、その他)変化の激しいITのことを把握するには、情報収集が避けられません。この記事では私が実際に利用している情報源を、Web・雑誌・その他の3分野から、それぞれご紹介します。ビジネスでITをもっと活用したいとお考えの方は、要チェックです。...

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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