IT・システム全般

中小企業の情報システム(IT)担当者は、情報収集が大変

情報システムに関わる仕事の連載中です。
理解するのに、ちょっと大変な記事が続いたので、今日は軽めのネタです。

  1. こんなに多い!情報システム担当者(IT)の仕事
  2. 情報システムの企画に伴う担当者の苦労(ITインフラとの違い)
  3. 情報システム担当者(IT担当者)と業務プロセスの深い関係

やや文章は長いですが、気楽に読んでいただければ。

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突然ですが、中小企業の情報システム(IT)担当者には、大企業には無い苦労があります。それは新しい情報を得るための苦労です。

大企業と比べると、中小企業の方が、情報を得るために様々な努力をしなければならないのが実態です。大企業の情報システム部門と比較して、どんな違いがあるのか?を見ていきましょう。

大企業は、黙っていても情報が届く

1つ目。大企業には、何もしなくても勝手に情報が届きます

新しい商品が出れば、その説明をするためにITベンダーから人がやってきます。
自社のライセンスや保守が切れるタイミングが来ると、ITベンダーが事前に促してくれます。

中小企業の場合は、新商品の情報が欲しければ、自分でセミナーに参加する。
あるいはITベンダーに依頼して、説明しに来てもらう手配しなければなりません。
そのような手間を大企業は、ほとんどかけていません。

この大企業への対応は、手取り足取りと言って良いでしょう。

理由は言うまでもなく、巨大な予算を持っているからです。
私が今、支援している大企業のプロジェクトも、予算は数10億円規模です。
日頃、中小企業で数万~数100万円に多く関わっていると、目玉が飛び出そう・・

つまりITベンダーから見ると、大企業は超大事なお客様。
今、付き合いのあるベンダーは、自分の領土を他社に奪われないように、必死でお客様を囲い込もうとします。

それが結果として、手取り足取りにつながっています。

大企業にはエース級の担当が付く

2つ目の理由は、大企業にはITベンダーのエース級の担当が付きます。
ちなみに、大まかには以下のような構成になっていることが多いです。

  • 大企業:エース級の専任営業が付く。エースが各部門に指示を出して最適な体制を組む
  • 準大企業:1人の営業が数社を担当する
  • 中堅企業:自社ではなく、販売店・代理店に営業を任せる
  • 小規模事業者:販売店・代理店が定期訪問する宛先からも外れる

理由はやはり、持っている予算の違いです。

ITベンダーからすれば、これが最適な体制なのでしょうが、スモールビジネスの現場にいる者としては、非常に厳しい状況であると言わざるを得ません

大企業の情報システム部門にはエース級の営業が付きます。
昨今、大手ITベンダーは何かとダメになってきている話が多いですが、それでもエース級ともなれば、さすがです。

お客様が欲しいと思っている情報は言うまでもなく、お客様自身が気づいていなくとも必要な情報は、キッチリ届けに来ます。メリット・デメリットを説明し、何なら役員に上申するための資料づくりまでフォローしてくれます。

手取り足取り、懇切丁寧。

さらに。業界で有名な方が登壇するセミナーや、エグゼクティブでなければ参加できないセミナー・イベントなどへのご招待も。海外ベンダーの場合は、現地で行われるイベントへのご招待などもあります。

2012年に出張させてもらったラスベガスで、ITトレンドを学ぶ。
(ご招待じゃなくて、会社のお金で行ったやつですが・・笑)

こうして大企業の情報システム部門は、自然と新しい情報を得ていくのです。

大企業の情シスは専業で、細かく担当が分かれている

さらに情報を受け取る側の大企業の体制について。
大企業のシステムは、スモールビジネスのそれと比べると、とんでもなく巨大で複雑です。

そのため、技術領域ごとに担当が分かれていることが多いです。
つまり、情報の受け手も専門家ですから、深い情報を次々と仕入れることができます。

システム担当が1人しかいない、しかも兼任だったりする中小企業とは、この辺りも大きく異なってきます。

速さと軽さで勝負できる

ここまでお読みになって、「大企業は恵まれている」と不貞腐れた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、スモールビジネスが大企業に勝てる点があります

既存システムにとらわれない軽さ

大企業は既存のシステムが巨大で、新しい仕組みに移行するだけでも、年単位の時間が掛かります。過去からの情報資産(負債もありますが)が大きすぎるからです。都市銀行がシステムの入れ替えをするとニュースになりますが、何年もかけて、ようやく一歩進みます。

一方、スモールビジネスにおいては、そんなに情報資産が大きくありません。
そのため、大企業と比べると、新しい仕組みを導入するのが容易です。
結果として、活用効果を素早く得ることができるのです。

意思決定の速さ

そのような軽さが武器となるので、意思決定も素早く行うことができます。
大企業では稟議を通すだけで月・年単位の時間が掛かることもしばしば。

しかし中小企業は、社長の即断即決で決まることも多いもの。
その素早さも武器になります。

ただ、素早い意思決定という強みを活かすには、経営層のITへの理解が欠かせません
せっかくの強みを活かすためにも、経営者は真剣にITを学びましょう。

まとめ
  • 大企業は自然に最新情報などが入ってくる
  • 一方、中小企業は担当者が自分で情報を獲得しなければならない
  • 情報資産の軽さと意思決定の素早さがスモールビジネスの武器
  • 素早く意思決定するためにも、経営者のIT理解は必須

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【編集後記】
昨日は、某所で研修講師になるためのトレーニングを受けてきました。
今日も、あるセミナーを受けに行ってきます。
昨年末はアウトプット中心の生活だったので、意図的にインプットを増やしています。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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