IT企業を支援する上で、主流となりつつあるアジャイル開発を学んでいます。ただ、これは単なる開発手法ではなく、どちらかと言えば「働き方」「仕事の進め方」に近いと感じています。前回の記事はこちらです。
<スポンサードリンク>
「アジャイルマニフェスト」「アジャイルソフトウェア開発宣言」と呼ばれるものに、以下の記述があります。
プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、
このアジャイルマニフェストのページから引用しました。前回の記事で2行目と4行目についてでした。今回は1行目と3行目についてです。
ツールや制度に振り回されていませんか?
「働き方を変える」というような話をすると、すぐツールの話になってしまうことがあります。テレワークするなら仮想デスクトップとかスマートフォン・タブレットが使えるようにしたいよね、とか。チャットツールが欲しいね、とか。DropboxやBoxのようなクラウドストレージが必須だよね、とか。
また就業規則などの制度の話になることも多いです。テレワーク・リモートワークを可能にするための申請方法だったり、残業上限を決めたり。あるいはフレックスタイム制や年俸制に移行するという取り組みも聴いたことがあります。
ただ、これらツール・制度の話は、私たちの働き方を考える上での本質ではありません。
アジャイルマニフェストの1行目には、
プロセスやツールよりも個人と対話を、
と書かれています。
今の世の中、繰り返しの仕事をすることは、余りありません。と言うか、繰り返しの仕事であれば、コンピュータやシステムに任せれば良いのです。私たち人間が行なう仕事は、常に変化していく、つまりクリエイティブであることが前提と考えて良いでしょう。
そんなときに必要なのはガッチリ決められたプロセスでなければ、ツールでもないのです。常に「自分たちの目標は何なのか?」「それを達成するためにはどうすれば良いか?」を
自分たちで考える必要があります。
いわゆる、アジャイル開発の根本的な考え方である「自己組織化」です。この考えるときに必要なのが、「個人と対話」なのでしょう。
仕事で「戦う」のを終わりにしませんか?
IT業界で働いていると、特に大企業になるほど、職場が「戦場」と化しています。ベンダーと顧客は、共に目的に向かって歩むパートナーではなく、あくまでも「受注者」と「発注者」。
- どちらが泥をかぶるのか?
- 自分たちがやらないで済む仕事はどこからなのか?
仕事の範囲と、責任の押し付け合いと言っても、過言ではありません。
さらに言えば、同じ「発注者」(つまり同じ会社)の中にも、敵がいたりする始末。派閥があって、政治が働いて、限られた役職の椅子を奪い合って・・ゴチャゴチャした無駄だらけの世界です。ぶっちゃけ、そんな働き方をしていて本当に楽しいのだろうか?と心配になってしまいます。(余計なお世話でしょうが)
そんな世界に対して、アジャイルマニフェストの一文は刺さります。
契約交渉よりも顧客との協調を、
上述の通り、同じアジャイルチームは対話によって「自己組織化」することが求められます。さらに、顧客との関係も「協調」なのです。
契約社会のアメリカで、こういう発想が生まれてきたことが、個人的には面白いと思うのです。(補足ですが、アジャイル開発の考え方の源流を辿ると日本のトヨタ生産方式にたどり着きます。アジャイルは、アメリカ生まれと言うよりは日本の考え方と言えます)
敵対することをエネルギーを使うのであれば、協調した方が良い。私も賛成です。特に独立してからは、誰かと戦っていたら、あっという間に吹っ飛ばされてしまいます。協調するしかないし、その方が楽しいのです。
顧客とゴールを共有しつつ、一緒に歩んで行きたいものです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。