スモールビジネスにおいては、市場規模を確認する頻度は、そう高くありません。
大企業のように予算をかけてリサーチするのも非現実的です。
この記事では、どんなときに市場規模調査が必要になるのか?
その際、どうやって市場規模を調査するのか?をご紹介します。
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Contents
市場規模データが必要になるとき
日頃は市場規模データは使わない
いきなりですが、私はスモールビジネスにおいて、市場規模データは滅多に使いません。
スモールビジネスは基本的にニッチな市場を狙っています。
例えば、近隣の顧客から贔屓(ひいき)にしてもらえば十分なパン屋さんなどです。
また、その道の専門家にしか必要とされないB to Bの商品・サービスも同様です。
逆に言うと、十分にニッチ(尖りまくった)存在になりさえすれば、十分にビジネスは回ります。
そのため、私は普段は、市場規模データをあまり使わないのです。
とは言え、市場規模が必要になることもあります。
他者に事業計画を説明するとき
1つ目は事業計画を他者に説明するときです。
- 融資
- 補助金・助成金
- 経営革新計画
など、他者に事業計画を理解してもらわなければなりません。
新商品の企画や、新店舗を出すとき
2つ目は、新商品をつくるときや、新しい店舗を出店するときです。
実際には1つ目と関連するでしょう。
新商品をつくるために融資を受けたり、新店舗を出すために補助金を活用したりするでしょうから。
市場規模の調べ方
では、実際にどうやって市場規模を調べる方法についてです。
大企業のマーケティング部門とかはマーケットデータを購入していますが、スモールビジネスでそこまでやる必要はありません。(高くて買えないですし。。)
検索で調べる方法
ぶっちゃけ「市場規模 〇〇」で検索すれば十分です。
専門書を調べるために図書館などに行く方法もありますが、そこまでしなくとも調査できる場合がほとんどです。(ただし、日本市場データのみ)
先日、お客様のためにスポーツクラブの市場規模を調べました。
広告を除いて、上から3つの記事を見れば十分でした。
この3つの記事から、以下のことが分かりました。
- しばらくは4,000億円規模で推移してきた
- 2013年頃から拡大傾向になり、2018年には4,700億円を超えている
- 施設数はさらに大きな勢いで増えている
ここまで分かれば、市場規模の把握としては十分です。
「なぜ拡大傾向に転じたのだろう?」
「施設数が増えているのはなぜ?」
という疑問を持っておくと、その後の分析が進みやすいです。
市場規模マップで調べる方法
2つ目、市場規模マップという面白いサイトを使う方法です。
タイルの大きさで市場規模が分かります。
「えっ!? あの市場、こんなにデカかったの?(小さかったの?)」が結構あります。
上図の赤丸で囲ったところをクリックすると、市場を検索することもできます。
「スポーツクラブ」で検索したら出てきませんでしたが、「フィットネスクラブ」で検索したら出てきました。こちらでは2015年で4,390億円というデータが得られました。Google検索で探した数値と、ほぼ変わらないですね。
市場規模は細かな数値が合っている必要はありません。あくまでもザックリとした基準を得るためですので、「桁が変わらなければOK」くらいで良いと考えています。(さすがに言い過ぎか・・汗)
なお、このサイトには姉妹コンテンツがあります。各業界をさらに細分化していくDrillmapなどです。
市場規模を分析する
さて、市場規模データが得られたら、目的に応じて分析をしましょう。
分析前に準備するもの
売上を構成する基本は、顧客数×顧客単価×購買回数です。
どんな目的のために分析するのかを、まずは明確にしておきましょう。
得られたのは日本市場規模のデータですから、都道府県や性別・年齢などに分割すると、新しい情報が見えてくることもあります。これらの人口統計データを準備しておきます。
なお、B to Bの場合は顧客企業数を調べるために、業界別・規模別企業数のデータなどを、別途用意しておきます。特定地域の企業数を調べたい場合は、その自治体にデータがあるかもしれません。例えば横浜市の場合は、ホームページにデータがあります。
スポーツクラブの場合
スポーツクラブの場合は施設数(建物数)が重要なデータになるはずです。
Google検索した記事によると、以下のように変化しています。
4,375軒(2014年)→5,818軒(2018年)
4,316億円(2014年)→4,786億円(2018年)
売上高の伸びは堅調(約11%増)ですが、施設数はもっと伸びていますね(約33%増)。
このことから、小規模な施設が増えているのでは?という仮説を得ることができます。
仮に1人が年間10万円使っているとすると、2014年の売上高4,316億円を10万円で割ると、約400万人くらいの人がスポーツクラブを利用しているのでは?という予想ができます。(実際に調べてみると419万人が利用していました)
上述の通り、小規模な施設が増えていると想定すると、
- 顧客1人当たりの売上は減少傾向
- 1つの施設での利用者数も減少傾向
という傾向が見えてきます。
つまり、より多様なニーズを叶えるべく、スポーツクラブが多様化しているのですね。
実際、まわりを見ても、以下のように細分化してきていますよね。
- 住宅地のなかにあり、「女性だけ」「30分」「シャワーなし」(カーブス)
- 短期間でダイエット、結果にこだわる(RIZAP)
このような分析をしつつ、「だからこういう新店舗を出店するんです」というようなストーリーを描けるようにしていきます。
最後に市場規模データの分析は、あくまでも目的があってやるものです。
無目的に分析し始めると、分析そのものを楽しんでしまい、時間を失います。
気をつけましょう。
- 市場規模データは、他者に事業計画を説明するときに使う
- ネットで検索すれば、概ねの数字は出てくる(それで充分)
- 人口統計データや産業別・規模別企業数データなどを組み合わせて分析する
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【編集後記】
学校がなくて暇すぎる子供たち。
今日は2人が遊びに来ていて、そのままお泊りです。
家の中が騒がしいです。。元気があり余っているのでしょうね。
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