AI(人工知能)に注目が集まってから早数年。
確実にAIを活用したツールや商品・サービスが世の中に浸透し続けています。
そんな時代において、改めてAIとは何なのか?経営者が注意すべきことを確認します。
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AI(人工知能)とは何か
最初にAIとは何か?
私たちは曖昧に「AI」「人工知能」という言葉を使っています。
世の中に「AI」を謳った商品・サービスが増えていますが、「これはAIじゃないだろ」とツッコミを入れたくなるものが多々あるのが実態です。
ただ、これには致し方ない部分もあります。
実は、AIには学術的な定義がないからです。
とは言え、少なくとも共通の概念はあります。
「何らかのデータを元に、自分自身でルールをつくったり、判断したりするもの」です。
Googleは数多くの画像から自ら学び、ネコを分類できるようになりました。
それは誰かがルールや判断基準を与えたのではなく、ソフトウェア(AI)自らが学んだものです。
世の中の「これはAIじゃないだろ」とツッコミを入れたくなるものは、ルールや判断基準を人間が与えているからです。それはAIではなく、普通の従来型のソフトウェアです。
過去にも日本のIT業界にはクラウドじゃないのに「クラウド」を謳うものが登場するなど、同じようなことが何度も行われています。
情報弱者を貶めるような嘘をつくのは、モラル上、どうなんだ?と思います。
AIの2つの役割
AIには期待されている役割が大きく2つあります。作業の効率化と、人間の能力拡張です。
作業の効率化
今まで人間が手間をかけていた作業を効率化することです。代表例が車の運転です。
車の運転には、信号・周りの車や人・路面状況など、様々な判断材料が必要です。
単純にルール化できるものではなく総合的な判断が必要なため、従来型のソフトウェアでは効率化ができませんでした。
しかし、AIが進化し続けることで、自動運転の実現はあと少しというところまで来ています。高速道路に限定すれば、日本国内でも実際に利用されています。
このように従来型のソフトウェアでは実現できなかった作業が効率化できるようになってきています。
もう1つ例を挙げると、製薬の開発です。
製薬の開発には様々な物質を掛け合わせる必要があるそうなのですが、その判断をAIが行うようになってきています。AIがある程度、数を絞り込んだ後、可能性があるものを専門家が判断します。
例えば、1,000個の組み合わせを100個に減らすところまでをAIが行えれば、限られた専門家の時間効率を10倍にすることができます。
人間の能力拡張
AIの活用が期待されているもう1つの分野は人間の能力拡張です。
かつて人類は望遠鏡を開発したことによって、「宇宙のなかの地球」という位置づけを学ぶことができました。遠くの星を観察することで、私たちの地球を客観的に見られるようになったと言えます。その後、地学や宇宙学の研究が進みました。
同じように、AIが発展することで、今まで人類が見ることのできなかった世界が見えてくるでしょう。例えば遺伝子の構造をAIに学ばせることによって、新しい発見があるかもしれません。
このような発見を通じて、私たち人類は新たな能力・知見を身につけることができるのです。
AIを使う人間と使われる人間に分かれていく
このような活用が期待されるAIですが、AIが発展するにつれて、一般的なITにはなかった現象が出てくると推測しています。
AIを使う人間(組織)と、AIに使われる人間(組織)に分かれていくことです。
これは従来のITにはなかったことです。
従来のITは、上手く使える人間(組織)と使えない人間(組織)に分かれていただけです。
それでも前者と後者の間には、埋めがたい差が生まれてきました。
しかし、今後はさらに断絶とも言える差が生まれていくでしょう。
AIを使う側に立つのか、使われる側に立たざるを得ないのか。
一人のビジネスパーソンとして、組織として、AIとどう関わるかの判断が求められます。
次回は、このようなAIの基本や現状を受けて、人間が何に注力すべきなのかを考えてみたいと思います。
- AI(人工知能)とは、データを元に自ら学んでいくもの
- AIに期待されるのは、作業の効率化・人間の能力拡張の2つ
- AIを活用できる人と、使われる人に分かれていく
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