ツール活用

kintoneとfreeeを連携する3つの方法

前回、kintoneとfreeeを連携することで得られる効果について、ご紹介しました。

freeeとkintoneの連携は可能性が広がる(BizTech hack振り返り)営業部門が使うkintoneと経理部門が使うfreeeの連携について。部門ごとに使うツールが異なると、余計な連絡の手間、それによるミスが発生します。ツールは連携させて、マスターデータは一ヶ所で管理する。それによって各部門が本来業務に集中することができます。...

今回は、kintoneとfreeeを連携させる方法についてお伝えします。

<スポンサードリンク>



「オープンな思想」のツールを選ぶ

kintoneとfreeeを連携させるためには、3つの方法があります。
その方法をご紹介する前に、大切なことをお伝えします。

このような連携ができるのは、サイボウズさん・freeeさんが共に「オープンな思想」を持っている会社だからなんです。

  • 他の会社のツールからでも、どんどん利用してね!
  • うちはうちの得意なところに注力するから、苦手なところは他社と連携します!

という姿勢です。

逆の発想が「囲い込み」です。
他社ツールとは連携せず、できる限り顧客を自社ツールの世界に閉じ込めておこうとします。

私たち利用者としては、業務ごとに最適なツールを選ぶ選択肢を残し続けるためにも、できる限りオープンな思想をもった会社のツールを選びましょう。仮に良いツールでも、閉じ込めておく思想のものを選んでしまうと、連携できず、手間が残ってしまいます。

オープンなツールは、連携ツールを明示しています。

連携ツールの一覧が書かれています。

このように連携しているもの、逆に言えば連携していないものを明示しているのは、オープンな思想ですね。それに今回参加した「freee & kintone BizTech hack」というようなイベントをやっていることからも、両社がオープンであることを感じます。

なお、技術に詳しい方であれば、どのようなAPIが公開されているか?そのリファレンスを見ることでも確認できます。

経営するなら覚えておきたいIT用語(API)システム・ツールの話をしていると良く出てくる「API」って、いったい何なのでしょうか?ややこしい技術的な定義はさておき、イメージでとらえられるように解説しました。システムに関わるスモールビジネスの方は、必見です。...

kintoneとfreee、3つの連携方法と特徴

さて、ここからはkintoneとfreeeを連携させる3つの方法です。

freee for kintoneを使う

1つ目は「freee for kintone」を使うことです。
公式のツールですから安心感がありますね。
概要・仕様などは、こちらのページにあります。

ただ、これは正直、中堅~大企業向けのように思います。
freeeのプロフェッショナルプラン(月額39,800円~)、エンタープライズプランが必要なので、スモールビジネスにはなかなか厳しいと感じます。

日々、多くのトランザクション(取引)を登録しているような企業が対象になりそうです。ただ、金額的に重いのは確かですが、作業のために人を雇うよりは良いかもしれません。
最初から選択肢から外す必要はないでしょう。

iPaaSを利用する

続いて iPaaS(アイパース)を利用する方法です。
iPaaSとは、異なるアプリケーション(ツール)同士をつなげることができるクラウドサービスです。

異なるツール(今回の場合は kintoneとfreee)間で、データを統合したり連携させたりすることができるようになります。

今回のセミナーでは、

  • Zapier
  • Anyflow

が紹介されていました。他にも最近は iPaaSが次々と登場してきています。

IFTTTが個人でも利用されていて、最も有名な iPaaS ではないでしょうか。
Microsoft PowerAutomate(旧Microsoft Flow)も iPaaS の1つです。
(kintone には対応しているようですが、freee は未対応のようです)

どの iPaaSを選ぶのかは?

  • 連携に対応しているツール
  • 対応している処理(※)
  • 価格と、対応している月間処理回数

などを確認する必要があります。

(※)について、前回の記事では、kintone と freee の連携をシンプルな絵で表現しました。

しかし実際には、単なるデータのコピーではなく、変換が必要になることもあります
売れた商品に応じて、対応する事業タグをつけたり、勘定科目を変更することもあるでしょう。

購入する前に、仕様確認や試験動作確認を行い、どこまで対応しているか?を確認しておきましょう。

独自開発する

3つ目は独自開発する方法です。
前回参加したセミナーで行ったのは、こちらの方法です。
(kintone → freee のみで、その逆はやっていません)

シンプルな処理だけを行うのであれば、開発してしまった方が、年間単位で見るとコストメリットが高いかもしれません。ただ、微妙な修正・改善をしたくなると、その都度開発費が掛かってしまいます。(ITベンダーさんとの契約次第ではありますが)

どの連携方法を選ぶか?

この3つの方法のうち、どれを選ぶのか?は kintone・freeeを知っているだけでなく、幅広く情報収集している専門家を頼った方が良いと感じています。

案件管理と会計ソフトの連携だけであれば、board のようなツールを選ぶ方が良い、という結論に至るかもしれません。今の利用状況にもよりますが、kintone に縛られ過ぎる必要もないのです。(同様に freee にも)

  • IT全般を見渡している
  • 現状利用しているツールから、スムーズな移行を設計できる
  • 今の業務のまま自動連携させるのではなく、業務改善の提案ができる
  • 経営の視点から、特定部門が楽をするのではなく、全体最適な提案ができる

そんな視点で、専門家を選んでいきましょう。

余計な仕事を省いて、価値ある業務へのシフト

さて、まとめです。
今回のセミナー&ハンズオンを通じて、ますます価値ある業務へシフトできる可能性を感じました。

営業部門の役割は、お客様に最適な提案をして、喜んでもらうことです。
その先に受注・売上があります。
経理に情報を渡す事務作業をするために、仕事をしているわけではありません。

経理部門の役割は、経営数字を見える化することで、経営者や現場が意思決定できる環境を整えることです。経理のルールを守ることや、税務署の言いなりになるために、仕事をしているわけではありません。

そのためには自動化できるツールは連携させてしまう。
マスターデータの管理は1ヶ所で行い、社内全体で同じデータを共有する。

そうやって各人が本来果たすべき役割に注力する
そんな世界がますます実現しやすいITツール環境が整ってきたな、と実感したのでした。

まとめ
  • オープンなツールを選ぶ方が、最適なツールの組み合わせが可能
  • kintone と freee を連携する方法は3つある
  • 各人が本来果たすべき役割を果たすために、余計な業務は自動化する

[the_ad id=”2141″]


【編集後記】
昨日は自宅でバイク練習を3時間・90km以上。
今日はカラダが重くて、寝坊しました・・笑


メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。

渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
\ Follow me /