組織

「顧客リテラシー」が企業の命運を分ける

「顧客としてのリテラシー」が企業の命運を分ける時代になっている。
そして着実に、このリテラシーの差が、企業群をを大きく二極分化しつつあると感じています。

<スポンサードリンク>



仕事は「人の層」で対流している

仕事はある基準でグループ化された人の層を対流しています。多くの仕事は同一の層(グループ)内でやり取りをされており、異なる層を超えて仕事がやり取りされることは、そう多くありません。

最も分かりやすいのが単価です。
単価の高い人は、単価の高い人から買い物をします。
真のプロフェッショナルほど、プロフェッショナルの仕事を求めるからです。

逆も然りです。
何でも安く済まそうという人には、安く済ましたい人が近寄ってきます。
ですから一緒に仕事をする人は必然的に近い単価になりがちです。

単価以外の見逃せない要素に「顧客リテラシー」があると考えています。
顧客として相手企業とどのように関わるかという態度のことです。

そして、その顧客リテラシーによって、企業群が大きく2つのグループに分かれているように感じます。具体的にどのような態度か見てみましょう。

「業者扱い」するか「パートナー」と見るか

端的なのは、相手企業を「業者」として扱うか、大切な「パートナー」企業としてお付き合いするかの違いです。

仕事や買い物というのは、基本的に対等な価値の交換
買い手と売り手は、あくまでも対等な関係であり、お金を払う買い手の方が偉いということは微塵もありません。

にも関わらず、世の中には「お客様は神様だ」を自分の都合の良いように曲解して、立ち振る舞う人が多々います。コンビニや飲食店などで店員さんにタメ口・命令口調で、自分勝手な主張を押し付ける人を見かけると、非常に残念に感じます。

なぜお客様だからと言って、偉そうにすることができるのでしょう?
「相手の嫌がることはしない」という幼稚園・小学生で習うようなことを実践できない大人がいることに憤りすら感じるときがあります。

こういう残念な大人は、自分のビジネスにおいても相手先企業を「業者」として扱います。
さんざん金額を叩いて安くさせつつ、自分の主張を押し通し、相手に少しでもミスがあると突っ込みまくるのです。

業者側の企業はブラック化していく

「ブラック企業」が良く話題に上ります。

私はブラック企業とは、すなわち「業者扱いされている企業」だと感じています。
上述のように、相手企業を業者だと考えている人は、無理難題を押し付けてきます。その結果、

  • 価格を叩かれるから利益は少なくなる
  • 押し付けられた無理難題を何とかするために残業でカバーするため体力的に疲弊する
  • 「他社でもできる仕事をオマエのところに与えてやってんだ」と迫られて、仕事に対するプライドが失われ、精神的にも疲弊する
  • 結果的に、低賃金・長時間労働のブラック企業が出来上がる

という構図です。

このようなブラック企業から抜け出すためには、価格や納期だけではなく、別の価値を生み出せる企業になるしかありません。中小企業は低価格で勝負してはならないのです。

価格以外にどんな軸を設定するか?業者・下請けからの脱却中小企業は低価格勝負をしてはなりません。そのためにはお客様に提供する「価値」と向き合う必要があります。この記事では、その価値を見出すための判断軸の選び方についてご紹介します。下請けや業者から脱却した経営者はぜひお読み下さい。...

経営者が現場だけではできない、戦略的な仕事をするということです。
さらに、それと同時に、業者扱いしてくる会社とは付き合わないことです。

顧客を定義して価値観の合わない仕事をなくそうスモールビジネスでは、価値観の合わないお客様を相手にすると疲弊してしまいます。仕事環境が悪くなり、生産性も落ちてしまいます。そんな事態を避けるためには、日頃から自社の価値観を明文化し、取引を開始する前にすり合わせを行い、顧客を選ぶ必要があります。...

これも現場でどうこうできる問題ではなく、経営者が覚悟を持って、強い意思で取り組む必要がある課題です。

丸投げするだけか、共にプロジェクトを進めるか

相手企業と共にプロジェクトを進めていくときにも、「顧客リテラシー」は現れます。

業者扱いする企業は、全て丸投げです
「カネを払ってんだから、全部うまい具合にやってくれ」というわけです。

一方、相手企業を重要なパートナーだと考えている企業は違います。

自社の責任でやるべきことと、パートナー企業にやって欲しいことを意思表示します。
自社が買い手であることに胡座(あぐら)をかかず、パートナー企業とコミュニケーションをとって、プロジェクトを成功に向かわせます。

その背景にあるのは、パートナー企業が持っている専門性や人材をリスペクトする気持ちです。高い価値には相応の対価をお支払いする。気持ちよく仕事をしたいという価値観です。それが巡り巡って、自社が売り手になるときも返ってくることを知っています。

また、それと同時に自分たちの仕事に対しても誇りを持っています。
だからこそ、自社の責任もしっかりと果たそうとするのです。

ときにはパートナー企業に厳しい要求もします。
ただ、無理やり押し付けるようなやり方はしません。

プロジェクトのゴールを共に共有しているので、そのゴールに向かって必要なことをパートナー企業と合意して進めるのです。
売り手は、顧客の希望に答えることによって、新たな実績を得たり、スキルアップするなどの果実を得ることができるので、懸命に頑張ります。

こうしてプロジェクトを一緒に進めた2社の関係は、より強固になっていくのです。

このように売り手をパートナー企業と認める会社には、良い会社が集まってきます。
一方、相手を業者扱いする会社にはブラック企業しか対応せず、より悪い集団になっていくのです。

大企業だろうとなんだろうと、人間対人間のやりとりです。
そこにリスペクトがない企業からは、確実に人が離れていっています。
特に大企業などは、今までの立場に胡坐をかいていると、いつの間にか悪徳業者しか近寄ってこない、ということになりかねません。

全ての企業が、顧客リテラシーによって二極化している。
このことは、全てのビジネスパーソンが知っておいて損はないと思います。
企業文化を明日から変えることは難しいので、せめて個人として、人格を高めたいですね。

まとめ
  • 「顧客リテラシー」によって、企業は2つのグループに分かれている
  • 業者扱いする会社には、ブラック企業しか近寄ってこなくなる
  • パートナー企業として相手を尊重する企業には、良い企業が集まってくる

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。

渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
\ Follow me /