前回は顧客データを活用する上で必要となる「取引先」「連絡先」「商談」の関係をお伝えしました。本記事では、さらに「見込み客」を追加します。
- 名刺管理から始める中小企業のデータ経営(データ活用)
- 名刺情報を元に、顧客データを構築しよう
- 顧客データ重複の悲劇と、入力時の注意点
- 取引・商談の履歴を取るのに必要なデータ項目と、CRM活用のメリット
- CRMにおける取引先・連絡先・商談の関係とルックアップ
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見込み客を追加するタイミングとデータ項目
これまで「取引先(組織)」「連絡先(個人)」「商談」のデータを紹介してきました。最初から「見込み客」を紹介しなかったのは、まずは既存顧客に対する改善を行い、その後に新規顧客獲得の手を打って欲しいからです。
リソースが限られた企業にとって、同時に色んなことをするのは得策ではありません。売上や利益に対するインパクトが大きい既存顧客に対するサービスレベルを向上した上で、新規顧客獲得を行った方が、マーケティング・営業効率も良くなります。
こちらの記事でも同じことを伝えています。「まずはバケツの穴をふさげ!」です。
ですから、まずは「取引先」「連絡先」「商談」の3つを徹底的に活用しながら、既存顧客の流出を防げる体制をつくります。これだけで売上・利益は確実に伸びます。成果を感じて、「そろそろ新規顧客獲得も仕組み化したい」と考えたら、見込み客を追加しましょう。
見込み客のデータ項目と、見込み客から取引先・連絡先への変換
またしても私が利用している「zoho CRM」の画面です。見込み客情報の一部を表示しています。
データ項目としては、以下のようなものがあります。(一部省略)
- 会社
- 姓
- 名
- 見込み客ステータス
- メールアドレス
- 電話番号
- 携帯番号
- WebサイトのURL
- FAX番号
- データ元
- 部署
- 職位
- 社内担当者
既にお気づきの通り、「取引先(組織)」「連絡先(個人)」の情報が含まれています。ビジネスの流れとしては、まず見込み客を獲得して、その後、取引先・連絡先に変わっていきます。CRMの一般的な操作では、商談が発生したときに、見込み客から取引先・連絡先に変換します。商談の進捗を確認する必要があるからですね。
見込み客の画面上に「次のステップへ」というボタンがありますので、この処理をすると、見込み客データを元に、取引先と連絡先のデータが作成されます。
見込み客の取り入れ方
最初に顧客データ管理をエクセルなどの表計算ソフトで行っていた場合、ファイルを取り込む先は「取引先」「連絡先」よりも「見込み客」が良いでしょう。上述の通り、「見込み客」は、会社名から個人名までがまとまっているからです。
また、名刺を元にデータ管理していた場合、商談が発生していない名刺データも数多くあるはずです。ですから見込み客としてインポート(取り込み)した上で、商談があった会社・人を取引先や連絡先に変換する方が現実に即しています。
その他、新たに見込み客を追加する手段は色々とありますが、まずは以下を覚えておきましょう。
手動で追加
上述の画面のように1件1件、営業担当などが自分で入力していく方法です。
スマホアプリで登録
手入力は面倒くさいです。名刺をもらったらスマホアプリで自動登録する方が楽です。zohoの場合は「card scanner」というアプリがiOS/Androidにあります。単にCRMに取り込むだけでなく、その他の設定も可能です。
フォーム
この画面のような入力フォームを設置して、潜在顧客に自分で入力してもらう方法です。Web上にホワイトペーパーをダウンロードできるようにしたり、セミナーに申し込んでもらったりしたときに、自動的にCRMに見込み客として登録することができます。フォームに「データ元」を設定しておくことで、どこから獲得した見込み客なのかも、自動登録できるので、後の分析にも有効です。
その他にも、例えばホームページに設置したチャットや、SNSでやり取りが発生したら、自動的にCRMに取り込むなど、様々な方法があります。まずは基本的な上記3つの方法を活用して、見込み客情報を社内で共有できるようにしましょう。
- まずは既存顧客のフォローを徹底する(使うのは取引先・連絡先・商談)
- 名刺データを追加するのは「見込み客」
- 商談が発生したら見込み客を取引先・連絡先に変換する
- 見込み客の登録は、手動・アプリ・Webフォームが基本
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