経営者が意思決定する投資には、投資対効果を求めるべきものと、そうでないものがあります。
ITに関する投資のなかで、仕事をする上で基盤となる「ITインフラ」には、投資対効果を求めるのは良くありません。
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ITインフラに投資対効果を求めてはいけない
先日、ワークスタイルや業務改善などで知られる沢渡あまねさんが、核心を突くツイートをされていました。
slackやzoomなどのコミュニケーション基盤にまで細かな費用対効果の説明を執拗に求めるのは、うーん、どうなんだろう。その時点で、経営者のITリテラシーを疑う。あなた方は電話やFAXをひくのに費用対効果求めたのでしょうか?
— 沢渡あまね新刊 #職場の科学 #はじめてのkintone #ここアジャ (@amane_sawatari) September 1, 2020
もう正に!というコメント。
思わず私もコメントさせてもらいました。
IT投資というと、ITに詳しくない経営者にとっては、腰が引ける話だと思います。
結果的に担当者に投資対効果・費用対効果の説明を求めてしまうのだと推察しています。
しかし、電話やFAXを引くのに、わざわざ投資対効果を算出したりしません。
自宅に例えると、洗濯機を購入するのに、洗濯板を利用した場合との比較などしないでしょう。
私たちは既に電気がある社会に生きています。
電気があることを前提に、生活やビジネスを設計しています。
それと同じように、Slack や Zoom などのコミュニケーション基盤(ITインフラ)などは、「既に当たり前に存在しているもの」です。
電気や水道・ガスがなければ不便な生活を強いられるように、ITインフラはなければ不便なのです。
結果的に業務効率が落ち、生産性が落ち、組織として生き残ることはできなくなってしまいます。
ですから「使う・使わない」を考えるのではなく、「どれを使うか?」に注力すべきで、使わないという選択肢はないのです。
ITインフラは投資対効果ではなく、いくらまで出せるか?
私はITインフラに対する投資は、効果を求めるのではなく、いくらまで出せるか?で管理した方が良いと考えています。
電話や電気と同じインフラですから、投資するのは大前提です。
とは言え、使い勝手はツールごとに異なりますので、選ぶ必要があります。
ITインフラ系のツールは使いこなすことで、組織のコミュニケーションが活発化したり、業務効率が上がったりします。
したがって、選ぶうえでの最優先は、使いやすいかどうか?です。
ツールの使い勝手も該当しますし、教育環境が整っているか?も重要な要素です。
業務内容によって、求めるものは変わってくるはずです。
例えばパソコンは、低スペック・低価格で十分な仕事もあれば、ある程度のスペックがなければ業務上、耐えられないということもあります。
単に価格を抑えるのではなく、業務上の要件に合っているか?を確認する必要があります。
それらを踏まえて、いくらまで出せるか?指針を持っておきましょう。
ITインフラの対象
ここまで、「ITインフラ」という言葉を使ってきました。
具体的に何を指すのか?を補足すると、以下のようなものです。
- パソコン
- スマートフォン
- インターネット回線
- 社内 Wi-Fi 、有線 LANなどの社内ネット環境
- 外出時のモバイル通信環境
- オフィススイート(文書、表計算、プレゼンテーション、カレンダーetc)
- コミュニケーションツール(チャット、Web会議)
オフィススイートは、Microsoft 365・G Suite・サイボウズOffice など。
コミュニケーションツールは、Slack・LINE Worksのようなチャットや、Zoom・Teams・Google Meetのような Web会議ツールを指します。
くどいようですが、ITインフラは電気と同じで既にあって当然の環境です。
ケチり過ぎずに、全員が気持ちよく働ける環境を整えましょう。
- ITインフラは電気と同じで、あって当然の環境
- そのため投資する・しないを検討するのは無駄で、投資するしかない
- 投資対効果を求めるのではなく、いくらまで使えるか?を確認しておく
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【編集後記】
昨日、久しぶりに仕事で外出したら、やはり効率が落ちますね。
移動時間が掛かる分、1日にやれることが半減した感がありました。
何のために外出するのか?意図をもって行動したいと思います。
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