新型コロナウイルスに注目が集まっています。
近年、台風・洪水・地震など、ますます経営者を悩ませるリスクが増しているように感じます。
事業の継続は、経営者の最重要ミッションの1つ。
この記事では、事業継続計画(BCP)とは何か?
BCPを策定する上でのポイントと、情報システム(IT)との関係性について、ご紹介します。
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事業継続計画(BCP)とは?
一言で言えば、「緊急事態への備え」です。
台風、洪水、地震、ウイルスなど、経営者を悩ませるリスクは多様化しています。
全てのリスクを想定することは不可能ですので、「何を守りたいか?」「どうあるべきか?」という視点から、中小企業庁は「BCP取組状況チェック(現行の入門診断)」を発表しています。(こちら)
見た目が古く感じるページですが、コンテンツは更新されているようです。
全部で20個のチェックがあり、現状の取組状況をチェックすることができます。
ご興味のある方は、中小企業庁のサイトにてご確認いただければ。
チェック項目20個は、以下の5つに分けられます。
- 人的資源
- 物的資源(モノ)
- 物的資源(金)
- 物的資源(情報)
- 体制等
例えば人的資源の2つ目、
災害が勤務時間中に起こった場合、勤務時間外に起こった場合、あなたの会社は従業員と連絡を取り合うことができますか?
というチェック項目があります。
このように、情報システム(IT)は「物的資源(情報)」だけでなく、ほぼ全ての項目に関係してきます。事業継続計画(BCP)を策定し、実際に運用するためには、情報システム担当者(IT担当者)が深く関わる必要があるのです。
物理的制約が事業継続性を奪う
さて、話は少し変わりまして。
災害などのリスクを考えた場合には、物理的な制約が、事業継続する上での障害になります。
東日本大震災のとき、私が勤めていた会社の本社は東京にありました。
そのビルは大きく揺れはしたものの、他のビルのように、特に被害は受けないはずでした。
しかし、ビルの上位階にあったスポーツジムの配管が破損し、まさかの水害。
そこから数日間、ビルが完全に停電になってしまったのでした。
また当時、住民台帳を紙で保管していた自治体は、過去データを失ったことが報道されました。あれだけの大津波がやってきたら、物理的に保管されていた紙など、守る術がありません。
台風が来たとき、電車に乗って会社に行かなければならないという物理的制約も、事業継続のリスクとなります。家に居たままで働くことができれば、スムーズに事業が続けられるのです。
このように物理的な制約は、事業継続性の障害になります。
また、既にお気づきかと思いますが、この制約を取り払うことは、そのまま働き方改革にも直結しています。
事業継続のリスクに対応できる組織にするためにも、
多様な従業員の働き方を推進して、しなやかな組織になるためにも、
「物理的な制約を減らしていく」ことは、経営者の重要な仕事です。
チェックリストにて、できていない部分に取り組む
多様なリスクに対応するためには、まずこのチェックリストで自社の状況を確認してみます。その中で出来ていなかった項目に対して、どこから手を付けるのかを検討します。
この記事では詳細には触れませんが、その際に検討すべき項目は以下の通りです。
- リスクが発生した際(例:洪水が発生した)に、自社が受けるインパクト
- そのリスクが発生しそうな頻度
インパクトが大きいもの、頻度が高いものについては、早急に対応する必要があります。
具体的な対応方法を検討するときに、情報システム担当者(IT担当者)の意見を聴くと良いでしょう。
例えば、物的資源(情報)の3つ目に、以下のようなチェック項目があります。
主要顧客や各種公共機関の連絡先リストを作成する等、緊急時に情報を発信・収集する手段を準備していますか?
日頃から、いつでもどこでも利用できるように連絡先リストを運用するためには、どうすれば良いでしょうか?物理的な制約から解放されるためには、紙でリストをつくるなど、もってのほかです。
自社の他ITツールと組み合わせて、どのように連絡先リストを運用するのが良いか?は、情報システム担当者(IT担当者)の出番です。
- 事業継続計画(BCP)策定には、情報システム担当者(IT担当者)が深く関わる
- 中小企業庁のBCP取組状況チェックリストで、自社の状況を確認する
- 物理的な制約を取り払うことが、BCPにも働き方改革にも重要
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【編集後記】
トレッドミルで8kmほど走ってみました。
まだ腰が本調子ではなく、本格的なトレーニングをするには厳しい状況です。
しばらくはスイム・バイクを中心に、たまにランニングを組み込む程度にしようと思います。
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