「働き方を変えたい」
経営者も、従業員も、双方がそう感じているのではないでしょうか。政府も働き方改革を掲げて早数年経ちますが、なかなか働き方は変わらないのが実態です。
私自身、会社員時代から働き方改革を掲げて、自分自身で実行し、世の中にその価値を投げかけてきました。会社で『売り上げを高める働き方革命 (日経BPムック)』というムック本をリリースしたのが2013年10月ですから、当時の大企業としては先進的でした。
当時から6~7年間ほど「働き方」を考え続けてきました。大企業から中小企業、個人事業主まで。会社員の立場から、経営者の立場まで、幅広く見てきました。そんな私が現時点でお勧めする書籍を2冊、ご紹介します。
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『管理ゼロで成果はあがる』は実践経営者が再現性を示す
1冊目は『管理ゼロで成果はあがる』です。ソニックガーデンというIT企業の社長である倉貫さんが、自ら実践してきたことを解説した本です。
本書は大きく3つのステップに分かれています。
- 生産的に働く
- 自律的に働く
- 独創的に働く
ソニックガーデンの現在を見ると、多くの人が「こんな先進的なこと、うちでは真似できない」と諦めてしまうかもしれません。しかし、第1部の「生産的に働く」からは、今日からでも取り組めるヒントが数多く挙げられています。管理職が理解のない人であっても、現場から取り組めることがあるのです。
3つ例を挙げましょう。
1つ目は「ふりかえり」。仕事のやり方を振り返ることで、チームに改善の意識を芽生えさせていきます。2つ目は「そもそも」。仕事の目的を確認することで、ゴールから振り返る思考に変化していきます。3つ目は「タスクばらし」。仕事を作業(1時間程度)に分解することで、進捗を見える化することができます。
第1部を組織で読み込むだけでも、生産性は大きく変わっていくのではないでしょうか。そして大切なことは、そもそも高い生産性がなければ、それ以上のことはできない、という事実です。
ここからは私の理解になりますが、生産性が低いと、お金にも時間にもゆとりが生まれません。ゆとりがなければ、新しい取り組みも、新規事業を行うこともできません。利益をしっかり稼げている状態になることが、新しいチャレンジをするための前提条件なのです。
「働き方を変える」というと残業抑制などの制度面、テレワークなどのツール面にばかり目が行ってしまいがちですが、なぜ変えるのか?を本質から見つめ直すことのできる本です。
『働き方の問題地図』は自社の問題点からアプローチできる
次は『働き方の問題地図』です。業務プロセスを改善したり、組織を活性化する専門家の沢渡さんの著書。こちらは多くの企業を見てきただけあり、様々な問題が地図として網羅されています。
本を最初から読むのも良いですが、自社で起きている問題を挙げ、相当する部分から読み始めるのも面白いのではないでしょうか。圧倒的な当事者意識を持って没入できるからです。
「あるある」過ぎて凹むかもしれませんが、他の問題との関連性を発見しながら、「じゃあ、どうすれば良いの?」を組織でディスカッションしてみると、本書の良さが活きるのではないでしょうか。
なお、この「問題地図」はシリーズ化されていまして、『職場の問題地図』『仕事の問題地図』『マネージャーの問題地図』などもあります。自社の問題をもっと深く掘り下げたいときには、同じシリーズを読んでいくと、解決方法に出会えるかもしれません。
働き方を変えるための本は、世の中に多く出ていますが、個人的には「まずこの2冊で十分」と感じています。
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【編集後記】
昨晩は冒頭の倉貫さんのセミナーを拝聴してきました。
本書に語られていることの背景にある思想が理解できたので、私自身も実践していきたいと思います。
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