私がITの導入・活用を推進している理由は、このまま出遅れると多くの会社が潰れかねないからです。老舗の業界ほど、その危機感が薄いように感じています。
単に目の前の業務を効率化するという話だけではなく、産業の存続そのものが掛かっているのです。
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アメリカではECが小売業を破壊しつつある
「インターネットでモノなんか売れるわけがない」と言われてから、どれだけの時間が経ったでしょうか。EC(E-Commerce)の市場規模は年々成長して、既存の業界を破壊しつつあります。
日本におけるEC市場規模は、2010年度の約7.8兆円に対し、2017年は約18兆円。日本にとっては数少ない成長市場の1つです。我が家も書籍をはじめに、業務用品・食料品・生活必需品など、日常的にECのお世話になっています。
ちなみに、EC化がもっと進んでいるのが中国やアメリカです。アメリカではECの代表と言えるAmazonの小売業部門における売上は、約350億ドル増加しています。
これは既存の小売業7,700店舗分に相当するそうですが、実際にアメリカでは小売店舗の閉鎖が続いています。試算によると、2019年には4,300店舗が閉鎖。2026年までには7万5,000店舗が閉鎖されるようです。
既にECが実店舗を破壊していると言って良いでしょう。日本は現時点ではEC化が遅れていますが、よりEC化率が高まると、このような現象が起こり得るのです。
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デジタルがリアルを飲み込み、一体化しつつある
私たちが認識すべきは、既にデジタルがリアルを飲み込み、一体化しつつあることです。
日頃、中小企業の経営者と接していると「ITは苦手、分からない」という方が多いです
- パソコンやスマホの操作が分からない
- 社内システムのことが良く分からない
単にこのようなことでITが分からないと言われているのです。これらも身につけた方が良いのは確かですが、経営者はもっと大局的に・構造的に世界を捉える必要があります。
大事なことなので繰り返しますが、既にデジタル世界(サイバー世界)は大きく成長し、リアル世界(現実世界)を飲み込もうとしています。これによって産業構造や社会のあり方が大きく変わっていくのです。
前回の記事でご紹介したCPS(Cyber Physical System)を思い出してみましょう。
この世の中は既に現実世界とサイバー世界とで成り立っています。
現実世界で収集されたデータが、サイバー世界に蓄積・解析されます。何らかの活用をした上で、現実世界にフィードバックされる。これがCPSの概念であり、IoTが実現することです。
インターネットの登場直後、サイバー世界はまだまだ小さいものでした。
しかし、今やサイバー世界は大きく成長し、現実世界はその一部と化しました。
発展途上国を含めて、モバイルインターネットが世界中を網羅しています。インターネットにつながらないところが、ほぼなくなった。私たちは常にスマホを持ち歩き、Googleで検索をし、ECで買い物をし、日常の行動はサイバー世界にデータ化されています。
それによってサイバー世界は日々大きくなっているのです。この成長は、今のところ留まることを知りません。
サイバー空間における活動
現時点でサイバー空間におけるリアリティの感じ方は、人それぞれでしょう。
私は個人的に、サイバー空間なしの生活は考えられなくなりました。2010年頃から始めたTwitterやFacebook(SNS)にて、会わずともコミュニケーションが取れるようになりました。当時、勉強仲間とSNSで励まし合ったからこそ、中小企業診断士の試験を突破することができました。
今ではお客様とWebでミーティングを行い、ECで買い物をして、日々のトレーニングデータをネットで管理しています。何より、このブログもネット上にあるものです。私にとっては2010年頃が、サイバー空間がリアルを飲み込んだ年になりました。
他には、引きこもりの子どもが居たとします。学校には友達がいない。先生も理解してくれない。でも、家でネットをすると、その向こうには自分のマイナーな趣味に深く共感してくれる友達がいる。だから学校に行くよりも、家に引きこもった方が楽しいのだ。そんな子どもにとっては、サイバー空間の方が、よりリアリティが高く、満足度が高いのではないでしょうか。
極端な例ですが、良い悪いではなく、そういう現実が既に存在しているということです。サイバー空間(ネット)は、既に「現実としてあるもの」です。
特にITやデジタルが苦手という経営者にお伝えしたいのは、ネット・ITなどのデジタルは、従来のアナログと敵対するものではなく、融合していくものだということです。
誰がどう言おうとも、既にサイバー空間は成長し続けているのですから、その現実から目を背けることなく、上手く活用していくようにしていきたいですね。
- ECが小売業を飲み込んでいるように、サイバー世界は成長し続けている
- そしてサイバー世界は、現実世界も飲み込んでいる
- サイバー(デジタル)と現実(アナログ)は敵対するものではなく、融合していくもの
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