ツール活用

経費精算の自動化は、果たしてRPAで良いのか?

会社員にとって、最も面倒な仕事の1つが「経費精算」。

正しく入力しないとお金が戻ってこないから、やらざるを得ないのですが、全く新たな価値を生まない仕事。私自身、会社員時代は面倒くさすぎて、最後の2年間くらいは遠方の出張費以外は無視しました(笑)

という私のような杜撰(ずさん)な人間はさておき、何れにしても手間が掛かるのが経費精算です。入力する人のみならず、承認する上司、経理担当社にとっても面倒な仕事です。

この仕事をRPAで自動化するという流れが出てきています。

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経費精算(交通費精算)業務の流れ

この記事では経費精算の中でも最も時間を使う交通費精算に特化してお伝えします。

外出の多い仕事をしている人にとって、月末にやってくる交通費入力は、実に面倒な仕事。毎日入力すると言う手もありますが、現実問題、99%くらいの人が月末にまとめて入力しているでしょう。

経費精算の仕事は以下のような流れで進められます。

  1. 交通費(日付・訪問先・経路・運賃)を入力して上司に申請する【適宜・月末】
  2. 上司が承認する、あるいは間違いがあれば指摘する【月末】
  3. 経理が金額を再度確認する、同じく間違いがあれば指摘する【月末】
  4. 会計システムへのデータ反映【月末】
  5. 最終結果に基づいて社員の口座にお金を振り込む【月に1度の指定日】

大企業の場合は「上司」が何段階にも渡ることがあります。課長が承認して、部長が承認して・・と。

社員30名の会社と仮定して、1〜2までの入力に1人30分掛かると月に15時間。1人1時間掛かったら30時間を費やすことになります。

経理担当者は30人分の経路・運賃をチェックするのでさらに大変です。1人平均が20経路入力、1経路確認するのに1分だとしても、30人分 × 20経路=600分(10時間)を毎月月末に費やすことになります。

こんな長時間、集中できないですし、どんな罰ゲームかと思います。。こうして全社レベルで見ると数10時間を交通費精算だけに費やしているのです。

RPAで交通費チェックを行うとしたら

このうち経理担当者の月間10時間だけでもなんとかしたい。という理由でRPAを導入するとどうなるでしょうか?

各社員が決められたエクセルなどに日付や経路・運賃を入力することは従来と変わりません。経理担当者は各社員から提出された交通費情報をRPAにチェックしてもらいます。

  1. 行ごとに経路を参照する
  2. 参照した経路をインターネットで検索する
  3. エクセルに記入されている経路・運賃と突き合わせる
  4. 問題があった場合、記録する

これで経理担当者の業務が10時間短縮できます。月末にまとまって行われる業務で、支払期限もあるので残業が発生しやすい業務でしたが、それをゼロにすることも見込めます。

経理担当者が1年間で120時間の業務を短縮できると考えると、相応のお金を支払ってもやる意味が感じられますね。

ちなみにこのチェックを各社員が入力した時点で行うように変更すれば、提出前のチェックも可能です。ただこの場合は、各社員のパソコンにRPAツールが必要になるので、投資対効果が良くないでしょう。(RPAツールの価格によりますが)

RPA以外にも選択肢はある

ただ、RPA以外にも交通費精算を自動化する選択肢はあります。

例えば、こちらの「kincone」。
社員にSuicaなどのICカードを持ってもらい、それを専用端末で読み込むことによって、経理担当者のみならず、社員全員の入力も自動化してしまう仕組みです。

ICカードの情報を読み込むカードリーダーとiOS端末、もしくはNFC対応Android端末だけ準備すれば良いので、小規模事業者でも気軽に導入できます。勤怠管理の機能も持っていて月額200円ですから、交通費を入力する時間削減効果を考えたら、あっという間にペイします。

もっと大規模な例ですとコンカーがSuica連携の実証実験を開始しています。(こちら
ちなみにこの記事によると、

日本のサラリーマンは経費精算に毎月平均48分、生涯に換算すると52日間を費やしています。

とのことです。どんだけ無駄な時間を費やされているのでしょうか。。そのためにオフィスに行かなきゃいけないとか、残業して家族と過ごす時間が減るとか、あり得ないですね。。

と話が脇道にそれましたが、ここでご紹介したようなツールを利用することで、交通費精算のやり方そのものを変えてしまうという手もあります。これは人間の作業を自動化するRPAでは実現できない、ツール・システムの効果です。

個人的には、

  1. まずは手っ取り早く効果が得られるRPAを活用しつつ
  2. ご紹介したようなツールで業務プロセスそのものを変えてしまう

という流れが良いのではないかと思います。もちろん、最初から2に取り組めるのなら、それで十分です。こちらの記事でもご紹介しましたが、RPAは手早く効果を得ることに意味があります。

RPAを使うときに守りたい3つのことRPAの導入・活用は失敗例が多いと感じています。基本を理解しないまま印象だけで利用するケースが多いからです。RPAを活用する上で守るべき3つのポイントをご紹介します。これらを守るだけで、RPA活用の成功率は劇的に上がるでしょう。...
まとめ
  • 交通費精算は無駄だらけ
  • RPAを使って、特に経理担当者の負担を減らす効果がある
  • 別のツールを使って、根本的に業務プロセスを変えることも検討できる

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