IT・システム全般

自律化を実現させるIoTとAI

前回はインダストリー4.0(第4次産業革命)が目指すものが「自律化」であることをお伝えしました。では、どうやって「自律化」は実現されるのでしょうか?

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自律化を支えるIoTとCPS

自律化は「機械自身が最適な答えを導き出し、上手く動いてくれること」です。

いちいち人間が指示を出すことなく、自動車が最適なルートで安全に運転をしてくれるようになる。1台の車にとっての最適化ではなく、街全体で交通渋滞が起こらぬよう、全体最適を目指します。

それは車だけの話ではなく、エネルギーも物流も、必要なときに必要なモノやサービスを、必要なだけ提供できる状態です。

この夢のような社会を実現させるには、あらゆる情報がデータ化されていなければなりません。車の動き、残りの電池(エネルギー)、信号の状態、交通情報、人の流れ、天気…etc、

  1. ありとあらゆる情報が集約される
  2. それらの大量のデータが解析される
  3. 解析した結果、最適な行動が導きだされる

この1~3が大量に、高頻度で行われることで、街全体が最適化されていくのです。

で、この1~3を実現するのが、いわゆるIoT(Internet of Things:アイオーティ)です。「モノのインターネット」を訳されるIoTですが、モノがインターネットにつながることで、以下のようなことを実現しています。

  1. センサー等を利用して、現実世界からデータを収集(現実世界→サイバー世界)
  2. 人工知能(AI)を利用して、大量のデータを解析(サイバー世界)
  3. 導きだされた結果を現実世界にフィードバック(サイバー世界→現実世界)

このように物理的なモノが存在する「現実世界」と、コンピュータネットワーク上に存在する「サイバー世界」との間をデータがグルグルと行き来していることがポイントです。

このような現実世界とサイバー世界が密接に結合されたシステムのことをCPS(Cyber Physical System:サイバーフィジカルシステム)と言います。用語が多くて覚えきれないと感じるかもしれませんが、「そんなものだ」くらいに理解いただければ十分です。

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大量データを解析する人工知能(AI)

また、ここまでお読みの方はお気づきかもしれませんが、上記2で大量のデータを解析するのに使われるのが人工知能(AI)です。大量のデータを都度、人間が解析することはできません。人手を介するほど、時間的なゆとりはありません。

例えば、2017年時点で、世界中では60秒(1分)ごとに、以下のようなデータがやり取りされています。(こちらのサイトより)

  • 1億5千万通のメール
  • 380万回以上の検索(Google)
  • 65,000枚の写真がアップロード(Instagram)
  • 243,000枚の写真がアップロード(Facebook)
  • 400時間の動画がアップロード(Youtube)
  • 700,000時間の動画が閲覧(Youtube)
  • 200万分(約3.8年)の通話(Skype)

これらは公開されているデータの一部に過ぎません。個々の企業においては、買い物をすればPOSに、Webを閲覧すればWeb解析ツールに、データが蓄積されています。

さらに追加して、今後はモノ(センサー)から集められた膨大なデータを集約した上で、解析することが求められるのです。人間がどうこうできる量ではありません。だから人工知能(AI)が必要になっていくのです。

人工知能(AI)が注目されているのは、このように自律化を目指す社会の重要な役割を期待されているからです。

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M2MとIoTは何が異なるのか?

製造業の方の場合、「昔から機械はネットワークにつながってるよ。M2Mって言うんだろ?」と仰ることがあります。M2Mをご存知なら、IoTへの理解もスムーズなはずです。

ここまでの話を読んでお分かりのように、IoTは自社の工場だけとか、限られた範囲・特殊な用途だけで使われるものではありません。メーカーから利用者まで、つまりサプライチェーン全体を対象としているものです。

インダストリー4.0を提唱したドイツが目指しているのは「スマートファクトリー」と呼ばれる「つながる工場」です。上流から下流まで、在庫や生産状況を見て、国全体が最適化された大きな1つの工場になることを目指しています

M2Mは特殊な用途、限られた範囲で利用されていましたが、この考え方を街全体・国全体に広げていくのがIoTと言えるでしょう。

幅広く利用するため、センサー等は汎用品でサイズは小さくなり、高性能のものが出てきました。これはスマートフォンが世界に与えたインパクトの結果です。

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つながるネットワークも社内に閉じたものではなく、オープンなインターネットです。データを収集し、解析するサイバー世界を支えるプラットフォームも汎用的なクラウドです。

このように自律化を実現させる土台にIoTがあり、そのデータ分析部分を担うのがAIです。これら2つのキーワードは、切っても切り離せない関係にあります。

まとめ
  • 社会の自律化を実現させる土台となるのがIoT
  • 現実世界とサイバー世界が密接に結合されたシステムがCPS
  • データ分析を担うのがAI

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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