CRM(顧客・案件管理)

CRM導入・活用のメリット(詳細編)

前回は、CRM(顧客関係管理)で得られるメリットの概要をお伝えしました。

CRM(顧客関係管理)を導入する目的・メリットとは?CRM(顧客関係管理)を導入することで得られるメリットは何でしょうか?ツールだけ導入して、失敗する企業が後を絶たないので、原点に立ち戻り...
CRMで得られるメリット
  1. 経営手法を現代版にアップデートすること
  2. それにより優良顧客が増えて、売上・利益を最大化すること
  3. 個人スキルではなく、仕組みで売れる組織をつくるこ

今回は、これら3つのメリットが得られる理由を掘り下げて見ていきます。

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それぞれが複雑に関係していますが、次々と見ていきましょう。数多く挙げたので、興味があるところだけ拾って下さい。

売上・利益に関すること

売上・利益が最大化される

CRMを活用すると売上が最大化されます。自社に売上・利益をもたらしてくれる優良顧客との関係を深めることができるからです。逆に、手間やコストばかり掛かって利益にならない顧客への対応を減らすことも、やろうと思えば可能です。それによって、自社の利益が最大化されるようになります。

LTV(顧客生涯価値:Life Time Value)が最大化される

LTVとは、その顧客1社(1人)から生涯合計でどれくらいの価値がもたらされるか、を表しています。1回購入して、すぐに流出してしまう顧客のLTVは低く、長期間に渡って購入・利用してくれる顧客のLTVは高くなります。

CRMは、既存顧客を優良顧客に変えることで、LTVを最大化してくれる手法であるとも言えます。後述しますが、顧客の識別ができるようになるので、どの顧客とコミュニケーションをすれば良いか?がデータを元に判断できるからです。

個々の顧客のLTVが最大化されることで、結果として売上・利益も最大化されます。

顧客に関すること

顧客の識別

顧客が識別できるようになります。中小企業の多くはリソースが限られています。全ての顧客に平等に対応していたら、時間がいくらあっても足りません。そこで優先順位をつける必要がありますが、CRMはそれを明確にしてくれます。例えば、過去の売上累積や、直近の取引日などから、優良顧客を割り出してくれるからです。

優良顧客との関係が長く続く

市場は既にモノ・サービスが飽和していて、顧客は離れていきやすい環境にあります。さらに人口・会社数ともに減っていることから、新規顧客の獲得は、ますます難しい社会になってきました。

そんな背景もあり、近年、リテンションマーケティングという言葉が注目されています。要するに既存顧客を大事にしましょう、ということです。これは正にCRMの発想で、こちらの記事でも主張していることです。

集客の悩みの真の原因は・・新規顧客の獲得ではない前回、「売上を上げろ!」という指示は、何も言ってないのに等しいことをお伝えしました。ちゃんと現状把握をして、それに伴って売上を上げるため...

顧客を識別した上で、より関係を構築できそうな顧客を優先的に対応していくことで、優良顧客との関係を長く続けることができます。LTVが最大化されるのも、同じ理由です。

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業務プロセス・生産性向上・スキルアップに関すること

業務プロセスが見える化される

製造業における製造プロセス、IT企業における開発プロセスは、きちんとマネジメントされていることが多いです。(それでも後者は良くトラブルが発生していますが・・)

しかし、マーケティング・営業・サービス提供・アフターフォローなどの業務プロセスが定義されている会社は非常に少ないものです。(大企業であったとしても)

  • どのようなチャネル(手法)で見込み客を獲得するのか?
  • それぞれのチャネルにおける投資対効果は?
  • どうやって見込み客からの商談を進めていくか?
  • サービス提供後はどのようなフォローを行うか?

CRMを導入していく過程では、このような課題を整理して、自社にとって最も有効な業務プロセスを構築していくことになります。

活動が見える化される

経営者の悩みの1つは「現場の状況が見えない」ことではないでしょうか。営業担当に聴いても、日報や週報を提出してもらっても、なかなか欲しい情報が見えてこない。しつこく聴くのはストレスになるし、聴かれる側も時間や手間が掛かってしまいます。

業務プロセスが組織として定義されれば、それぞれの商談がどのような状態になるのか?が一目瞭然になります。経営者がよく見る情報をまとめておけば、営業担当が情報を入力すると、自動でレポートが出力されるようになります。無駄な日報やミーティングなどを減らすことができますね。

Zoho CRMのホームページより

また経営者だけでなく、個々人が入力したデータは社内で共有できます。今まで情報共有が進まなかった組織も、CRM活用をキッカケとして、情報共有が進みます。

従業員の自立・セルフマネジメントが促される

業務プロセスが決まるということは、Aが終わったらB、そしてCというように判断することができます。つまり経験の浅い従業員にとっても、やるべきことが明確になるのです。「何でも上司・先輩に聞かなければ分からない」状態から脱却することができます。

業務プロセスは組織の共通言語として理解した上で、個別の商談ごとに発生する「顧客が本当に望んでいる提案」に、限られたリソースを集中できるのです。

ただでさえリソースが限られた中小企業においては、従業員が成長しやすい環境を整えられることのインパクトは大きいですね。

タスクの自動化

CRMツールを利用すると、単純なタスクは自動化することができます。例えば、サービスを利用した3日後に「先日のサービスはいかがでしたか?」というフォローのメールを送信することなどです。それによって、以下のようなメリットが得られます。

  • 業務の抜け漏れがなくなる
  • 担当者の手間が減る
  • サービス品質が安定する
  • 顧客満足度が向上する

顧客データに誕生日を設定しておけば、顧客の誕生日に自動でメールを送信することなども良いかもしれませんね。

このようにCRMを導入・活用することで得られるメリットは多岐にわたります。

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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