この記事では、CRMの活用・成功事例をご紹介します。
- 営業が属人化しており、担当者ごとの売上のバラツキが大きい
- 営業管理職・経営者が何を指示すれば良いのか分からない
- 3ケ月後の売上予測が立てられない
このような課題を持つ中小企業経営者にお勧めします。この事例からはCRMというツールに頼る以前の、重要なことを学ぶことができます。
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営業プロセス・CRMを学ぶ前の課題
事例はこちらのサイトにて紹介されているものです。
仙台に本社のあるミカド電装株式会社は、従業員23名。電源関連の設備を販売している商社です。
かつて社長と専務は営業に関する悩みを抱えていました。
- 営業の属人性
自然に売れる営業と、努力しても売れない営業のバラツキが大きかった。 - 営業プロセスの不在
多くの日本企業同様、マーケティング・営業プロセスが存在していませんでした。 - 営業管理職の役割
担当者をどうやって教育するか、どのような指示を出せばよいのか?営業管理職が分からずに悩んでいました。
詳細は後述しますが、CRMの概念を理解し、ツールを活用したことによって、売上高は5年間で2倍、営業利益に至っては3年間で5倍という圧倒的な成果を出しました。しかもその間、営業の人員追加は1人のみです。
トップ2人が営業プロセスを学ぶ
この事例が秀逸なのは、いきなりツールを導入しなかったことです。
CRMの考え方を学ぶことは、経営手法を現代版のデータに基づく経営にアップデートさせることです。
経営手法そのものを変えるのですから、いきなりツールを使っても、その思想が分からなければ宝の持ち腐れになってしまいます。しかし実際には、CRMツールベンダーに乗せられて、その思想を理解しないままに導入し、失敗してしまうケースが後を絶ちません。
このミカド電装商事さんの場合、社長・専務という会社のトップ2人が、営業プロセス研修を受けに行きました。その概念を理解した上で、自社の業務に取り込んでいったのです。
営業プロセスとは、下図のようなものです。
年間予算と集客計画は連動しています。間違っても経営者が「昨年度から20%アップだ!」などと根性論や気合を述べることではありません。
そして集客経路ごとに、アポ取りからニーズ分析→提案などのように商談のステージを定義して、組織として対応します。なお、この図からは読み取れませんが、顧客とのコミュニケーションチャネルも、対面・Web・SNS・チャットなどと多様化しています。お客様にサービス提供した後は、フォローを行います。
これらは全て、データを元に行います。営業個々人の良いところは活かしつつも、まずは前提条件として会社の商談プロセスを設けるのです。それによって営業の教育もできますし、結果として属人性が減っていきます。また営業管理職は、データを元にした意思決定ができるようになります。
繰り返しになりますが、このような考え方をまずはトップ2人が学びに行ったこと。それがこの事例では秀逸なのです。
思想の学びを先行しつつ、ツールを使いながら覚える
とは言え、いつまでも学んでばかりでは仕方ありません。CRMという思想の理解を先行させつつ、できるところからツールを使いながら覚えていきます。
思想とツールを行ったり来たりすることで、お互いを深く理解していくのです。
簡単なツールであれば、「まずは使ってしまおう」という姿勢が良いです。ただ、CRMのような高度なツールの場合は、先に思想を理解しつつ使った方が良いでしょう。同じことはERPなどにも言えます。
このミカド電装商事さんは、自社での学びを活かして、営業プロセス研修を行う子会社を立ち上げて、教育サービスまで始めてしまいました。それだけインパクトがあったのですね。数字上の成果は上述の通りです。
- 営業の属人性が強いなど、組織としての問題があった
- トップ2人が営業プロセスを学びに行った
- その後ツールを活用して高い成果を上げた
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