組織

組織の方向性・意識を合わせるための取り組み

「従業員が同じ方向を向いてくれない」

経営者が悩む代表例ではないでしょうか。
この記事では、組織で方向性や意識を合わせるための具体的な取り組むについて考えてみました。

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経営理念・ミッション・ビジョンからスタートするのは難しい

組織全員で同じ方向に向かいたい。
皆で同じ意識を持ち、楽しく仕事をしたい・生産性を上げたい。

多くの経営者がそう思っているはずです。
そういう方向性や同じ意識(価値観)を持つために役立つのが

  • 経営理念
  • ミッション
  • ビジョン

などと言われるものです。
これらをしっかりと言語化し、経営者が言い続けることは非常に重要だと感じています。
しかし、それだけではなかなか浸透しない・・という場面も数多く見てきました。

抽象度が高すぎる

理念・ミッション・ビジョンは、どうしても抽象度の高い言葉です。
それを現場の方々がいきなり理解するというのは、難しいというのが実情なのだと考えています。

経営者は「中長期の視点」を持っているので、抽象度が高い言葉から「何か」をイメージすることができます。(現場に入り過ぎている中小企業の経営者の場合、苦手なこともあります)

一方、従業員は「今日の仕事」を無事にこなすことに集中しがち。

「顧客に提案した内容で受注できるか?」
「今日、保育園のお迎えに間に合うか?」
「次回のお給料がちゃんと振り込まれるか」

が大事で、1年後・3年後の会社を想像することなど、ジブンゴトではありません。

抽象度の高い言葉からは何もイメージできず、具体的なことでなければ、先送りになってしまいます。このギャップが、理念・ミッション・ビジョンを浸透させることが難しい原因ではないでしょうか。

自社の商品・サービスを好きになる

相手の関心に合わせた話題にする

では、現場の方々が理解するにはどうすれば良いのか?
「大工と話すときは、大工の言葉を使え」とソクラテスは言いました。

同様に従業員の人と話をするときには、従業員の方が持っている関心に応じます。
その方が、一見遠回りに見えて、実は近道だと感じています。

例えば、営業・マーケティングの方に対しては、「自社の商品・サービス」を通じて会話するのが効果的だと考えています。

売ることにしか興味がない営業・マーケティング

自社の商品・サービスをお客様に提案するということは、何らかの価値があるからです。
本来、その「顧客にとっての価値」を徹底することが営業の本分のはずです。

しかし多くの営業さんは、自社商品を「売ること」「売れること」ばかりに興味が向かいがち。
なぜなら、受注金額に応じて評価されるようになっているからです。

単純な受注金額だけで営業を評価することが、短絡的な思考を強いてしまっている。
ここでは評価制度についての深追いはしませんが、「人間は評価されるように振る舞う」ことは経営者は知っておくべきでしょう。

少なくとも、どういう顧客と・どんな関係を築いていきたいのか?に応じて、評価指標を変えていく必要性があるでしょう。

自社の商品・サービスを好きになる

そのように評価指標を変えていくことを見据えた上で。

自社の商品・サービスのどこが良いのか?逆にどこがダメなのか?
どうすれば顧客のニーズに応えるものになるのか?
(結果として売れるのか?)

こういう議論を、営業と経営者が対話したいものです。
(経営者が勝手に決めて押し付けるのではなく)
そんな対話をしていくことで、以下のようなことが次第に定まっていきます。

  • 顧客は誰か?(どんな顧客と長い関係性を築いていきたいのか)
  • 顧客が抱えている潜在的・顕在化したニーズは何なのか?(何に困っているのか?)
  • 顧客のニーズに応える商品・サービスはどういうものか?
  • 商品・サービスの良さをどのように伝えるべきか?(具体的な提案内容・メッセージ)

上からの押し付けではなく、自分の意見が反映された商品・提案は、次第に思い入れが強くなっていきます。
つまり、自社の商品・サービスを好きになっていきます。

何ヶ月・何年も掛かるでしょう。
しかし、だからこそ商品・サービスにこだわりを持った社員が増えるということは、強烈な強みになります。
簡単に他社には真似できない状態となりますので。

そして「結果的に」、経営理念・ミッション・ビジョンへの理解が深くなり、共感している状態になるでしょう。

自社の商品・サービスについて徹底的に・本質的な対話すること。
営業さんの立場で言えば、「売れやすくなる環境」をつくることを通じて、理念などへの理解を深めてもらいましょう。

まとめ
  • 経営理念・ミッション・ビジョンは抽象度が高すぎて現場は理解できない
  • 現場は自分の仕事に直接関係あることでないとジブンゴトにならない
  • 営業・マーケティングであれば、商品・サービスについて深い対話を行う

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【編集後記】
今日は日が出てないので、かなり寒いです。。
春が来るのを首を長くして待っています。

昨日、五島長崎国際トライアスロンにエントリーしました。
6月のレースに向けて、トレーニングしていきます。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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