IT・システム企画

自社で必要なときに必要なシステムを使えるように

小さな会社では、自分達で必要なときに必要なITツール(システム)を使えるようにした方が良いと考えています。この記事では、その理由とメリットをご紹介します。

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進む内製化、自分達でつくり上げるメリット

ITを上手く活用している組織は、あまりITベンダーに依存していません。
自分達でITツール(システム)を設定して、自分達で使い込んでいます。

「うちの会社には、そんなスキルはない」と言われることも多いのですが、誤解です。
実際にツールを見ていただくと「これなら私たちにも使えそう」と言われることも多いです。

具体的には、分かりやすさ抜群なのは「kintone」です
ツールとして使いやすいだけでなく、始めるまでのガイドや案内も分かりやすいです。

(もちろん、メールやカレンダーを使える程度のITスキルは必要ですが・・)

似たようなツールとしてマイクロソフトの PowerApps や、グーグルの AppSheet、その他にも出てきています。

しかし、ITに詳しくない現場で使い始めること、最終的には全社で使うことを考えると、私は現時点では kintone をお勧めしています

現場でkintoneアプリをつくってみよう(動画で紹介)kintone アプリは簡単につくれるので、ITの内製化にピッタリのツールです。実際につくるところを動画でご紹介します。実業務に使うにはマスタデータの考え方は身に着けておきたいですが、多少の手戻りは許容して、学びながら利用していくと良いでしょう。 ...

その他にも、グループウェア(Microsoft 365 や Google G Suite)、特定用途のツール(POSレジや CRM など)も、ITベンダーに依存せずに自分達で使いこなしているお客様が増えています。

ITベンダーに設計・導入などを依存せず、自分達で行うメリットは以下の通りです。

本当に欲しいものが出来上がる

「ITベンダーに欲しいものを伝えたのに、出来上がったシステムはイメージと違った。」
「なんか使いにくい」

こういう理由から、組織にシステムが浸透しなかった。
という例は枚挙に暇がありません。

ITベンダーはITツール・システムのプロではありますが、その会社・業界のプロではありません。伝言ゲームが発生する以上、どうしても認識の差異が出てしまいます。

また検討する間に欲しいものが時々刻々と変わっていく問題もあります。
昨日まではA案が良かったけど、よくよく考えたらB案の方が良かった、ということもあります。
しかし外部に依頼していると、要求できる期限があるので、後の祭りになってしまいます。

この問題が生まれないようにするためには、自分達が欲しいものを、自分達でつくるしかないのです。

お金が掛からない

ITベンダーに丸投げすると、当然、それなりのお金が掛かります。
エンジニアが1ヶ月掛かってつくり上げるシステムを要求すると、それだけで安く見ても100万円は超えてしまいます。

スモールビジネスには、IT投資できるお金がいつでも潤沢にあるわけではありません。
使っていて「もう少しここを変えたい」ということが出てきても、お金が掛かると「我慢して使う」ようなことが起きてしまいがちです。

自分達で設計も修正できれば、キャッシュアウトしません。

スピードが上がる

もう1つは、圧倒的にスピードが上がることです。
「ここを変えたい」と思ってから変更が終わるまでに数分~数時間ということもあります。

外部のITベンダーに依頼していたら、早くても数日は掛かるでしょう。
このように組織(業務プロセス)を圧倒的なスピードで変えていくことができるようになります。

これは、元々スモールビジネスが持っている強みです。
大企業が真似できないようなスピード感。
それをさらに加速させるのが、IT内製化です。

ITスキルが上がる

最初は簡単なツールしか扱えなくても、使っているうちにスキルが上がっていきます。
次第に、多少難易度の高いツールであっても、自分達で扱えるようになります。

そうやって自分達で触れるITツール・システムが増えるほどに、上述のメリットをますます享受できるようになるのです。

IT業界以外は、ITスキルが高い会社は稀なので、それだけで一歩抜き出ることができます。

必要に応じて、ITベンダーを活用

ここまで内製化(自分達で設定して利用する)のメリットをご紹介してきました。
ただ、ときには専門家の知恵を頼りたいときもあるでしょう。
餅は餅屋です。

自分達だけで調べて時間を浪費するくらいなら、上手く活用した方が良いでしょう。
質問できる場所を確保しておくのは、内製化に躓かないための1つのポイントだと考えています。

日頃から自分達で設定し利用していれば、ITベンダーへの質問も的確にできます。
おんぶにだっこの企業だと、フワッとした曖昧な質問しかできません。
的確な質問をできる、すなわちスキルがあることが相手にも伝わるので、相手も真剣に対応してくれます。

全社に関わるシステム設計など、やはりプロでないと設計しにくいことはあります。
そのようなときは、これまでのITスキルを活かしつつ、プロを頼りましょう。

自ら業務改善できる組織への変化

このようにITツール・システムを自分達で使いこなせるようになると、「自ら業務改善できる組織」へと変わっていくことができます。

これはITツール・システムを使いこなすことよりも、より重要なことです。
変化を恐れなくなりますので、社会の変化に応じて、変われる組織になっていきます。

IT導入・活用で得られるのは「変革し続ける組織」ITの導入・活用を通じて得られる本質は、変化し続ける組織力です。技術力よりも、リーダーシップ(組織力)が収益にも影響してきます。慣れないIT活用は、最初は苦労しますが、乗り越えると楽しいイベントに変わります。それが組織が変わった瞬間です。...

スモールビジネスほど、ITを内製化していくことを強くお勧めしています。
1人に任せっぱなしにせず、組織全体でITを活用していきましょう。

IT担当を1人に押し付けない。「ぶどうパン型組織」でITを活用するIT活用できている組織には共通点があります。1. 経営者自身がIT企画人材と機能している(勉強している) 2. 各部門にIT担当者が居て、質問やフォローをしやすい環境が整っている 3. 「ITは本業じゃないから」と、誰かひとりにIT業務を押し付けていない。...
まとめ
  • スモールビジネスでは自分達でITツールを活用し、育てていくのが良い
  • 欲しいものが得られる、お金が掛からない、スピードが上がる、ITスキルが上がる
  • 必要に応じてプロを頼る

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【編集後記】
最近、バイク練習が多かったためか、ランニングすると身体へのダメージを強く感じます。
翌日しっかり筋肉痛です。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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