突然ですが、貴社の競合は誰でしょうか?
安易に同業他社だけを競合と考えているケースが多いようです。
競合を正しく認識していないことによる失敗が後を絶ちません。
この記事では、主に中小企業経営者・マーケッター向けに「競合」についてご紹介します。
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競合を決めるのはお客様
マクドナルドの競合はどこでしょうか?
モスバーガー、バーガーキング、ロッテリアなどを思い浮かべたかもしれません。
では質問を変えます。
マクドナルドに行こうとしたとき、店舗が閉まっていたら、どこに行きますか?
この代替選択肢こそが、マックの競合です。
急いでお昼ご飯を食べたいとき。
マックよりも蕎麦屋の方がはやく食べられるでしょう。
あるいはコンビニで買った方がはやいかもしれません。
(ビジネスで)ノートパソコンを広げて軽く仕事をしたいとき。
スターバックスコーヒーやドトールなどのカフェが代替選択肢になるでしょう。
(学生が)勉強したいとき。
図書館が座れたら、そっちの方が良いかもしれないですね。
(学生が)友達と楽しくしゃべりたいとき。
マックは夕方は音楽の音量が大きくなっていることがあるので、多少騒いでも大丈夫ですね。代わりに行きやすいのはカラオケでしょうか。ショッピングモールにあるフードコートなども良いですね。
(親として)子どもと楽しくランチしたいとき。
ハッピーセットがあるマックは、子どもが喜びますね。代わりに行くならファミレスでしょうか。ドリンクバーで飲み放題ですし、オモチャをくれるファミレスも増えましたね。
…と考えると、マクドナルドの競合は、当然ハンバーガー業界に留まりません。
蕎麦屋・コンビニ・カフェ・ファミレスなどの飲食店から、カラオケ・図書館まで現れます。
このように競合はお客様のアタマの中で決まります。
- お客様は誰か?
- お客様が何を欲しているか?(=価値)
- その価値を提供するために、どのような商品・サービスを提供するか?
私がこの質問をいつも経営者に投げかけるのは、自社がどこで戦うのか?という戦場を決めるためです。戦場が決まると、自社が何屋か決まり、競合も決まります。
マクドナルドの例を挙げましたが、競合はお客様が得たいもの(マーケティング用語で「ベネフィット」と言います)によって決まるのです。
一般的な競合分析のフレームワークが失敗する理由
世の中には競合を分析するための手法・フレームワークがあります。有名なのはマイケル・ポーターが提唱した5フォース分析です。ただ、それらが機能するのは、正しく競合が定義できたときだけです。
マックの競合をハンバーガー業界に留めていたら、どんなフレームワークを使おうとも意味をなさないのです。
しかも最近は業界の垣根を超えた仁義なき戦いが繰り広げられています。コンビニは100円コーヒーでカフェに殴り込みをかけました。イートインできるところが増えたのは、カフェやファーストフードに対する戦いでしょう。
本屋とカフェ、あるいは図書館とカフェが一体化したようなお店も増えています。もはや業界の定義など、無くなってきているのが現実だと感じています。
だからこそ、競合を決めるのはお客様という基本に立ち戻り、競合を定義する必要があります。だからこそ、「そもそもお客様は誰か?」を問い続けなければならないのです。
- 競合は業界だけでは決まらない
- 競合を決めるのはお客様
- だからこそお客様が誰か、何を欲しているのか?を追求すべき
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